災害に強い再生エネルギーの宝庫である九州に原発は必要なのか?〈週刊朝日〉
dot. 4月28日(木)11時30分配信
震度7の地震が2度起こり、余震も過去最多のペースで発生している熊本地震。あらためて思い起こされたのが、2011年3月の福島第一原発事故の悪夢だ。
現在、日本で唯一稼働中の川内原発(鹿児島県)は、地震発生後も運転を続けている。震源からの距離が90キロあることから、政府は「停止させる必要はない」と静観の構えだ。
一方、インターネットでは川内原発の稼働停止を求める署名活動が広がり、すでに約12万人の賛同者が集まった(4月23日現在)。環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は言う。
「熊本地震では、高速道路や新幹線が寸断され、交通網に大きな影響が出た。仮に川内原発で地震による原発事故が起きた場合、避難計画は絵に描いたモチです。さらに、川内原発には福島第一原発事故で司令塔となった免震重要棟もなく、災害時の対策が万全ではありません。稼働停止が叫ばれるのは当然のことです」
さらに、今回の震源の延長線上にある四国の中央構造線断層帯には、伊方原発(愛媛県)もある。そこで、経済評論家の森永卓郎氏は、こんな提案をする。
「地震が川内原発や伊方原発の地域で起き、原発事故となれば周辺地域は壊滅状態になってしまう。川内原発と伊方原発は廃炉にすべきです。ただ、廃炉は経済的な負担が大きく、電力会社も簡単には納得しないでしょう。そこで、補正予算で廃炉作業の財政的な支援をすればいい。まずは被災者の不安を取り除くのが、一番の支援です」
だが、安倍政権は原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけ、再稼働を続ける姿勢を変えていない。政府は、30年度時点の電源構成として、総発電量に占める原発の割合を「20~22%」にすることを目指している。これを達成するには、40年を超える老朽原発を稼働し、さらに原発の新設も必要となる。
ただ、今後も九州に原発が必要なのかは疑問だ。自然エネルギー財団の事業局長・大林ミカ氏は言う。
「自然の恵みが豊かな九州は、再生可能エネルギーの宝庫です。ここ数年で再エネの発電量も急速に増え、電力需要の少ない春と秋の昼間は、すでに全発電量の50%以上を再エネが占めている状況です」
また、再エネは災害にも強い。前出の飯田氏が言う。
「地震後のヒアリングでは、大きな被害を受けた南阿蘇村でも、ソーラーパネルと蓄電用バッテリーを持つ家庭は、電力を自給できていた。停電もなく、炊飯器のような電力をたくさん使う家電製品も使用できている。ソーラーパネルやバッテリーの価格は年々下がっていて、一般家庭でも手に入るようになっている。今後は、災害対策の観点からも、小規模分散型の発電を支援する政策が必要です」
高い潜在能力を持つ九州で、再エネ発電をさらに普及するには、どのような予算が必要なのか。
「現状では大手電力会社が送電線を管理しているので、どうしても原子力や火力などの既存の発電設備が優先的に運転されます。再エネは系統が不安定との批判がありますが、諸外国では太陽や風力で3~4割発電する国が登場しています。既存の発電はベースロードどころかバックアップ。送電線を中立的に運営し、公正な競争を市場に導入すべきです」(前出の大林氏)
ちなみに、送電線をすべて買い取ると10兆円ほどかかるという。高い買い物だが、購入費用は送電料で回収できるので、再エネ普及を目的に、国が一気に買い取ることも一つの方法だ。(本誌取材班 鳴澤大、西岡千史、永野原梨香)
※週刊朝日 2016年5月6-13日号
【熊本地震 寄稿】 思わぬところで見いだした光 南阿蘇村在住の写真家、野中元さん(3)
2016/05/06 15:25 47トピックス 共同通信
熊本地震の本震で、自宅に住めなくなる被害に遭った写真家の野中元さん。震災後、役に立ったものは?
