50キロ先、住宅地にも粉じん 福島第一原発がれき撤去
http://digital.asahi.com/articles/ASG7H5SVWG7HUUPI00C.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7H5SVWG7HUUPI00C 2014年7月16日07時33分
東京電力が昨年8月に福島第一原発で実施したがれき撤去作業で放射性の粉じんが20キロ以上離れた避難区域外の水田に飛散した可能性が指摘されている問題で、この時の放射性の粉じんがさらに50キロ付近まで飛んでいた可能性が高いことが京大研究グループの調査で分かった。今後も実施していくがれき撤去作業による汚染が広範囲に及ぶ恐れを示すものだ。
調査したのは、京大大学院医学研究科の小泉昭夫教授(環境衛生)ら5人。住民の被曝(ひばく)量を予測するために2012年9月以降、福島県内の住宅地の3地点に空気捕集装置を置いて大気中の粉じんを集め、1週間ごとに放射性セシウム濃度を測定してきた。
このうち原発から北西48キロの相馬市で集めた昨年8月15〜22日分から、他の時期の6倍を超す1立方メートルあたり1・28ミリベクレルの放射能を検出。北北西27キロの南相馬市では20〜30倍だった。西南西22キロの川内村では変化がほぼなかった。
小泉教授らは?原発の北西や北北西で放射能濃度が上がり、西南西で変化がほぼないことは当時の風速や風向きによる放射性物質の拡散予測に一致する?大気中から集めた粉じんの粒子は比較的大きく、第一原発のような放射性物質が密集する所に長くあるうちに大きくなったと推測される――などから第一原発でこの時期に行ったがれき撤去で飛散してきたとみている。
さらに南相馬市の地点では昨年5、6月にも1度ずつ粉じんのセシウム濃度が急上昇した期間があり、この間にも撤去作業で飛んだ可能性があると分析。小泉教授らは今年3月、「第一原発のがれきが汚染源とも考えられる」とする報告書を環境省に提出していた。
東電は昨年8月19日に第一原発3号機で大規模ながれき撤去を実施。20キロ以上離れた南相馬市の水田で収穫されたコメから基準超のセシウムが検出され、農林水産省から飛散防止を要請されていたことが14日の朝日新聞報道で発覚した。東電は記者会見で撤去作業との関係は不明としつつ、「ご迷惑をかけた」と謝罪。当時の放出量はふだんの1万倍以上にのぼり、4時間で最大4兆ベクレル(試算)だったと発表した。
東電は今月下旬に1号機を覆うカバーを解体し、大規模ながれき撤去に入る方針だ。飛散防止剤を多くまくとしているが効果は不透明で、詳細な作業日程や放射線量の公表を求める声が出ている。(青木美希)
(管理人より)住宅地までプルームが流れ、放射性浮遊塵が飛散していましたね。2012年9月から京大がエアサンプラーで大気浮遊塵を引いて測定してたんですね。できるだけリアルタイムに近い形で早く国民にデータを公開するべきだと思います。
「2013年5、6月にも1度ずつ粉じんのセシウム濃度が急上昇」と上記事にありましたし、結局4兆ベクレルもの追加汚染をした3号機のがれき撤去が、私たちを汚染水漏れ報道で目くらまししながらどう進められていったのか、報道されていたのかを、東電の報道発表資料を時系列で2012年5月から振り返ってみることにしました。リンクの山になるかもしれませんがどうかお許しを。
2013年5月 5/4 3号機原子炉建屋上部ガレキ撤去工事における高線量ガレキの発見 約540mSv/hの高線量率ガレキ
5/18 3号機原子炉建屋上部において、ガレキ撤去作業に使用していた無人重機の制御に使用している油が漏えい
2013年6月 6/29 生コン車の汚染 それ以外はほぼ汚染水漏れのこと
2013年7月 7/10 7/11 3号機原子炉建屋上部において、ガレキ撤去作業に使用していた無人重機の油圧カッターから作動油が漏えい
7/18 3号機原子炉建屋5階中央部近傍(機器貯蔵プール側)で湯気らしきものの確認
※湯気問題で公表された画像ですが、この7月の段階で3号機の屋上にあった、グニャグニャの大きめの鉄骨はすでになくなっていることが分かります。
※補足で湯気問題の動画を2本あげときます。東電の尾野氏も言ってますが、7月にはかなり撤去されているようです。
「3号機の屋上のがれきの線量というのはもともと非常に高いということが分かっておりまして、がれきなどがだいぶのけられてきて、
