http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5004073701.html NHKニュース 12月24日 18時39分
阿蘇中岳第1火口では、今月20日ごろから火山性微動の振幅がやや大きい状態が続いていて、気象台は、今のところ噴火の兆候は見られないとしていますが、今後の火山活動の推移には、注意する必要があるとしています。
福岡管区気象台によりますと、阿蘇中岳第1火口では、今月20日ごろから火山性微動の振幅が次第に大きくなり、現在もやや大きい状態が続いています。
また、24日行った調査で、火山ガスの二酸化硫黄の放出量が最大で1日あたり1,100トンとなり、前回の今月12日の調査より400トン増え、通常よりも多い状態だということです。
気象台によりますと、今のところ噴火の兆候は見られず、噴火警戒レベルは平常を示す「1」を継続するということですが、気象台は、今後も火山性微動の振幅や火山ガスの放出量に注意する必要があるとしています。
原発リスク:巨大噴火の影響大…泊、川内など 学者が指摘
毎日新聞 2013年12月22日 22時34分(最終更新 12月23日 11時05分)
http://mainichi.jp/select/news/20131223k0000m040078000c.html
国内17カ所の原発に対する火山の危険性について、毎日新聞は全国の火山学者を対象にアンケートを実施した。回答した50人のうち、巨大噴火の被害を受けるリスクがある原発として川内(せんだい)(鹿児島県)を挙げた人が29人と最多で、泊(北海道)も半数の25人に達した。原発の火山リスクについて火山学界の見解が定量的に示されたのは初めて。リスクを指摘された原発の再稼働に慎重意見もあり、原子力規制委員会の審査や再稼働の議論に影響する可能性がある。
特任などを除く全国134人の大学教授、准教授らに郵送で実施した。
最長60年の稼働期間中に巨大噴火が発生し、火砕流の被害を受けるリスクがある原発を複数回答で選んでもらったところ、29人がいずれかの原発を選択した。その全員が「阿蘇(熊本県)や姶良(あいら)(鹿児島県)など多くのカルデラが周囲にある」として川内のリスクを指摘した。カルデラは巨大噴火の後に形成される非常に大規模な陥没(盆地)地形で、同様に泊、東通(青森県)、玄海(佐賀県)も周辺にカルデラが存在することが懸念された。
他は伊方(愛媛県)11人▽女川(宮城県)9人▽島根(島根県)や東海第2(茨城県)など7人の順で、カルデラとの距離が遠くなるほどリスクの指摘は減っている。どの原発にもリスクがないと答えたのは9人、無回答は12人だった。
「リスクがある」と答えた人に、それぞれの原発について再稼働の是非を尋ねたところ「再稼働させるべきでない」は川内が19人と最多で、泊15人▽東通11人▽玄海9人▽伊方5人だった。「火砕流が到達した場合は運転員の生存が見込めない」(林信太郎・秋田大教授)などとしている。
しかし、「リスクがある」と答えた人でも、巨大噴火の発生する確率は「非常に低い」との指摘が少数あった。一方、カルデラを形成するような巨大噴火が迫っていることを事前に正しく評価できるとしたのは50人中5人にとどまるなど、現在の科学で巨大噴火がいつ起こるのかを評価するのは難しいといえる。
原発の新規制基準は、原発の半径160キロ圏にある火山を対象に、最長60年の原発稼働期間中に巨大噴火が発生する可能性の有無を調べるよう電力各社に求めている。(1)巨大火砕流が原子炉を直撃する(2)直撃しなくても周辺が壊滅し原発事故に対応できない−−などの場合は立地不適と判断され廃炉を迫られる。【山崎太郎】
◇巨大噴火
火山の噴火規模は噴出物の量によって小規模噴火から超巨大噴火まで分類される。日本では約6000〜1万年に1回、巨大噴火が起きている。約9万年前の阿蘇の巨大噴火では高温・高速の火砕流が約180キロ先まで達し、北部から中部九州はほぼ壊滅。一部は山口や愛媛にも達した。直近では7300年前に現在の鹿児島県南部で起きた。富士山の宝永噴火(1707年)や有珠山噴火(2000年)はこれよりずっと小さな規模の噴火になる。
◇九州大の清水洋教授(火山物理学)の話
次の巨大噴火を予測することは難しいが、科学的にリスクはゼロとは言えない。リスクをどこまで許容するかだ。原発稼働の可否はリスクの大きさと国益などを考慮して国民が判断する必要がある。そのためには、それぞれの原発についてリスクを公正に評価し、それらの情報を公開する必要がある。
(管理人より)
これらの報道を見て、「火山が危ないね〜」じゃなくて、「火山は原発を作る前からそこにあったのに、学者は何をしていたのか?!」と怒らなければならないと私は思います。
川内原発ができる前から桜島はあったわけです。どの火山も原発ができる前から日本列島にあったのです。だから本来、原発を作る前に、学者が止めなければならなかったはずなのです。なんのための学者か、と私は思います。
阿蘇山の噴火について調べてみました。
●独立行政法人 防災科学技術研究所 自然災害情報室のサイトより抜粋転載
7万年前の阿蘇カルデラの火砕流は山口県にまで到達し,火山灰は本州全域を厚く覆いました。
このような巨大火砕流は日本において1〜2万年に1度ぐらいの頻度で起こっており,九州全域が壊滅するといったような破滅的な災害をもたらす可能性があります.大規模火砕流の発生を十分な時間的余裕をもって予知することは現在のところ不可能です.
