これは、2011年9月に起きた、宮城県名取市の東日本大震災のガレキ積上げ現場での、自然発火による火災の映像です。名取市閖上区の上空は白煙で視界が悪く、仙台市内までに達したそうです。
これは震災のがれきの中でも金属がれきです。木屑などの可燃性の廃棄物は分別され、全国で反対運動が沸き起こり、結局広域処理されましたが、金属がれきはどうなったのでしょうか?
2011年9月の朝日新聞のネット記事を2つ読んでみます。
震災がれき、火災相次ぐ 金属と水反応、熱たまり発火 から抜粋転載
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各地の消防によると、火災は17日現在、宮城県で13件発生。16日には名取市閖上(ゆりあげ)の置き場で火が出た。さらに、白煙が岩手県で2件、蒸気の噴出も宮城県で13件、岩手県で11件確認された。「消防を呼ばずに自分たちで消し止めたことは何度もあった」と、置き場の管理業者は話す。
産業技術総合研究所の若倉正英研究顧問によると、微生物の動きが活発になったり、金属と水が反応したりして熱がたまるのが、そもそもの原因という。
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もう一つ、宮城・名取のがれき集積場で火災、放水作業続く から抜粋転載
白煙を上げながら燃える、がれき火災現場(16日午前10時54分、宮城県名取市で、読売ヘリから)=鷹見安浩撮影
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消防や名取市などによると、現場は仙台空港から北東に約4キロ離れた海岸で、震災発生時は津波で浸水した地域。金属片などを集めた金属がれきと、木材などの一般がれきとに分けて山積みしており、金属がれきから火が出て、その後一般がれきにも燃え移ったとみられる。
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煙が遠くまで流れて運ばれている様子がわかります。
東北、宮城県内での放射能による汚染と土壌調査結果について によると、名取地区は 44,000Bq/?の放射能汚染があります。放射性PM2.5の可能性は否定できません。
40000 Bq/?以上は放射線管理区域です。「放射性物質のガス、蒸気若しくは粉じんの発散源を密閉する設備を設けろ」と書いてあります。もう、この事故でどれだけの放射性微粒子が撒き散らされ、周辺住民が吸わされたのかわかりません。
さて、このように危険な金属がれきの火災ですが、北九州市でもつい先日、金属スクラップ火災が起きています。西日本新聞9月21日朝刊より
北九州市で2013年4月16日に起きた金属スクラップ火災の映像と思われる動画。
バックに皿倉山や三菱の高い煙突が2本写っていることから若松区東部の山の斜面から火災現場の南二島方向を撮影したようです。南二島工業団地は、ほとんどが金属スクラップ業。
追跡“金属スクラップ火災” 知られざる危険性・背景を探る より転載
阿部
「先月(4月)、福岡県北九州市のスクラップ置き場で発生した火災の映像です。
大量の黒煙が立ち上り、半日にわたって燃えつづけました。『金属スクラップ火災』と呼ばれています。」
鈴木
「今、全国でこうした火災が急増しています。国立環境研究所の調査によると去年(2012年)、少なくとも20件発生。前の年の3倍にあたる数です。」
阿部
「本来、金属スクラップとは、工場から出る鉄くずなどを集めたものです。
しかし、ここ数年、金属の中に家電製品など燃えやすいものが混ざるようになり、それが火災の原因になっているとみられています。
なぜ金属スクラップに家電が混ざり込み、そしてどのようにして火災が起きているのでしょうか。」
先月16日、北九州市。金属スクラップ火災の発生から、1時間後の映像です。黒い煙が50メートル以上、立ちのぼっていました。
火災は11時間におよび、黒煙は住宅街にまで流れ込みました。
住民「すごい臭いでした。今まで嗅いだことないような。」
住民「のどが痛くなるぐらい。目も痛くなる。」
以下略
(管理人より) 金属スクラップに、バッテリーなどが混入してることが原因という内容でした。さらに家電の中にはリチウム電池が内蔵されており出火の原因になっているという指摘がありました。
リチウム電池に80センチの高さから5キロの重りを落とすと、爆発します。金属スクラップ置き場では、重機による積み上げや移動で、頻繁に衝撃が加わります。リチウム電池が爆発し、家電に火がつく可能性。
やっぱり、電池って危険ゴミなんですよね・・・(ಠ_ಠ)⇒(2)に続きます
動画やニュースを見ると、金属とプラスチックとごっちゃになって燃えたら、ただ水をぶっかけてもなかなか火が消えないようです。ずっと消防車で水をかけて、ヘリコプターでも水をかけても消えてません。化学物質の泡の消火薬剤を使わないと難しいようですね。これも土や水、海を汚しそうです。
消せない間は、延々と有毒物質が煙として出続けることになります。
火災なので当然、電気集塵機やバグフィルターすらありません!(ಠ_ಠ)
PMが出まくり!周辺住民は吸わされまくり!(ಠ_ಠ)
港の廃金属“炎上中” 混入家電めぐり国と業者対立 2013年01月30日 http://qbiz.jp/article/11739/1/ より転載
(ここから)
港や貨物船に積まれた輸出用の金属スクラップが燃え上がる火災が相次いでいる。その多くは金属類の中に無分別に混入された使用済みの家電や車のバッテリーが原因という。環境省は「廃棄物処理法に違反する」と廃家電を交ぜて輸出しないよう指導しているが、業者からは「家電は売り物であり廃棄物ではない」との反論もある。同省は「廃棄物」の定義をより明確にするガイドラインを作るなど規制強化を検討している。
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家電がごっちゃの金属スクラップって、見てもそれがどこから来たか誰にもわかりません。
津波被災地域では各家庭の家電が全部ゴミになりました。それらは一体どこに行ったのでしょうか?屋外で発火して燃えても、分別して溶かしても、危険ではないのでしょうか?
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130922/chn13092222460004-n1.htm より