4月1日 8時39分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、福島県が県内の河川にたまった土砂などを調査したところ、福島市など複数の河川で比較的、高い濃度の放射性物質が検出され、福島県は国に対し汚染された土砂などの除去を求めることにしています。
福島県は、ことし1月に県内の72の河川で、川底や川辺にたまった土砂などの堆積物に含まれる放射性物質の濃度を調査しました。
この結果、福島第一原発がある双葉町の前田川では1キロ当たり最大で5万4500ベクレル、福島市の蛭川でも3万9600ベクレルの放射性物質が検出されました。
このほか、4つの市町村の合わせて5つの場所で1万ベクレルを超える比較的、高い濃度の放射性物質が検出され、依然として福島県の河川に汚染された土砂が残っていることが分かりました。
このため福島県は今後、放射性物質の濃度が高い河川については立ち入りの制限を検討するとともに、国に土砂などの除去を求めることにしています。
これに対して環境省は「ガイドラインでは住宅など生活圏以外の除染は行わないことになっているが、放射線量が高い堆積物については、状況を把握したうえで対応を検討していきたい」と話しています。
福島民報 2016/04/01 16:04
放射線量が比較的高い県管理河川の土砂除去で、県は国の基準を超える河川の土や砂の保管場所の確保などの対策を進める。安全対策などで費用がかさむ見通しで国への財政支援を求める方針を転換し、東京電力に賠償を請求する。
工事で発生した土砂など「建設副産物」の取り扱いについて国は放射線量が毎時0・23マイクロシーベルトを超えた土砂の保管を義務付けている。県管理河川は山あいを流れ、川幅が狭いところも多く、土砂がたまりやすくなる。優先的に土砂を取り除く17河川のうち、土砂の空間線量が基準値超となったのは伊達市霊山町上小国の上小国川の毎時0・73マイクロシーベルト、伊達市保原町富沢の東根川の毎時1・03マイクロシーベルト、飯舘村飯樋の飯樋川の毎時0・55マイクロシーベルト。県は保管場所を新設し、除去した土砂をフレコンバッグなどに入れて厳重に管理する。
県によると、土砂の撤去は通常、1カ所当たり400万円~500万円掛かる。ただ、作業員の安全対策、機材の確保などに向けて先行実施する河川だけでも最大で1億円程度掛かると見込んでいる。
県は財政支援を求めてきた国と協議した結果、東電への賠償の対象になると判断。当面は自主財源で対応するが、最終的に東電に支払いを求める考えだ。
(管理人より) 放射能汚染された山に雨が降って、その水が川に流れて、川底に放射性物質が溜まるということは当然分かっているわけですが、福島県がようやく調査結果を出しました。
土砂が溜まる一方ということは放射性物質も溜まる一方なのに、NHK記事は「依然として」だなんて、あたかも放射性物質が減っていくのが当然みたいな表現をしています。他核種は調べてないことも言いません。
それでもNHKは高濃度に汚染されたの川底土砂のセシウム濃度の数値を具体的にあげていますが、福島民報にいたっては放射能濃度でなく放射線量しか記事に書いてませんし、内容が撤去費用の話になっています。
福島県が行った川底の土砂の放射能濃度の調査の結果を探しましたが、県のHPのトップには出ていませんでした。
新着情報の中に、河川整備課が更新したことだけがアップされていました。これではぱっと見て内容がわかるはずありません。
河川整備課トップ のトピックに出ていました。
福島県 記者発表資料 平成28年3月31日 福島県土木部河川整備課 より
平成27年度河川堆積土砂調査結果一覧表
1/31に72河川の 87箇所で調査しています。昨日ようやく山火事が鎮火した伊達市霊山町の川底の汚染も凄まじいです。
1万ベクレル/kg以上はこちら☟
蛭川 福島市鎌田地内 37,650 ~ 39,620
蛭川 福島市瀬ノ上町地内 19,940 ~ 20,770
東根川 伊達市保原町富沢地内 66 ~ 10,543
新田川 相馬郡飯舘村関沢地内 20,220 ~ 31,320
中田川 双葉郡双葉町大字寺沢地内 2,471 ~ 28,220
前田川 双葉郡双葉町大字新山地内 3,265 ~ 54,500
根古屋川 双葉郡双葉町大字前田地内 20,850
今後雨が降れば、山火事の灰が川に流れて、1/31に調査した結果以上になるのではないかと思われます。
洪水の際に溢れて流れたら困るということで堆砂土砂の除去を行うのが●印と○印の17箇所。●印3箇所の土砂は保管。
○印の14箇所の中には、最高で2794ベクレル/kgという土砂もありますが、これらは「通常の方法で処分」と書いてあります。
なぜかこのタイミングでこういった方針が出されています。
3月30日 16時00分 NHK
福島県内の除染で出た廃棄物の処理を巡って、環境省は、埋め立てなどで最終処分する量を減らすため、放射性物質の濃度が国の基準を下回ったものは公共事業の建設資材として再生利用できるとする方針案を示しました。
政府は、福島県内の除染で出た土などの廃棄物を中間貯蔵施設に搬入したうえで、30年以内に福島県外で最終処分する方針ですが、最大で東京ドーム18杯分に上る廃棄物の処分が課題となっています。
環境省は30日、東京都内で開かれた有識者の会合で、埋め立てなどで最終処分する廃棄物の量を減らすため再生利用する方針案を示しました。
この中で、放射性物質の濃度が1キロ当たり8000ベクレルという基準を下回ったものは、道路や防潮堤などの公共事業の建設資材として利用できるとしています。
また、放射性物質を取り除く処理を行えば、廃棄物の9割以上を再生利用できる可能性があるとしています。
一方で、処理の技術は確立しておらず、多額の費用もかかることから、環境省は今後、モデル事業を行い、9年後の平成37年度以降に実際に再生利用する廃棄物の量を決めることにしています。
会合のあと井上環境副大臣は「最大限、再生利用すれば中間貯蔵施設の事業の進捗(しんちょく)が早まるうえ、最終処分の負担を減らすメリットもある。国民の理解を頂きながら進めていきたい」と述べました。
結局、最高濃度の土砂が溜まっている前田川、蛭川は、現状としては放置のようです。
NHKは「放射性物質の濃度が高い河川については立ち入りの制限を検討する」と報じていますが、福島県の報告書には「放射性物質の濃度が高い河川については立ち入りの制限を検討する」とはなぜか書いてありません。
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