●一般財団法人消防科学総合センターのサイトより抜粋転載
阿蘇火山の誕生は約27万年前に現在のカルデラ内部から起こった大規模な火砕流噴火から始まりました。このような大規模な火砕流噴火は約9万年前までに4回繰り返され、それぞれの火砕流堆積物は古い方から阿蘇-1火砕流、阿蘇-2火砕流、阿蘇-3火砕流、阿蘇-4火砕流と呼ばれています。この中でも4回目の阿蘇-4火砕流は、島原半島、天草下島、山口県宇部市まで到達した非常に大きな火砕流でした。
●藤井 敏嗣 東大名誉教授 火山噴火予知連絡会会長
カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか? から抜粋転載
阿蘇4噴火では、火砕流が九州のほぼ全域を襲い、一部は海を越え、山口県にまで到達したこと(100?以上火砕流が走ったことになる)が分かっています
ところが、これまで平均6,000年間隔で起こっていたカルデラ噴火が、最近7,300年間は発生していません。カルデラ噴火はもはや、いつ起こっても不思議がない現象なのです。その規模にもよりますが、一度、カルデラ噴火が起こると、その周囲100〜200kmの範囲は火砕流で覆われます。火砕流の速度は時速100kmを超えるため、その地域は数時間以内に数100℃以上の高温の火砕流に襲われ、壊滅状態となるのは避けられません。もし、過去と同じようなカルデラ噴火が現代に発生すると、発生場所によっては、数10万〜数100万人の犠牲者が発生するといわれます。
では、火砕流の到達範囲外ならば安心? というと、そうではありません。
南九州で、このような噴火が発生した場合、10?以上の厚さに火山灰が降り積もる地域は関東以北にまで及び、この領域ではあらゆる農作物は枯死してしまいます。さらに火山灰が数10?以上の厚さまで降り積もった地域では、灰の重みで建物の屋根が落ち、航空路を含むすべての交通網はまひ状態に陥り、物流も人の移動も困難になると予測されます。貯水池や水道浄化池では火山灰のために取水不可能となり、広域で断水状態が続き、
また送電線の断線、電柱などのがいしに降り積もった火山灰によるショートで大停電が起こります。
このように、断水や商用電源の断絶が起これば、原子力発電所の甚大な事故につながる可能性があることは、福島第一原発の事故を見れば明らかといわざるを得ません。
原子力規制委員会は 原子力発電所の火山影響評価ガイド(案)
https://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu130410_02/0410_01.pdf という288pのものを出しています。
原子力発電所の火山影響評価ガイド(案)の概要 ー火山の火山活動に関する個別評価についてー から抜粋します。
半径160kmの範囲に火山があるかどうかと言っていますね。
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0044_01.pdf 四電も伊方原発の火山影響評価をしていますが呆れる内容です。
四国電力は阿蘇カルデラが将来危険であるとわかっていて
「その分布は方向によって偏りがあり,佐田岬半島において阿蘇4火砕流堆積物を確認したとの報告はない。」「ボーリングの結果は到達してない」
とまとめています。どうにかして伊方原発への影響を過小評価したい気持ちが現れていると思います。
一般素人が考えても、前回、火砕流が到達してなかったからといって、次の噴火で到達しないと限りません。風向きや気象条件で火砕流、火山灰の流れは変わることは明らかです。SPEEDIで予測可能です。こんなふうに。↓
伊方原発は阿蘇山から130kmです。原子力規制委員会ですら半径160kmは影響があると言っているのに訳がわかりません。
当然、上関原発予定地も阿蘇から130kmですから建設していいはずがありません。
川内原発、伊方原発、玄海原発、島根原発やめるしかないです。日本全体のためにも。
火砕流、火山灰だけでも悲惨な上に、取り返し不能な放射能の死の灰が降ることになります。
阿蘇山が噴火したことを想定して高校生が作ったハザードマップの方がよほど頑張っていると思います。
http://www.koyo-h.open.ed.jp/risuukadai/data/announce/fukuoka-kaho.pdf
火砕流は山口県宇部市(120km)まで約1時間で到達します。火山灰が降り積もれば太陽光パネルは使えません。
http://plaza.rakuten.co.jp/hidebobo/diary/201102010000/ より
太陽光パネルは、工場などの油煙、鳥の糞、木の葉一枚でも発電量に影響を受けます。高圧洗浄などによるパネル破損も考えられます。 こまかい火山灰がパネルの内部に侵入し、電線などを腐食することも考えられます。宮崎のNPO法人ひむかおひさまネットワークを見ると http://www.himuka-ohisama.net/admin/?p=69
「宮崎県内では、新燃岳噴火に伴い、太陽光パネルに火山灰が積もり発電してない状況が発生しており、ひむかおひさまネットワークの太陽光発電相談窓口に問い合わせが多数来ている」
とあります。やっぱり、発電してませんでした。それでなくとも天候まかせなのに、その上火山灰まで降ったら、もう売電もできません。
メーカーの対応を上げておきます。
ソーラーフロンティア http://www.himuka-ohisama.net/admin/wp-content/uploads/2011/03/showa-shell.pdf
三洋電機(株)ソーラー ソーラー事業部 http://www.himuka-ohisama.net/admin/wp-content/uploads/2011/03/sanyo.pdf
新燃岳の降灰で、太陽光パネル発電できずhttp://www.news24.jp/articles/2011/03/01/07177046.html#
実際は、火山灰がパネルに積もると、発電しないので、一般の家庭でも、お父さんが2階の屋根に上って、パネルの掃除をしています。側溝のふたを開け、流れた火山灰をビニールにいれていく作業もあり、火山灰の影響は相当なものです。業者を呼べば、それだけお金もかかる。
http://blog.goo.ne.jp/mina-maki-kyoro/e/3795417cdc607e2718b975c1ede7246a
危険施設というのは、「作らないことこそが最大の防災なのだ」ということを、日本人は、今こそ学ぶ時だと私は思います。
品質管理でどうにかなると思うのは傲慢と幻想。自然災害には勝てません。