ここの線量というのを初めて測ったものですから、比較できるものが存在してない」https://www.youtube.com/watch?v=1AOyRDBLBfY
2013年8月 8/23 免震重要棟前に設置されている連続ダストモニタの高高警報
<3号機原子炉建屋上部〔原子炉上西南西側(下方向)〕>
・8月22日午前11時35分から午後0時5分(採取時刻)
セシウム134:1.2×10-3[Bq/cm3]
セシウム137:2.6×10-3[Bq/cm3]
8/20 免震重要棟前に設置されている連続ダストモニタの高高警報
<1、2号機開閉所東側>
・午前11時30分から午前11時50分(採取時刻)
セシウム134:4.6×10-6[Bq/cm3]
セシウム137:8.6×10-6[Bq/cm3]
<モニタリングポスト−2>
・午前11時58分から午後0時28分(採取時刻)
セシウム134:3.1×10-7[Bq/cm3]
セシウム137:4.2×10-7[Bq/cm3]
8/19 免震重要棟前に設置されている連続ダストモニタの高高警報
<1,2号機開閉所東側>
・午後0時48分から午後1時08分:
セシウム134:3.2×10^-5[Bq/cm3]
セシウム137:7.2×10^-5[Bq/cm3]
・午後1時50分から午後2時10分:
セシウム134:8.0×10^-6[Bq/cm3]
セシウム137:2.1×10^-5[Bq/cm3]
<モニタリングポスト−2>
・午後7時55分から午後8時25分
セシウム134:3.1×10^-7[Bq/cm3]
セシウム137:4.5×10^-7[Bq/cm3]
8/12 免震重要棟前に設置してある連続ダストモニタで、放射能濃度が高いことを示す警報が発生 身体汚染が確認された10名は、頭部・顔面が最大19Bq/cm2で汚染
参考 南相馬の玄米に放射性物質が直接付着:その2「3号機の汚染ダスト」 おしどりマコさんのレポート
2012年9月 9/13 9/15 9/16 9/18 3号機原子炉建屋5階中央部近傍(機器貯蔵プール側)より、湯気
2013年10月11日にガレキ撤去作業を完了
報道関係各位一斉メール には、先日からの報道を裏付けるものが残っていますね。
そもそも3号機のがれきははじめはこうでした。大中小のぐにゃぐにゃの鉄骨、コンクリートのがらなど、どう考えても動かせば埃がしそうです。強烈に高い線量の場所。
がれきの撤去を画像で見てみたいのでさらに 福島第一原子力発電所 3号機の現状 より画像 を時系列に抜粋してみていくことにします。
2013年2月からがれき撤去作業を行ってますね。
参考 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130206_03-j.pdf
参考 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130422_10-j.pdf
参考 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130527_03-j.pdf
大量の放射性浮遊塵を飛散させた7、8、9月のがれき撤去作業の画像が何故かありません!!
連続ダストモニタの警報が鳴りまくっていた8月がないのはおかしい。記録してないはずないですから公表してないということでしょう。
ぐにゃぐにゃの鉄骨やコンクリートがらを撤去している時の粉塵の出具合などが確認できません。この段階で浮遊塵が飛散すれば風に乗って飛んで行き、田んぼの稲穂に付着するでしょう。
次の更新が10月のがれき撤去完了時点。もう稲刈りです。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131016_06-j.pdf
東電は除染すると書いています。(赤囲い)機械を使った除染作業でも埃は舞うと思われます。
2012年2月ぐらいから継続的に粉塵は漂っていたと思いますが、8月の撤去作業が一番埃が多く出たのではないかと思われます。
ビル解体現場でも埃がたくさん出ますので、3号機で出ないはずがありません。
参考 これは福島第一原発ではありませんが↓ がれきを撤去するときはこんなに埃が出たのではないかと思いましたので参考イメージとしてアップしておきます。
私はこれを見て、今後放射性物質を含んだコンクリートを使ったビルやマンションが解体されるときはまた放射性物質が飛散するんだな〜とぞっとしました。