◇ ◇ ◇
4月16日の本震直後の停電は、恐怖と不安を増幅した。しかし翌朝、わが家では思わぬところで、文字通り光を見いだすことができた。それは昨年設置していた太陽光発電システムだった。通常、電力会社に売電しているが、災害停電時には昼間作った電気を自家用に回すことができる仕様になっている。
地震後、僕はすぐに散乱した部屋から説明書を探した。太陽光で発電した電気の出力を調整するパワーコンディショナー(電力変換装置)本体のスイッチを自立運転モードに切り替え、本体の自立運転用コンセントに延長コードを挿した。タップにまず無線LANルーターのコンセントを差し込むと電源ランプが点灯し、圏外になっていたスマートフォンを無事つなぐことができた。
都市部では緊急時に公衆無線LANが無料で開放されたが、南阿蘇では通信できず、電話もメールもN社以外の携帯は地震後しばらく使いものにならなかった。自分のスマホに「圏外」の文字がでると漠然とした不安に襲われる。周囲は田んぼだらけ…。情報がないと、ここだけが外れくじを引いたような孤立感が募っていく。その後、わが家で無線LANが使え、充電できることを近隣に教えると、数人が充電器を片手にやって来ては感謝された。
メーカーの説明書には、自立運転用コンセントには冷蔵庫など継続的に電力が必要なものはつながないように書かれていた。しかし、試しに大型冷蔵庫と単身用小型冷蔵庫をタップにつなぐと作動したので、電気が復旧するまで使っていた。昼間のうちに冷凍庫に入れておくことで、夜に電気が止まっても、冷えたまま保存できる。
また、田舎では米を玄米やもみで保存することが多いので、精米機を使えたこともとても大きい。おかげでわが家は、震災後も普段通り精米したてのご飯を食べることができたのだった。この期に及んで、電気に頼っている自分に気がついた。トホホ…。
台風対応の強固な太陽光パネルのおかげで、ずれた棟瓦が屋根から落ちずにすんだのは不幸中の幸いだった。落ちたら下に止めてあった車もおしゃかになっていた。
野中元(のなか・はじめ)さんのプロフィール 1968年福岡県生まれ。写真家。妻の料理家かるべけいこさんとともに、自給自足の暮らしを求めて94年に南阿蘇村に移住し、無農薬で農業に従事している。
(管理人より) 熊本地震後の世論を誘導するために、メディアがいろんな人のコメントを取り上げています。
いつもの顔ぶれの有名人や、ちょっと有名な市民まで文章を書かせて市民を誘導しています。こういった文章は注意して読まなければなりません。
まず週刊朝日は、ISEP飯田哲也氏ら再エネ推進派のコメントを取り上げています。(上記事の太字強調部分)
飯田氏の言ってること☟
●避難計画は実行性がない。
●災害時の対策が万全ではない。
だから稼働停止が叫ばれるのは当然
つまり避難ができて災害時の対策が完璧なら原発の稼働していいという論理です。
原発事故がひとたび起これば、広範囲の環境が放射能汚染され元に戻らないという事実こそが、原発が存在してはいけない理由にも関わらず、避難・運用の問題に矮小化するという欺瞞的な語り口。
こういうものの言い方に気づかず、騙される市民が多すぎるのです。
そしてちゃっかり再エネ工業製品=ソーラーパネルのPRも盛り込んでいます。
「地震後のヒアリング」とは一体どうやって、何件聞き取り調査したのでしょうか?
ソーラーパネルが崩れ落ちた住宅が何件あったのかといった被害情報は一切無視されています。被災地ではエコキュートなどのエコ機器も相当倒壊していますが、報道されていません。
被災地のニュース映像の中には、しっかりソーラーパネルが崩壊の屋根が写りこんでいるのに、そのことには触れない厚顔無恥ぶり。
熊本地震による再エネ施設への影響まとめ。「太陽光パネルから煙が出た」発災直後には、太陽光発電を推進する側のいろいろな組織から注意喚起が出ていました。
4月14日夜発生の地震による太陽光発電施設への影響に関する注意喚起(漏電・感電・火災・地滑り)
揺れがそれほど大きくなかった地域は、目視等で点検を行うようにという指示が書いてありましたが、実際あのような余震が続く状態で、自宅ソーラーパネルの自立運転が可能かどうか、一般市民に正確に判断できるのか大いに疑問です。とりあえず自立運転しても、次の余震で崩壊したらどうなるか考えた場合、危険な賭けみたいなものです。
ソーラーパネルを付けている家庭が全員バッテリーを持っているとは限りません。
電気をたくさん使う家電は使ってはいけないと書いてあるのに、炊飯器をすすめるなんて・・・
地震で破損した太陽電池発電設備による感電防止について 平成28年4月27日 経済産業省 九州産業保安監督部 電力安全課
