NHK兵庫 04月09日 20時27分
8日午前、尼崎市の下水処理施設に強い毒性のあるシアン化合物が流れ込んでいるのが見つかり、尼崎市では環境への影響を抑えるため川へ放流する処理水の量を減らすとともに、化合物を排水した事業所に改善命令を行うことにしています。
8日午前8時半ごろ、尼崎市の下水処理施設「北部浄化センター」で処理水が濁り水質が悪化しているのが見つかり市が調べたところ基準値の7倍近い1リットルあたり2.0ミリグラムのシアン化合物が検出されました。
尼崎市によりますと、市内のメッキ事業所がシアン化合物を中和せずに下水道に排水したことが原因だということです。
金属のメッキ加工などに使われるシアン化合物は強い毒性があり、一定量を摂取すると、急性中毒で頭痛やめまいなどの症状を引き起こします。
尼崎市によりますとこれまでのところ、周辺の住民に健康被害などは出ていないということですが、市では自然環境への影響を抑えるため市内の猪名川に放流する処理水を通常の3分の1に減らすとともに、排水したメッキ事業所に対して下水道法に基づく改善命令を行うことにしています。
北部浄化センターの今村完所長は「川の監視を強化するとともに今後こうした問題が起きないよう事業所への指導を徹底したい」と話しています。
(管理人より)
2015年4月9にNHK兵庫の地域のニュースで、下水に基準値7倍のシアン化合物が入っているという報道がありました。私は第一報を見てすぐに、ツイッターでそのニュースを拡散し、パソコンに保存しました。しかし、そのニュースの続報もなければ、他のメディアも一切報じていません。地元の神戸新聞も報じてないなんて驚きます。
テレビの地域のニュースで取り上げたかどうかも不明。
金曜日に尼崎市のHPを見ても、何もアップされていません。http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/new.html
北部浄化センターのページにも何も出ていません。
http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/jo_gesui/hokub/089hokubu_gaiyo.html
自治体は命と環境を守る役目ではないのでしょうか?
土日をはさんで、どうなったかもわからないまま月曜日がすぎ、ついに火曜日になりましたのでブログ記事を書く事にしました。
このような毒物をたれながした原因企業のメッキ工場の名すら市民に知らされていない状態。これでいいのでしょうか?
ちょっとぐらいちょっとぐらいとこんな状態を放置してたら、結局、日本中の川や水が汚されてしまうことになると思います。
よって北部浄化センター(06-6499-4515)に問合せをしました。
放流水の簡易テストを継続中である。
現在はシアン化合物は検出されていない。
尼崎市の環境保全課も猪名川の水の検査をしている。
メッキ事業者名については、公表するかしないかも含めて検討中である。
メッキ事業者は尼崎北東区域内の事業者。
今回の件について、北部浄化センターは尼崎市の記者クラブに情報提供したが、それを報道するかしないかまではわからない。
今回の件について、市民の問い合わせは少ないが、あるにはある。
といった呆れる内容でした。
私は、北部浄化センター担当者に「尼崎市のHPに、事故詳細、原因企業名、検査結果などの経過を載せるべきである」と意見を伝えました。
尼崎市のHPにはこのようなページもあります。http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/jo_gesui/hokubu/089jogaisisetu.html
水質事故の対応について より
シアン化合物と書いてあります。 完全に特定事業場からの水質事故です。
下水道法第12条の9の第1項
第十二条の九 特定事業場から下水を排除して公共下水道を使用する者は、人の健康に係る被害又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質又は油として政令で定めるものを含む下水が当該特定事業場から排出され、公共下水道に流入する事故が発生したときは、政令で定める場合を除き、直ちに、引き続く当該下水の排出を防止するための応急の措置を講ずるとともに、速やかに、その事故の状況及び講じた措置の概要を公共下水道管理者に届け出なければならない。
下水道法第12条の9の第2項
2 公共下水道管理者は、特定事業場から下水を排除して公共下水道を使用する者が前項の応急の措置を講じていないと認めるときは、その者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
下水道法第46条の2の第1項
第四十六条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条の二第一項又は第五項(第二十五条の十第一項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定に違反した者
公共下水道への排除基準一覧表(PDF 65.7 KB) より
兵庫県の水質汚濁防止法第3条第3項の排水基準に関する条例に基づく、シアン化合物の排水基準値は0.3mg/ℓ と書いてありますので
1リットルあたり2.0ミリグラムのシアン化合物が検出されたということは、約7倍です。
非常に強い毒物で、金属の精錬や焼き入れ、めっき製造時などに使われる。
一定量を摂取すると急性中毒症状による頭痛やめまい、嘔吐などの症状を引き起こし、高濃度であれば死に至ることもある。
尼崎市内のメッキ工場は、検索で11箇所出てきました。 http://navihyogo.com/mekki/amagasakishi/
そのうち、福知山線より東、JRより北側に立地する工場だそうです。
自治体が有害物質を垂れ流した企業名を何故隠すのか、全く意味がわかりません。
この問題を重要だと思い、ツイッターで、フォロワー数の多い岩上安身氏、山本太郎氏、吉田照美氏にお知らせしましたが、それを拡散してはもらえませんでした。
脱原発の有名人の方もシアン化合物には無反応でした。
インターネット上にはほぼ私のツイートしか出てきません。恐ろしい話です。
身近な川の水を汚さないように気をつけていないから、環境が汚染されることに鈍感になってしまうのです。
そういった鈍感な感性の積み重ねで、ついに原発事故が起きて世界一の放射能汚染国になってしまっても、その危険性に気づけない。
逆かもしれません。
原発事故でとてつもない量の放射性物質という毒物が環境中にばらまかれたことさえも無視するような国民だから、尼崎市の下水処理施設でシアン化合物が出ても話題にもしない。
その後どうなったか問い合わせもしない。
私たち国民は、まがりなりにも義務教育の中で「公害」の勉強をしたはずではないのでしょうか?
