安岡洋上風力計画に反対する私の理由を書きます。それは廃棄物問題です。今までにもブログ記事で書いています。
【唖然】日本に作られた風車が、すでに99基はゴミになって撤去・休止されている事実をご存知ですか?
【驚愕】30年後、日本はソーラーパネルと巨大風車のゴミ屋敷!再エネ廃棄物問題【設備には寿命】
2030年に累計で1000万トンをこえる巨大風車廃棄物が推計されていることをご存知でしょうか?
環境省HPより 平成24年度使用済再生可能エネルギー設備のリユース・リサイクル基礎調査委託業務 報告書
平成24年度環境省委託業務 平成24年度使用済再生可能エネルギー設備のリユース・リサイクル基礎調査委託業務 報告書 の39p〜よりグラフ引用。
風力発電を構成する主要部材のうち、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)が用いられているブレードは、リサイクルや廃棄処分が難しい。ヨーロッパではFRPの粉砕時に多くのエネルギーを消費することが指摘されています。
日本でも既に設備寿命後の風車は次のように廃棄物処理されています。ブレードは破砕・埋め立て処理、膨大な量の廃油は産廃処理されています。タワーなどの鉄はリサイクルとありますが、そこでも化石燃料が使われます。
にもかかわらず、この環境省の報告書では http://www.env.go.jp/recycle/report/h25-03/02.pdf
●風力発電装置の原材料調達から製造、建設、輸送、運用(修繕保守を含む)、廃棄までを分析対象とし、リサイクルについては含まないこととした。
●製造段階:送電線や変圧器等逆潮流のための機器は含めず、風車本体のみを対象。
●風力発電設備は多種多様な材料や機器から構成されており、詳細な部分まで考慮することが困難
ライフサイクルアセスメント(LCA)の評価対象の中にリサイクルや周辺機器が入っていません。驚きました。ご都合ですね。
発電所の問題はライフサイクル(資源採掘⇒精錬⇒発電設備製造⇒輸送⇒建設⇒運用(修繕保守を含む)⇒廃棄⇒リサイクル)全体で見なければならないということは原発事故で学んだはずなのに・・・ライフサイクル全体のエネルギー消費量が過小に見積もられているということがわかります。
風はタダでも、ライフサイクル全体では膨大なエネルギーと税金が投入されることがわかります。レアメタル、レアアースなどの鉱物資源も浪費。
さて風力などの再エネに関する議論の中で、よく出てくるのが↓
自然エネルギー・再生可能エネルギー推進派の人は、廃棄物問題を指摘すると必ずこう言います。
果たして風車の廃棄物と乗り物の廃棄物は同じでしょうか?
風車のゴミと新幹線のゴミは金属製の工業製品であることは同じかもしれませんが、目的が違います。船は運搬することが目的。風車は電気を作るのが目的です。電気を作るのは公共事業です。
効率の悪いエネルギー供給技術を国策として、国民から賦課金をとってまで行うのは税金の無駄につながります。運搬が目的の公共の乗り物であっても、必要性のないものに多額の税金をかけるのには反対です。(例えばリニアなど)
電気を作るエネルギー供給技術と同列に考えるのはおかしいです。エネルギー供給技術の優劣はエネルギー収支比で見るしかありませんが、試算は国に都合がいいようにされています。エネルギーの質からみたら火力です。
風車がいくらハイテクでも、エネルギー供給技術としては火力発電にかなわない。風力発電は、外部電源で回っており、火力のガバナフリー運転の上に成り立っていることを、ほとんどの市民が知らないだけです。
エネルギー収支比を考えたら、効率が悪いエネルギー供給技術を、国策推進するのは税金浪費的、資源浪費的なのです。
さらにこういう方がいます。2014年4月から 消費税が8%に上がりました。子どもを育てる世代のことを考えているのでしょうか?自分の世代さえよければいいのでしょうか? その国策は税金節約的な事業かどうか、大手メディアに頼らず、ネットを使って一人ひとりが調べて考えなければなりません。
みんなが電気を使いたいということを逆手にとって、エネルギー国策で、税金浪費的な風力発電を「エコ」と偽り、「投資」だとして市民に押し付けているのです。
再生可能エネルギーは、どの建設会社がやろうと国策です、公共事業です。
資源エネルギー庁が朝日新聞に出した全面広告(3000万円)↓
まさに再エネプロパガンダ!
