また今年も花火大会が近づいてきました。昨年も放射能汚染地域の花火大会の際にゲリラ豪雨があり、放射性物質や重金属などを捕捉した危険な雨に若者がずぶ濡れになるという事態がありました。
昨年の記事↓
フクイチ3号機が不穏当な時ですら花火に浮かれる日本中の人々、まさにパラレルワールド!エンタメのために命を懸ける?レベル7の日本の現実です。私は311後は環境が汚染される花火大会はやめるべきだと主張してきましたが、まあ一切広がりません。
理由は3つ。一つは庶民の楽しみ。二つ目は地元経済。三つ目は伝統文化?放射能を懸念する人々も花火に関してはほぼ無視。 重金属と放射能の複合汚染がより症状を悪化させることは、バンダジェフスキー博士も指摘しておられたのに・・・・
福島原発事故後は放射性物質のダストが舞っているわけですから、花火を上空で爆発させると重金属との複合汚染になるので環境に良くないことは明白です。
花火の環境工学より引用
重金属汚染
リチウム(赤色)、ナトリウム(黄色)、銅(青緑色)など、金属イオンと炎色反応の色の関係を、中学校の理科第1分野や高校の化学の授業で学んだ記憶があるだろう。花火の色は、この炎色反応を利用して表現されている。火薬の中に、色火剤と呼ばれる金属化合物が入っているのである。
では、色を出した後、それらの金属元素はどうなるのだろうか?
消えてなくなるわけがない。もし花火でそんな変化が起こっていたならば、ドルトン(Dalton John:原子説の提唱者。1766〜1844)もびっくり。ノーベル賞どころの騒ぎではない。
入っていた金属元素は、何らかの化合物として空気中に飛散することになる。そして、いずれは降下し、地表面や水面に沈着する。あるいは、雨で洗い流されて地上に到達する。その中には、銅(青緑色)やストロンチウム(深赤色)といった重金属も含まれる。土壌や水系の重金属汚染が懸念される。
二酸化硫黄
花火は酸化剤、可燃剤、そして前述の色火剤からなるが、このうち可燃剤には、硫黄が用いられることもある。硫黄が燃えれば、当然、二酸化硫黄が発生する。二酸化硫黄は無色で刺激性の強い気体であり、気管支炎や喘息を引き起こす。空気中の濃度が0.012%以上になると人体に害があるともいわれる。また、酸性雨の原因物質の一つとしても有名である。
そのため、二酸化硫黄の排出量は大気汚染防止法によって厳しく規制されている。施設ごとの量規制、工場全体での総量規制、あるいは燃料使用基準など、様々な規制が存在する。
しかし、花火は工場ではない。従って、規制は適用されない。どれだけ排出しても、大気汚染防止法には引っかからないのである。黒色火薬の場合、全重量の10数%は硫黄だというのに……。
二酸化窒素
ものが空気中で燃えるときには、必ず、空気中の窒素と酸素が反応して、二酸化窒素が発生する。花火とて例外ではない。
二酸化窒素も刺激性の気体であり、鼻や喉を刺激するほか、呼吸器系統への慢性的な作用、気管支や肺機能への影響などが指摘されている。世界保健機関によれば、空気中の濃度がわずか0.5ppmでも、人体に対する強い影響があるとのことである。また、水に溶けると硝酸になるため、二酸化窒素は、酸性雨の原因物質でもある。
例えば自動車は、排気ガスを三元触媒と呼ばれる触媒に通すことによって、発生した二酸化窒素を分解している。だが、上空で炸裂した花火の排出ガスを、触媒に通せるはずがない。二酸化窒素は、そのまま空気中に放出されてしまう。
浮遊粒子状物質
花火の後には、多量の煙が残る。煙は、ススなどの微粒子からなる。粒が小さいために風で巻き上げられやすく、空気中を長時間にわたって浮遊する。こういった粒子は呼吸器系に入り込みやすく、気道や肺胞への沈着を起こして、呼吸器疾患の原因となる。
大気汚染防止法は浮遊粒子状物質についても規制を定めているが、やはり花火には適用されない。
にもかかわらず、ネット上の花火の環境影響について懸念するQ&Aは、「影響はない」とする答えばかりです。まさに「火消し」。
「少しだからいい」「年に一回だからたいしたことはない」「気にしすぎ」「重金属は環境中にもある」など、原発と同じようなパターンで「危険隠し」が行われています。
重金属や放射性物質はたとえ低濃度であっても食物連鎖で濃縮していき、食物連鎖の頂点にいる生物に高濃度に蓄積するということを誤魔化すのに必死です。
やっぱり産総研で「花火の安全化」など税金を使って研究されていました。
http://rrpdb.db.aist.go.jp/RRPDB/system/Koukai.Top で「花火」と検索すると
http://rrpdb.db.aist.go.jp/RRPDB/system/Koukai.List こんなに出てきます。しかも産総研は花火を「化学産業」と位置づけています。
こうなると原発と同じで、危険性は過小評価され、品質管理すれば問題ないというような安全神話が生まれると思うのです。
茨城大学教育学部理科教育教室、化学研究室 の作った花火の科学に関するパワーポイントに、驚くようなスライドがありました。 こちら⇒花火の科学 より当ブログ内に抜粋転載
将来学校の先生になる学生さんが作ったと思われるパワーポイント。教材研究して丁寧に作られてるのですが以下のスライドは「火薬の平和利用」という言葉を付け加えてるところが私は正直納得いかなかったです。
火薬の平和利用って、なんか似てますね、核の平和利用と。火薬=武器のプロパガンダにつながる気がして仕方ありません。
「たまや〜」とか楽しんでる場合じゃないと私は思います。ついでに個人的には、運動会の時の早朝の花火もやめてほしいと思っています。
花火=火薬。こちらをご覧ください。
欧州重大災害危険委員会MAHBの事故データベースMARS より
「2000年5月13日 花火貯蔵倉庫で火災が発生して3回爆発した。事故原因は不明であるが、消防隊員4名を含め18名が死亡し946名が負傷した。その他3名が行方不明になり、民家400軒が破壊された。花火材料に含まれる重金属が環境影響を与えたと考えられる。」
とありますが、これはオランダ・オーファーアイセル州エンスヘーデで起きた花火倉庫の爆発事故です。
http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CA0000254.html
損害は8900万ドルにおよび、過去25年において西ヨーロッパで起きた産業事故の最大規模とも言われる事故と言われているようです。
動画を探してみました。この爆発事故をバラエテイ番組で紹介するなんて、まったく日本のテレビ番組は不謹慎です。恥ずかしい。
他にも世界中で花火爆発事故が起きています。日本、フィリピン、台湾の順。
放射能汚染国家になった国、日本で重金属を撒き散らす花火を、エンタメのためにするのはもうやめたほうがいいと私は考えます。
私の子供は喘息でしたので、花火をほとんどさせていません。喘息の小学生が花火の煙を吸い込んだ途端に「ヒュー」と発作が出たということを、実際に知人から聞いて知っていたからです。
作る人も上げる人も命懸けの花火。産地不明のものを買い食いしながら、そして重金属を吸いながら炎色反応を見るのが花火大会。大気汚染防止法には適用されない。
今年もまた近づいています。当日はそらまめくんでPMなどをチェックしてみようと思います。