経産省がこのような通達を出しているにも関わらず、ソーラーパネルが役に立っていたというアピール文を週刊誌に出す。そしてパネルは安くなったので災害対策用に買えますよという宣伝。
さらに、自然エネルギー推進者の大林ミカ氏の説明に偽りありです。
電気工学的に、火力発電の同期発電機による周波数調整がなければ、再エネの不安定な電気は使用不可能なのに、あたかも「送電網が電力会社のものだから再エネが優先されない」といった嘘を垂れ流すのは悪質としか言いようがありません。
日本の電力系統は同期機理論で電気が安定して届いてるという事実を無視した暴論です。
利権者に媚び、こんな再エネ提灯記事を書く週刊朝日の取材班は、もはやジャーナリズムとは言えません。
そして、熊本地震後に市民の意見として、一人の写真家がネット上で取り上げられ連載記事が出ています。
プロフィールを見ると、「自給自足」、「94年に南阿蘇村に移住」、「無農薬」、「農業」といった単語が並びます。
太陽光発電を昨年導入し、この度の地震で被災。それについて、発災後「光を見いだすことができた」「感謝された」と記事の中で表現しています。
上にも書きましたが、被災程度によっては、ソーラーパネルを自立運転はしてはいけない場合もあるわけですから、この人の判断は正しかったかどうかは実際にはわかりません。
電気をたくさん使う冷蔵庫は使ってはいけないはずです。故障や二次災害につながる危険性もあります。
発災前までは、売電して利益を得ていたにも関わらず、「この期に及んで電気に頼っている自分に気がついた。トホホ…。」というのは意味不明です。
自給自足を目指し電気に頼らない生活をしたいというなら、ソーラーパネルを乗せて、さらに売電するのは矛盾です。
「電力会社に売電」と言うのもおかしいのです。売電で得ているお金は、市民の再エネ賦課金として電気代に上乗せされて徴収されたものですから、電力会社ではなく市民に電気を押し売りしているようなもの。
電力会社は痛くも痒くもないのです。
農的な暮らし、自給自足を目指す人、田舎への移住者といった人たちに、自然エネルギーの嘘が、用意周到に時間をかけて草の根に浸透させられたということは、このブログではずっと書いてきました。
スピリチュアル、ニューエイジ、パーマカルチャー、トランジション・タウンについて
1994年度から太陽光発電(ソーラーパネル)設置者への補助金制度がスタートしています。
そのあたりの時期から、そういったものの見方、考え方、価値観もふくめて自然エネとセットで普及されて、たくさんの市民がとりこまれていったのです。
福島原発事故後に熊本に移住した、飯田哲也氏とつながっている某建築家のように移住者が、暮らし方を提案していく。
こういうタイミングでメディアに取り上げられるのも、何か理由があるのでしょう。
某建築家もすぐさま雑誌、ネットで拡散され、熊本地震発災後の行動も注目されましたね。
検索すると出てきました。ツイッターでもやり取りする、仲良しさんですね☟ 思いっきり繋がってる二人。
https://twitter.com/nonakahajime/status/727143033255301120 より
http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/ihs/soc/anthropology/news/2016/03/20162016228.html より
大学の文化人類学の研究室で再エネを若者に洗脳するパターン。このパターンを実際に見たことがあります。ほかの県でもやってると思われます。
それから「台風対応の強固な太陽光パネルのおかげで、ずれた棟瓦が屋根から落ちずにすんだ」というコメント付きの写真は、あまりにもその他の実態とかけ離れていますし、瓦が落ちなかったのは”パネルのおかげ”かどうかもわかりません。
「たまたまパネルも瓦も落なかったのは幸い」と書くべきではないかと私は思います。
今回の熊本地震でソーラーパネルの地震被害の問題を隠蔽、過小評価するということは、それを知らずに「ソーラーパネルが災害に強い、役立つ」と勘違いし自宅に導入設置してしまう市民がこれからも出てくるということです。
そして次に別の場所で地震が起きた際に、ソーラーパネルによる二次被害を生み出してしまうことにつながります。
報道機関というのは、ソーラーパネルが崩壊して困ったという普通の市民の声を伝えなければ、はっきり言って存在意義はありません。
飯田哲也氏~坂口恭平氏~野中元氏 みんな再エネでつながっていました。