(管理人より)雪が降ったら発電できないパネル、それに大雪で停電。 関東のパネルをのせたオール電化の皆さんはどうされたのでしょうか?
もし、自宅に高額な家電製品であるソーラーパネルが屋根にのせてて雪が降ったら、気になって仕方がないかもしれません。
調べてみましたら、落雪事故が増えてるようですね。
平成24 年12 月27 日 独立行政法人国民生活センター
太陽エネルギー利用パネルからの落雪事故に注意 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20121227_1.pdf より
[事例1]落雪による負傷
居住アパートの屋根に設置されたパネルに積もった雪が落ちた。外にいた妻と子供の頭上を直撃。負傷し、病院でムチ打ち症と診断された。
大家も施工業者から「雪止めは設置してあるので、落雪対策は問題ない」と説明されたというが、施工業者から謝罪や落雪対策の説明はない。施工にも原因があったと言えるのではないか。
(消費者トラブルメール箱 2012 年12 月 北海道・東北北部)
[事例2]隣家のテラスを破壊、事業者のたらい回し
3 年前、メーカーからは「寄棟でパネル貼りにすると発電効率がよい。積雪時は発電しない」と説明を受け、パネルが屋根と一体になった新築注文住宅を購入した。その年の12 月、屋根から雪が勢いよく滑り落ちた。各隣家の敷地内に落ち、テラスなどを破壊した。「音で眠れない、雪が壁に当たる」とクレームがあり、工務店に連絡し、工務店独自の雪止めを設置し、テラスも補修した。
今年12 月、今度は自宅に設置したテラスに屋根からの落雪が跳ね返り、また隣家壁に衝突した。
メーカーの営業担当に苦情を言ったが、お客様相談窓口や、施工業者を次々たらい回しにされた。
もし、落雪の説明があれば、選択しなかった。
(消費者トラブルメール箱 2012 年12 月 近畿)
[事例3]雪止めをしていても安心できない
3 年くらい前に太陽光パネルを取り付けた。雪止めはあるものの、雪が降ると大量に落ちてくる。玄関などへ出入りする時に危険なので、業者に対策をとって欲しいと思い、雪止め対策の見積もりを依頼したが、業者が対応しない。
(PIO-NET 2012 年11 月 男性)
[事例4]雪止めのない屋根から落雪。物置屋根が壊れる
オール電化住宅で1 カ月1 万数千円の電気代を払っており、ソーラーシステムのチラシを見て近所の家電量販店に行って説明を受けた。予定よりパネル数が増え、予定金額も多くなったが「少なく見積もっても電気料金分の発電量は見込める」と言われ、年間予測発電量の資料を基準に、発電量不足分は補償するとの説明もあったので契約した。積雪が心配だったが、急勾配の屋根から滑り落ち、発電量や雪の落下の心配はないと言われ、
雪止めの話はなかった。実際には雪が積もって発電しないし、積もった雪が落下して、物置の屋根を壊し、サンルームの天井屋根が曲って外れるなどした。
人身事故になりかねず、このようなことが起こると分かっていれば契約しなかった。パネルを撤去して元通りにしてほしい。
(PIO-NET 2012 年10 月 40 歳代・男性 甲信越)
[事例5]雪止めの施工が難しいケースもある
昨年、自宅を新築し、屋根にソーラーパネルを付けたが、家の構造上、積もった雪が2 階ベランダに一気に落ちて非常に危なかった上、ベランダがひどい状態になった。玄関付近も同様で、横の公道に人が歩いていたら、けがをしたかも知れない。
工務店に対し、屋根に雪止めをつけるか、人が通るところは屋根を付けるよう交渉中だが、屋根全面がパネルの場合、雪止めを付けることが難しいと言われている。製品に問題はないのか。
(PIO-NET 2012 年05 月 60 歳代・男性 南関東)
(1)パネル上を滑り出た積雪は、一般的な屋根に比して、遠くまで落下する(事例1,2,3,4,5)
平成23 年12 月に(独)防災科学技術研究所(NIED)が公表した「太陽電池パネル上の雪の滑走実験を実施4」によれば、一般的な2 階建て住宅屋根上(4 寸勾配)に設置したパネルから、積雪が落下した場合、庇(ひさし)先端から約4.5m先まで落下するとの計算結果が出た。
同条件のトタン屋根では、約3.5m先に落下するとされているが、これと比較すると、広範囲に落雪被害が及ぶと考えられる。
また、屋根上の融け切らなかった積雪は、時間経過とともに氷塊のような状態となるので、落下した時の衝撃危険性が一層高くなる。
(2)普段降雪の少ない地域ほど、パネルに落雪止めの処置を行っていない(事例2,4,5)現時点で入手できる範囲の説明パンフレットを見た限り、「落雪止め」の付いた市販のパネルは見当たらなかった。これは、「落雪止め」は、施工時に事業者がオプションや別途工事によって設置する状況にあることが背景にある。中には落雪防止の処置によって発電効率が低下するため、落雪止めを設置しないケースも見られた。
(3)都市部で設置するパネルほど、近隣被害が起きる可能性が高い(事例1,2,4,5)適切な落雪止めが施されていない場合、隣家との間隔が近接している都市部や住宅密集地であるほど、自宅の敷地外に落雪が「飛び出てしまう」可能性が高い。設置位置や屋根の向き、建物の高さによっては、道路を通行する人や車両を直撃し、重大な人身事故に発展する可能性が考えられる。
(4)パンフレットや取扱説明書に、落雪の危険性の記載や説明が不足している(事例2,3,4,5)
消費者に提供されるメーカーや販売事業者のパンフレットなどでは、降雪・落雪被害についての注意事項の記載が少なく、設置をする際に、落雪について事業者からの情報提供が不足していると考えられる事例が見られた。
事業者においても、落雪の危険性について十分に認識しているとはいえない現状がうかがわれることから、消費者への情報提供においても十分に周知が図られていないことが問題として挙げられる。
4.消費者へのアドバイス
(1)パネルは表面が滑りやすい構造になっているので、落雪の危険性があることを認識しておく。
(2)パネルの設置に際しては、積もった雪が落下する場所に、特に注意を払う必要がある。落下場所が自宅敷地内の場合、駐車場や倉庫などの位置を変更するなどの対策が必要である。特に住宅密集地では、隣家や路上の通行人の安全にも十分に配慮し、パネルの設置業者や、必要に応じ、建築当初の設計者、施工者とも相談した上で、対策を検討すること。
(3)すでにパネル設置済みの場合には、地域ごとの気候条件をふまえ、パネルの設置業者や、必要に応じ、建築当初の設計者、施工者とも相談した上で、必要な措置を検討すること。
(4)落雪による事故防止には、パネル上の雪下ろしが有効ではあるが、パネル表面は滑りやすいので、雪下ろし作業時には特に注意を要する。また、作業はできれば複数人で行うこと。
5.情報提供先
・ 消費者庁消費者政策課,消費者安全課
・ 消費者委員会事務局
・ 国土交通省住宅局建築指導課,住宅生産課住宅瑕疵担保対策室
・ 経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課
・ (独立行政法人)防災科学技術研究所
・ (公益財団法人)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
・ (一般社団法人)太陽光発電協会
・ (社団法人)ソーラーシステム振興協会