なぜか突然記事が消えましたので書き直します。http://www.donna-mamma.gr.jp/gareki/
ドンナ・マンマ企画座談会「北九州市と石巻市の絆」って・・・?
北九州の子育てフリーペーパーのドンナ・マンマが、震災がれき広域処理について語る座談会を企画しドンナ・マンマのサイトに掲載されています。子育て中のママさん3人と、北九州市未来都市推進室次長に昇進した梶原氏、産業医科大の岡崎龍史氏、北九大の伊藤洋氏の6人。がれき焼却が3月に終了したこの時期に、こういう企画を出してきたそのワケは・・・?少しずつ問題点を見ていきます。
まず、座談会参加者が、災害廃棄物受け入れ検討会委員の御用学者2人と、行政担当者、ママさんはたった3人。これだけで座談会をしても母親たちの切実な思いや、途中経過や実態をすべて表しているとは思えません。全体量から見てもママさん発言部分はごくわずか。一方的に専門家の話を聞かされている感は否めません。
梶原:「1kgあたりの放射性セシウムが100ベクレルという一つの数値の基準があります。ベクレルとは放射性物質をどれぐらい含有しているかという単位ですが、この基準値は食べものと同じで安全なものです。」
梶原氏は、座談会中に2度も同じことを言っています。実際には、「食べ物と同じ基準値で安全」はなく、「廃棄物と同じ基準値の食べ物で危険」だから問題になっているのに、一切それは言いません。100ベクレル/kgは、原発から出た廃棄物の基準値で、黄色いドラム缶に入れて厳重に集中管理しなければならないということは語っていません。
梶原:「健康被害に問題ないということははっきりしております。ご安心頂きたいと思います。」
しかも健康被害についても梶原氏は、誠実に答えていません。梶原氏自身が、市民から提出された健康被害レポートを環境省の廃棄物リサイクル部に上げているにもかかわらず、そのことにも一切触れていません。どこまで嘘をつくのかと思います。実際にはこんなに報告が上がっているのです。
市民グループ 北九の子供を守るネットワークより
震災がれき焼却開始後の健康被害調査レポート↓必見
https://ss1.xrea.com/gareki.net/research/kitakyumamoru/report/qshu.php
梶原氏は因果関係が認められなければ自分が責任を追及されることはないとタカをくくっているのです。ひどい話です。
梶原氏は試験焼却直前の昨年5/21に、市役所ロビーにて、がれき焼却の安全性を懸念するたくさんの真剣なママさんたちと対峙しました。(写真)その際に、ママさんたちの思いも認識したはずです。それなのに、このような発言をまだ繰り返すということは、今後北九州市のママさんたちがもう二度と、行政に楯突かないように牽制しているとしか思えません。
さらに、このような座談会と称してまだでたらめな情報を流すということは、「結局たいしたことなかった」という印象付け、また「言ったってもうダメ」というあきらめの気持ちをママさんたちの間に浸透させようというものであり、「絆」の再プロパガンダと思わざるを得ません。
その上から、さらに産業医科大の岡崎医師が、嘘をかぶせています。岡崎医師はこのようなスライドを作る人です。⇒http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/hosyaeis/hibakuguide.pdf
岡崎:「内部被曝はどれくらいの量を被曝したかということが問題になってきます。今回の量というのは非常に少ないので、危ないということではありません。」
放射能はどんなに微量でも危険で、放射性微粒子を吸い込めば、肺の中からゼロ距離で放射線を発し続けるのに、危なくないと言うとは本当に医師なのかと思います。大体、量が少ないかどうかなぜ決められるのでしょうか?
