中国電力新小野田火力発電所火災に関する宇部日報の記事。
なんとこれで全部です。8/26に「出火原因の究明にたどり着かず運転再開のめども立っていない」
「中に人が立ち入れない。どこから火が出たか分からない状態」と報じています。この深刻な状態が全国的なニュースにはなっていません。宇部日報のHPにもありません。
中電のプレスリリースにもありません。石炭火力発電所も危険であることを市民に知らせたくないとしか思えません。
発電所や製鉄所の事故についての報道には、「爆発」と報じているところと「火災」と報じるところがあります。新小野田火力発電所の火災時も相当大きな爆発音が聞こえたのに「火災」と報じられました。
なぜでしょうか?事故を過小評価したい意図があるのではないでしょうか?
さらに、今日このようなニュースが流れました。
中国電、山口でバイオマス発電 エア・ウォーターと共同 2014/9/3 13:00 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB03005_T00C14A9EAF000/
中国電力は工業用ガス大手、エア・ウォーターと共同で、石炭と間伐材など木質バイオマスを混ぜて燃料に使う小型の火力発電所を山口県防府市に建設する。出力は約11万キロワットで全量を企業や新電力などに売る。2018年にも稼働させる。総事業費は100億円を超える見通し。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用し、未利用資源の有効活用と収益源の多様化を目指す。
3日午後に中国電が発表する。エア・ウォーターの防府工場敷地内の遊休地を活用する。近く環境への影響評価の手続きに入る。費用などの負担割合は今後、詰める。使用する燃料は石炭が年間約25万トン、間伐材など未利用材が約3万トン、竹が1万トン程度。中国電はこれまでも既存の火力発電所でわずかながら未利用材を使用してきた。
中国電力プレスリリース http://www.energia.co.jp/press/14/p140903-1.html 平成26年9月3日
同じ山口県内の防府市に火力・バイオマス発電所計画が進み、その環境アセスの直前の事故であったため、爆発火災事故ではなく、たんなる火災事故として報道したのではないかと思わざるを得ません。
新小野田火力発電所の火災事故時、各社が同じような報道を一斉に流してあっという間に終わり。続報なし。その火災事故のネットニュースも削除され、文字通りの「火消し」でした。
電力会社や国にとって、どの発電所も「安全な場所」でなければなりません。
市民の間に「危険だ」という認識が広まると、新規発電所の建設が困難になるからです。
原発安全神話だけではなかったということです。 「発電所安全神話」。
太陽光や風力、地熱など自然エネルギーのいろいろな発電所を見学しましたが、見事に安全神話ばかりでした。
石炭を燃やす施設(製鉄工場や火力発電所)で爆発や火災が相次ぎ、黒い煙が周辺の空気を汚染しています。既存施設ですらそういった状態。
それなのにさらに石炭と木質バイオマスを混ぜて燃料に使う小型の火力発電所を日本中に、新規でバイオマス発電所としてどんどん増やそうとしている。
再生可能エネルギーが国策化しているからです。
バイオマスは廃物の有効利用だという大義名分で、どんどん木を切って燃やしていくとどうなるか?
明治末の集落と里山。場所は現在の山梨県甲州市塩山。写真左上、マツの木が1本ぽつんと残された山に注目してほしい(写真提供:東京都水道局水源管理事務所)
過伐、皆伐という言葉があります。 バイオマスを石炭代替のエネルギー供給技術にしてはならないと私は思います。
「環境問題」を考える 近藤邦明さんのHPより http://www.env01.net/main_subjects/energy/contents/e001/e001_3.html
バイオマス利用の基本は、生態系の物質循環を豊かにするものでなくてはならない。
バイオマスの燃料としての使用は、生態系の物質循環への適切な還元方法のない廃棄物の処理法として、最小限に止めるべきであり、
石油代替を目的とした大規模かつ組織的な使用はしてはならない。