昨年秋頃、いかにも私がブログで主張している内容に対する、自然エネルギー推進側の「言い訳」?のようなものが市民の間にSNSなどで出回っていましたので、正月一発目に反論しておきたいと思います。
その出回った言い訳を受けて、さらに市民がブログに書くという展開も見受けられました。取り付けたパネルについて悩んでいた市民が解決してほっとしたという内容のブログで、まったく呆れました。
このブログです。 http://ameblo.jp/green-note-page/entry-11962052409.html 巧妙な嘘が散りばめられています。
パネルを買ってしまった人は、パネルを使うことに都合のいい意見しかきかないという態度を示しています。
なお当ブログの反論は、原発推進派が自然エネルギーについて書く「批判」内容とは違います。 原発推進派はレアアースや地球温暖化の嘘、蓄電池、エコキュートなどの危険性についてはついては全く触れません。
一部に見られる原発推進派の自然エネルギー批判というのは、偽物なので不完全です。結局、原発推進派は、自然エネルギーも推進しています。
地球温暖化の嘘をうまく利用した、同じ穴のムジナです。
地球温暖化懐疑派の学者の中には、自然エネルギー賛成派も混じっているので注意が必要です。そういうタイプの学者も巧妙に混ぜ込んであります。
紫文字は、自然エネ推進派の言い分です。
◆EPTが2年半(数年前のデータ)なので、長く使うことは環境にプラスである。再生できない石油、石炭、ガス、ウランで作られた電気を使う方が環境に良くない。
反論↓
「EPTが2年半」が間違い。太陽光パネルは膨大な鉱物資源と化石燃料を浪費して作るハイテク工業製品です。資源節約的かどうかはライフサイクル全体で評価しなければなりません。
太陽光発電の発電装置自体が、化石燃料なしには作れません。発電に使う燃料はただでも、設備を作るのに膨大な火力の電気を使うのです。
発電装置運用中の燃料のことだけに注目させるのは欺瞞です。
下図の赤字、赤囲い部分と廃棄にかかるコストを無視しておいて、「EPTが2年半」というのはおかしい。
資源エネルギー庁の図 ・・・この図は重要です。(エネファームやエコキュート、IHクッキングヒーターも描かれているということはそれらがエネルギー政策に関係しているということです)
金属シリコン製造は膨大な電力を消費。太陽電池は中国の安い電力と人件費なしには作れない。珪肺とは?
シリコンはケイ石から作られます。ケイ素と酸素を主成分とするケイ石を木炭などと一緒に電気炉で融解、還元してつくります。具体的には電気炉にケイ石、木炭などの炭材を配合投入し、そこに大電流を流して炉心温度を上げると、炭材から出るガスがケイ石から酸素を奪い、ケイ素が金属状に遊離して金属ケイ素ができ上がります。 金属ケイ素の製造には膨大な電力を消費します。
太陽光パネル、風車、蓄電池に必要なレアアースを製錬する際に、放射性物質が環境中に出ます。原発の燃料、ウラン精製時に環境が放射能汚染されるのと同じこと。 オーストラリア・ウラン鉱山で放射性汚染水大量流出。関電、九電、四電、伊藤忠商事の出資の日本企業 マレーシアのレアアース抽出工場~ブキメラ放射能汚染「私たちは、涙がかれる程たくさん泣きました」 採掘・製錬時に放射性物質を撒き散らすレアメタル・レアアースは自然エネルギーにも使われている事実
自然エネルギーの設備寿命は長くて約20年。約20年後は莫大な有害性産廃の山となります。 環境にプラスとは到底いえません。
◆太陽光パネル生産の際の公害は、工場の公害規制の甘さによるもの。中国・インド産を避け、先進国で生産された太陽光パネルを選べばよい。
反論↓
健康被害を工場規制の問題に矮小化するのは本末転倒。原発を品質管理の問題にすり替える原子力安全派と全く同じ論理。公害を否定するところも原発推進者と同じ。先進国が後進国に公害を押し付けているという反省が全くないことに心底驚かされます。
中国の太陽電池工場付近の水源から基準値の10倍のフッ素化合物。基準値の100倍の工場も。
日本の自然エネルギーに必要なレアアースを、中国など現地の人達を被曝させながら精錬していることを無視しています。
中国レアアース「環境問題として有害物質による大気汚染、強酸性の排水、放射性物質など」中国とインド製を避ければいいという、まことに身勝手で情けない発想にも驚かされます。自宅の太陽光パネルがヨーロッパ製だったら、それでいいなんて、しょせん自己満足でしかありません。