どうでもいいアホみたいなニュースは報道各社が一斉に同じ内容を報じて、市民の命に関わるような大事なことは、NHKローカルだけがちょっと報じてさっさとニュースを引き下げる。
この異常事態。どんどん悪くなってる気がします。
市民に空気や水を汚染したことを「知られたくない」国や企業と、自分の吸う空気や自分の飲む水が汚れたことを「知りたくない」市民の共同正犯で
環境汚染が進んでいく日本。
2014年2月にも神奈川県でシアン化合物による魚の大量死が起きています。
こんなことが起きないように、北部浄化センター(06-6499-4515)に市民の声を!
小田原・魚大量死1週間 シアン化合物検出 発生源の特定難航か (神奈川新聞)
2月 17th, 2014
小田原市西酒匂の鬼柳排水路で稚魚の大量死が確認されてから1週間が経過した。神奈川県が管理する酒匂川流域下水道左岸処理場の放流水から毒性の高いシアン化合物が検出され、同物質による水質汚染が一時的に起きたことが主な原因と判明した。
すでに汚染経路の調査も始まっているが、同処理場には小田原市のほか秦野や大井など1市4町からの排水も集まっているため、発生源の特定には時間がかかりそうだ。
稚魚の大量死は7日午前、市民が同排水路にボラやコイなどが沈んでいるのを見つけた。通報を受けた小田原市が約200匹を回収、県と合同で調査に着手した。
当初、市の簡易水質調査では異常は確認されなかった。しかし、県の精密水質調査で同日夜までに、シアン化合物が1リットル当たり0・1ミリグラム検出された。環境基準では不検出とされる有害物質の汚染が分かり、市民や関係者らの緊張感が高まった。
大雪に見舞われた8日も現場調査が続行されたが、心配した死んだ魚の増加は確認されず、シアン化合物も不検出だった。
■情報共有に遅れ
今回、市と県の連携に課題を残した。約600メートル上流の酒匂川流域下水道左岸処理場の放流水から7日の段階で、同0・35ミリグラムのシアン化合物が検出されていたと、県流域下水道整備事務所が発表したのは3日後の10日だった。
検出値は水質汚濁防止法が定める排水基準(1ミリグラム以内)に収まっているものの、月2回実施している定期検査では、ほとんどの場合が不検出で、異常は明らかだったと言える。
同整備事務所は「放流水の調査は自主的に実施したもの。7日の時点では速報値であり、10日に確定したので不検出に変わった8日分と一緒に発表、市と県環境部局にも伝えた」と説明している。
こうした対応に市環境保護課は「もっと早く情報提供してもらいたかった。危機管理上も問題であり、改善を近く申し入れたい」と話している。
■関連工場確認へ
シアン化合物の検出を受け、同処理場では現在、4時間おきに放流口での簡易水質検査を実施。市も目視による現場巡視を当分の間続ける予定だ。また、放流口近くには親水施設があり、周知の必要性についても検討するという。近くの住民は「野菜に排水路の水をやっているが、大丈夫だろうか」と困惑した様子。
関係者の間には、排水路の幅が比較的狭く、冬場の渇水期による水量減少が希釈効果を低下させ、環境基準を達成しない状態が一時的に出現したとの見方も出ている。
今後の焦点は発生源の特定に移る。市は関連流域に排出する工場のうち、シアン化合物を扱っている事業者をリストアップ、排出基準の順守を確認する。
同処理場でも、汚水処理の過程でシアン化合物が発生する可能性はないか、あらためて検証するという。
現方式では、流入時点でシアン化合物が混入していれば、完全に除去することは難しい。処分場を経由した場合、流入元は市外にも広がり、発生源の追跡はより困難になる。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1402150007/