この広告の中には風力発電の問題点(風車病や落下事故、火災)や危険性など一切入っていません。原発を止めるとも書いていません。
大体グリーンパワーってなんでしょうか?風力発電所建設で山の木を切り倒しても「グリーンパワー」? 一体、広告代理店にいくら払ったのでしょうか?
このままだと、2030年に太陽光パネル、風車を合わせて累計で2000万トンをこえる廃棄物が発生します。震災がれきと同じレベルです。
『電力化亡国論』を書かれている近藤邦明さんに、ご意見をお聞きしました。許可を頂きましたので以下転載します。(強調は管理人)
まず、風力発電をはじめとする自然エネルギーを利用する発電施設は、例外なく資源浪費的な施設になります。その理由は、自然エネルギーはどこにでも存在していますが、それ故にエネルギー密度が小さいこと、そして予測不能の不規則変動があるためです。化石燃料を使用する火力発電と同じ利用可能な発電量を得るためには、風力発電のほうが圧倒的に大量の資源を必要とします。
その結果として、自然エネルギー発電では燃料として化石燃料を消費しませんが、その巨大な施設を建設して運用するために必要なハードウェアシステム(発電装置だけでなく出力を安定化する装置や付加的な送電線網の敷設などを含む)を構築・運用するために投入される化石燃料は莫大なものになり、使用可能な単位電力量当たりに消費する化石燃料は、風力発電のほうが大きくなります。
海上風力発電では、建設コストの上昇ばかりでなく、メンテナンスコストの上昇、耐用年数の短縮で更に絶望的な数値になります。陸上風力発電装置単体の発電原価は20〜25円/kWh程度でしょうか。海上風力発電ではそれよりもはるかに高コストになります。
化石燃料火力発電では、発電原価は7〜10円/kWh程度でしょうか。火力発電の場合、発電原価に占める燃料費が60%程度と考えると、施設建設・運用にかかる費用は2.8〜4円/kWh程度です。
以上から、陸上風力発電では単位発電電力量当たり、経済価値で少なくとも火力発電の6倍程度の廃棄物が発生します。実際のマスではその数倍の重量・体積になるでしょう。
実際の運用では、これに加えて更に出力安定化システムや送電線網の敷設が必要になります。
> 「風車の廃棄物は船や新幹線の廃棄物と同じ」
であったとしても、風力発電をはじめとする自然エネルギー発電システムは利用可能な単位発電電力量あたりの廃棄物の量が大きすぎる、資源浪費的な発電装置です。
>「税金の無駄はたくさんある、それを言い出したらきりが無い」
は経済政策としては一つの考え方です。発電コストが高く資源浪費的なシステムを利用すればするほど、経済規模は大きくなり、いくらでもつぎ込む資金を供給できるのならば、経済規模は爆発的に大きくなります。しかし、つぎ込む金を供給できないのに高コストのシステムを導入するのは経済を破綻させる愚か者です。
更に、資源物理学的、あるいは人類文明という巨視的な視点で見れば、同じ効果を得るために投入する資源が大きな資源浪費的なシステムを多用すれば、必然的に文明の終焉を早めることになります。
以上から、潤沢な国家資金があるのならばともかく、先進工業国内で最悪の債務超過国である日本、しかも東北地方太平洋沖地震・福島原発事故復旧という避けて通れない国家的な事業を遂行しなければならないこの時期に、趣味的な風力発電を大規模に導入するなどという愚かな国家政策は亡国の国家政策以外の何ものでもありません。
以上、簡単ですが私の考えです。詳細につきましてはホームページの記事などをご覧いただければ幸いです。
http://www.env01.net/main_subjects/energy/energy_index.html
管理人より
「ペイしないからと言って作らなければいつまも技術は進歩しないし経済的にペイできる事はない。実験的自然エネルギーはそういう時期も必要だ」という
エネファームをつけてる人の意見ですが、迷惑を被ってる人の身になっていない加害者側の論理と思います。(エネファームの健康被害も多い)
たとえば風車をたてて周辺住民に死ぬほどの迷惑をかけて、その被害者に同じことを言えるのでしょうか?
脱原発のために風車推進してる方、あるいは風車推進業者の方は、風車の健康被害で死ぬほどの苦しい思いをしている人の目の前で
「原発よりまし」って言えますか?
技術の進歩のためには「誰かが犠牲になるのは仕方ない」って言えますか?
言えたとしたら、もうそれだけで、風力発電は倫理的でない発電技術だといえます。実験的自然エネルギーで他人の人生をめちゃくちゃにしていい理由にはなりません。
原発も再エネも、私にはこのように見えます。↓