◆有害物質を含む太陽光パネルは実際にあるが全てではない。シリコン系パネルは、生産時のエネルギーが少なく有害物質は含まれていない。
合金化されたパネルはリサイクル困難だが、シリコン系パネルはリサイクルが可能であり、すべてダメであるかのように言うのは間違い。合金系であるソーラーフロンティア社製のパネルは回収されるので例外。パネルは20年持ち、50年後も変な使い方をしなければ半分の発電量がある。
現時点ではリサイクル事業は、パネルの廃棄物がまだ少ないので閉鎖になってしまう。経年劣化はどうなるかは不明だが、シリコン系パネルのリサイクルは困難ではない。
反論↓
有害物質が含まれていることを認めながらも「全てではない」というご都合さ。シリコン系のものは複雑ではないのでリサイクル可能というのも間違い。
http://mric.jogmec.go.jp/public/report/2012-05/23.Si_20120619.pdf
また、シリコン系の太陽光パネルのセルにも有害物質が含まれているものがあります。
下図は株式会社カネカの太陽光パネルセルの断面図(http://www.nedo.go.jp/content/100513523.pdf より)ですが、上から2番目の層に「透明電極」という層があります。
透明電極には、ITO(In2O3[酸化インジウム]/SnO2 [二酸化すず]の複合酸化物)が一般的に使われているようです。(下図のカネカの透明電極にITOが使われているかは未確認。)
インジウムは毒性物質です。(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001iz7t-att/2r9852000001izs5.pdf )
インジウムはレアメタル稀少金属で、中国の多数の採掘現場で公害が発生しています。(このITOは液晶TVやパソコンの薄型ディスプレイにも使われています。電子廃棄物は有毒)
シリコン系パネルをさもリサイクルが簡単なように言ってますが、極めて難しい作業です。その理由を二つ上げます。
太陽光パネルの構造は一般的に下図のようになっています。(東レリサーチセンター http://www.toray-research.co.jp/taishou/batteryenergy/bat_002.html より)
①Al(アルミ)フレーム部分とその左の主要部分(白板熱処理ガラスからバックシートまでとする)は、シール材(ブチルゴム、シリコンゴムなど柔らかい接着剤)で接着(密着)されている。Alフレームを取り外すのは容易なことではない。ブチルゴムやシリコンゴムを見たり触ったりしている経験のある人ならすぐ分かる。
産業用ロボットで引きはがす?
⇒引きはがす時は最初に剥がれる瞬間まで多くの力が必要で、その後は急に弾き剥がれる。これを現状の産業用ロボットでやろうとするとトルク(力)管理が複雑過ぎて無理。 また、あらかじめ寸法が規格化されていないとさらに難しい。
②白板熱処理ガラス、バックシートをどうやって取り外すのか。 中身の太陽電池セル、電極、インターコネクト材をどうやって封止材から取り出すのか。
封止剤(これがやっかいもの)はシリコーン樹脂以外なら有機系化合物なので「焼けば取れる」。
http://www.dowa-ecoj.jp/sonomichi/solor_recycle/02.html より 赤文字
「まず、封止材(EVA)の除去方法です。太陽光発電システムは屋外に設置されますので、風雨にさらされても大丈夫なように、とても丈夫に出来ています。
ただ、解体する際にはこれが大変で、封止材という樹脂を除去するのに苦労しています。
焼けば樹脂は飛ばせますが、ガラスとしてのリサイクルが出来るように、違うやり方がないのかを検討しているところです。」
と書いてありますが、焼けば有毒ガスが発生するし、燃えカスが残ります。洗浄しても燃えカスがこびりついていて取れないかもしれない。
また、上記URLでは、「以前はシリコンが高価でしたので、そのシリコンをリサイクルしようと検討したのですが、シリコンと一口に言っても様々な種類や技術的課題があり、有価でのリサイクルは難しいという結論に達しました。」とあります。
ソーラーフロンティア社は回収した後どうするのでしょうか?ソーラーフロンティア社が倒産したら回収はどうなるのでしょうか?企業任せというのは無責任です。
さらに「変な使い方」ってどんな使い方でしょうか? そもそも夏はパネルの表面が80度をこえ、冬は雪が積もる過酷な野外環境に設置するパネルに「変な使い方」って・・・?