岡崎:そもそも、持ってきたがれきというものは、放射能が非常に低いですよね。今回、震災があって原発が事故を起こして、飛んでいった放射性物質、セシウムががれきにごくわずかしかふりかからなかったと考えています。一番被曝される方は、焼却灰の埋め立てに携わった方ですが、その方が被曝する量というのが一年間で0.03ミリシーベルト。セシウムががれきにごくわずかしかふりかからなかったというのも完全に嘘ですし、一番被曝される方は焼却灰の埋め立てに関わった方ではなく、焼却灰(クリンカ)をかき出す作業をする作業員です。
実際、まだがれきを焼却していた期間の1月に、新門司工場の焼却灰を扱う作業員の方が亡くなりました。転落事故の扱いになっていますが原因はわかりません。市民グループが真相究明を求めて、北九州市役所に申し入れを継続中です。以下にまとめています。
http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/c/2463c2bd06375f97f65e95a7b284b9e8
こういう自分たちに都合の悪いことは全部隠して、一言も言わず座談会を進めています。ご都合主義の極みです。
[惑わされず]や、[蓄積しない]など、何もわからない素人のお母さんだと思って、もう言いたい放題です。
小野俊一先生の素晴らしいブログ記事を反論としてどうぞ。
◆放射能と人体シリーズ
放射能と人体(10)安全デマのキモ−実効線量係数とは(250万アクセス)
放射能と人体(9)ICRPと低線量被曝−科学的に証明する気はない
放射能と人体(8)ブラブラ病以外の被曝症状とは?
放射能と人体(7)放射能安全神話の根拠
放射能と人体(6)病理組織から見る内部被(200万アクセス)
放射能と人体(5)環境放射能は内部被曝の指標
放射能と人体(4)内部被曝と外部被曝
放射能と人体(3)核の本質−内部被曝
放射能と人体(2)・・核分裂生成物
放射能と人体(1)・・放射能とは。
時間がない方は市川定夫先生の動画で(7分程度)
市川氏は1935年大阪府生まれ。京都大学農学部卒・同大学院修了。農学博士。米国ブルックヘブン国立研究所研究員、メキシコ国立チャピンゴ農科大学大学院客員教授、埼玉大学理学部教授等を経て、埼玉大学名誉教授。その間、伊方原発訴訟や原爆症認定訴訟などの原告側証人として放射線と遺伝の関係を証言。また、ムラサキツユクサの研究は有名で、ごく低線量でも生物に影響があることを証明。1995年から原水禁国民会議副議長を務め、今年4月に議長に就任。
田中:実は、私は震災があった時には千葉県にいました。北九州市に来て、今度は震災がれきの受け入れということで不安でしたが、ご説明で北九州市に住めて良かったなと思いました。
と、このように自主避難したと思われるママさんが発言したことになっていますが、果たして本当でしょうか?放射性物質の危険性を調べ、理解し、千葉から子どもと避難する行動に移した人が、そんなこと言うでしょうか?ありえません。
私が一番許せなかったのは、編集部が最後に
私たち自身があまりにも知識不足だったこと、その知識不足ゆえに報道に戦々恐々としてしまったことを反省しました。誰もが被災者となる可能性があります。私たちや子どもたちも、いつ被災者となるか分かりません。私たちは親としてひとりの人間として、助けを求める人に手を差し伸べ、助け合う心を子どもたちに伝えていかなければならないと痛切に感じました。
とまとめていること。知識不足と言いますが、ネット環境にない人や、時間がなくてなかなか調べ物ができない人は、テレビ報道や市の広報などを信じてしまいます。それが誤りかどうかを、精査・検証するすべがありません。どんなに反対派の人がお願いしても、新聞やラジオも絆プロパガンダ一色でした。それをひとくくりにして知識不足と言い切り、がれきに反対したママさんたちを愚弄しています。
ここまでして東京電力によって撒き散らされた放射性物質が、がれきにも降り注いだことをたいしたことないように過小評価し、放射能安全神話を垂れ流す意図はなんでしょうか?
放射能は拡散したという大前提、事実を無視して、「いつ被災者となるか分かりません」と、ある意味、脅しをかけるような言い回しで論点をずらすのは実に残念です。
このような座談会を企画した、ドンナマンマとはどのような会社なのか調べてみたところ
http://www.donna-mamma.gr.jp/company/
北九州市の指定管理業者、九州電力はこの会社のお得意様でした。お金を貰えば、都合の悪いことは書くはずがありません。
この座談会自体が、完全にヨイショ企画でした。