太陽光パネルの温度変化を調べるヒートサイクル試験の結果に関しても、市民に公表されていません。研究発表したという情報だけでよくみると肝心の中身がありません。http://urx2.nu/fMR6
口頭発表が多く、パワポ資料もなぜか見つかりませんでした。
これら信頼性試験に関する発表時期が、2013年~2014年と最近に集中していること、今頃になってこんな基本的な事をやっている状態には疑問を感じます。
市場でトラブルが多発して、メーカーと共同で慌ててやっているのかもしれません。
メーカーとの共同研究の場合は具体的な数値を公表すると他メーカーに技術情報、レベルを悟られてしまうので、 発表内容を公表しないのかもしれません。
「50年後も半分の発電量がある」というのは、「50年後にはたった半分の発電量になってしまう」とも言えます。
50年間、設備を維持する為に、追加した設備やメンテナンスのコストは完全に無視するつもりのようですね。
「リサイクル=エコ」という嘘がまかり通っているので、市民が自然エネルギー推進者の嘘を信じてしまうのです。
工業生産の仕組みから考えて再エネは無理です。あらゆる汚染が広がり資源や国費が浪費されるだけ。かりにリサイクルしても100%原料に変身するわけではありません。
化石燃料を使って高温にし、リサイクル途中に有害なPMが出て、最終的に始末に負えない汚染廃物が残ります。
「廃棄物の有効利用=善」という認識があります。これはよく考えなければなりません。その廃棄物が毒物でないか、生態系の循環の中で土に還るのかが重要です。
大量生産・大量消費・大量廃棄・大量リサイクル?
リサイクルするから太陽光パネルをどんどん買って捨てていいなんておかしいと気づかなければなりません。分別さえすればいいなんてご都合です。
◆太陽光発電の電気はあてにされず、設置を増やしても原発などの従来の発電所が減らされない仕組みにされている。売電しても、送電線の仕組みは、近所に流れるだけで、それ以外は消えてしまっている。
反論↓
「あてにされず」ではなく、お天気任せだから「あてにできない」のです。「自然エネが増えても原発などの発電所が減らされない仕組みにされている」じゃなくて、国と原子力産業ははじめから、再エネを増やしても原発をなくすつもりはないということです。原発が組み込まれています。
言葉尻をわずかに変えることで、どこまでも、「原子力ムラVS再エネ」といった陰謀論的に話をするのは非常に狡猾です。
三菱のスマートグリッド図(原発も火力も再エネも、ヒートポンプも全部入って盛りだくさん! 全てで儲かる仕組みです)
火力発電は自然エネが増えても減らすことはできません。自然エネの不安定さを、火力発電でバックアップし出力調整しなければならないからです。
もともと、質の悪いクズ電気を、パネルを増やせば原発なくせるかのように語っていたパネル推進派の語り部たちは、ついにパネルで作った電気が消えてしまってることを認めました。オフグリッドに誘導するためです。
スマートグリッドも送配電のしくみがわからない一般市民をだましていたということです。
『誰も答えない!太陽光発電の大疑問』(近藤邦明著) より
売電メーターを通過したこの逆潮流は、電力として有効に使われるわけではありません。電力会社は直近の電力需要を数十分おきに予測して運転していますが、予測不能の逆潮流が発生しても瞬時にこれに対応して発電電力量を調整することは困難です。従って逆潮流は送電線網の中に、余剰=無駄な電力を供給しているだけなのです。
その結果、電力の有効利用率が低下し、電力供給ネットワークの中で局所的な電圧の上昇や周波数特性の変動が起こり、全体としてネットワークの供給電力の品質が低下することになります。 太陽光発電由来の余剰な電力は、送電線網の発熱やアース線によって無為に捨てられているだけです。
もともと天気任せで出力調整の不可能な太陽光発電では、この逆潮流を制御することはできません。
◆送電線網につながないオフグリッドには、経済的損失はあるが未来がある。すでにパネルを設置して売電している家庭は、10年で買取が終わるが、売電価格を下げられたらオフグリッドにすればいい。
画期的な技術の進展で、バッテリーの価格が下がる。やがて有害物質を使わないパネルも作れるようになる。太陽光パネルには将来の可能性があるので、断念しないこと。
反論↓
経済損失が出ることが分かって、高額な商品を進めるのは詐欺的行為。オフグリッドを進めるということは蓄電池を買わせるということ。蓄電池の問題に触れていません。
「画期的な技術」と科学技術に期待させる言い回しはイメージ誘導型の文言です。
技術の進歩に幻想を抱かせ、資源採掘、製造、廃棄物、リサイクルの問題を無視しています。
超危険なNAS電池が増えるのも市民にとっては困ることです。リチウムイオン2次電池は家庭をオフグリッドするには大容量が必要なのでまだまだ庶民には高嶺の花。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120329/210399/?rt=nocnt 価格はオープンだが、「100万~150万円での提供になる」(NEC)
バッテリーを追加で買うことを強制することでもあります。追加であれやこれや設備を買なければいけなくなったら、ますます採算が合わなくなります。
また、廃棄されたリチウムイオン電池のリサイクル技術も現状では未確立。リサイクル開封時、間違ってショートすれば爆発事故が起きる可能性があるのです。
有害物質を使わないパネルができるようになるまでは、毒物を使い続けるということなので、その間にパネルの有毒産業廃棄物は増え続けるばかり。
10年後には技術が進歩しているのではないかというのは、無責任な話。結局、見切り発車の、問題先送りです。
高レベル核廃棄物の処分の言い訳と似ています。テクニカルなことがわからない市民を煙にまくのです。
処分方法がもし確立しなかったら、今現在、パネルや電池を推進している人はどう責任を取るのでしょうか?
市民が「それがエコかどうか」を判断する能力がないことを見越して、イメージと短いフレーズだけを徹底的に刷り込み、考える前に行動させる。この一部始終を私はリアル市民運動の中で見てきました。
自然科学の基礎知識がないおばちゃんが、訳も分からず「ショウキボブンサンカ!」とさけび、イベントやその他の運動に駆り出されているのをみて唖然としたことがあります。
まさに運動のための運動。利権のための運動という人も実際にいました。 自然エネ推進は原発をなくすことにつながっていないのに、それを指摘すると「分断するな」「原発推進派か?!」の大合唱。
自然エネルギー推進する脱原発派の運動を見るとまさにこれ↓と同じやり方です。
ヒトラーの大衆扇動術
・大衆は愚か者である。
・同じ嘘は繰り返し何度も伝えよ。
・共通の敵を作り大衆を団結させよ。
・敵の悪を拡大して伝え大衆を怒らせよ。
・人は小さな嘘より大きな嘘に騙される。
・大衆を熱狂されたまま置け。考える間を与えるな。
・利口な人の理性ではなく、愚か者の感情に訴えろ。
・貧乏な者、病んでいる者、困窮している者ほど騙しやすい。
・都合の悪い情報は一切与えるな。都合のよい情報は拡大して伝えよ。
・宣伝を総合芸術に仕立て上げろ。大衆の視聴覚を刺激して感性で圧倒しろ。
それの元になっているのが、地球温暖化の嘘です。
地球温暖化詐欺 "The Great Global Warming Swindle" ここで動画を見ていただけたらと思います。この動画の中にも、工業化を否定するなというメッセージがあり、全部が全部納得できる内容ではないのですが、
CO2地球温暖化説は、原発推進派によって政治的に持ち出されて、学者が買収され、CO2は悪者にされたことや、太陽光、風力発電業界もその流れに乗っかったこともわかります。
環境NPOが助成金で腐っていることもよくわかります。
だから地球温暖化が正しいと言う脱原発派・自然エネルギー推進派は偽物なのです。