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Channel: ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
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金属製錬所のごみ=鉱滓がどれだけ環境を汚染し、今も昔も人々を苦しめているかという現実を知る。

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(管理人より)

11/14は宮崎県日向市の黒木睦子さんの裁判の日です。ツイッターで拡散し、全国の人が見守っています。

傍聴はこちら↓

宮崎地方裁判所 延岡支部(2号法廷) 平成26年11月14日(金) 午前10時から 原告:(株)日向製錬所 被告:黒木睦子

宮崎地方裁判所 http://www.courts.go.jp/miyazaki/saiban/tanto/tiho/index.html 宮崎地方裁判所 延岡支部 地図 ⇒ http://www.courts.go.jp/miyazaki/about/syozai/nobeokasibu/

ここで、金属の製錬がいかに環境を汚染するかという国の資料を見ていただきたいと思います。

ちなみにこれは私が作った資料ではありません。資源エネ庁の官僚が作ったものです。官僚も「公害問題の原点は鉱山」だとはっきり金属製錬の危険性を資料冒頭でみとめています。

環境管理から見た我が国の非鉄製錬産業の方向性  平成24年11月8日 資源エネルギー庁 鉱物資源課長 安永 裕幸  より

 

 

 

 資料には「 水質汚濁(鉱毒水) : 鉱山下流の河川水質汚染による農作物・健康被害」と書いてあります。

日向市の産廃公害問題、現地調査報告  より 

黒木さんがフェロニッケルスラグ(鉱滓)不法投棄で困っている場所から染み出した汚染水が流れ込む、現地の川です。この水は田んぼに入るそうです。

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-32.html  より

 

 資料に戻ります。宮崎県では土呂久鉱山ヒ素公害が発生しています。1920年代から亜ヒ酸を製造。 最終鉱業権者は住友金属鉱山=加害企業

環境NPOなどの市民学習会では公害問題は、さも、もう終わったことのように語られたり教えられたりすることがありますが、公害裁判というのは長期化し、健康被害や汚染された環境は現在も続く負の遺産です。

 

 

 

ここで、黒木さんが調べた汚染データ。環境省が認める毒=重金属がこんなに水に含まれています。

フェロニッケルスラグ沈殿池水質検査結果 鉛210倍、ヒ素50倍、フッ素20倍、総水銀15倍、カドミウム3倍、セレン3倍検出  

資料に戻ります。

宮崎県 日向製錬所を赤で囲みました。日本中にこんなにたくさん金属の製錬所があります。 原発と同じで、三菱三井住友・・・・

この周辺では、日向市と同じような公害が起きているかもしれません。

資源エネ庁の資料は結局は企業の目線でしかかかれないのだという箇所があります。↓抜粋

 操業停止を防止するための有効な微粉精鉱の酸化焙焼条件を求めるための研究を実施
 製錬残渣からの効率的な貴金属等の有用金属の回収技術の研究を実施

もう、被害者の視点はありません。完全に加害企業の視点になってます。問題解決のためと言い訳して技術開発費に税金をばらまく政策。↓

 

 

 原子力ムラだけではありません。金属ムラですね。三井も入ってるので原子力ムラ=金属ムラですね。「民官一体」なんて、癒着してるってことが堂々と書かれています。

産官学の学のところはなんと宮崎大。企業城下町の大学はどこでも企業の味方。お墨付きを与えるのでしょう。

レアアース・レアメタル=再生可能エネルギーに不可欠な鉱物にも国策でじゃんじゃん税金がばらまかれていて、ここでも原子力ムラと同じ構図だということがこれを見てもわかりますね。

黒木さんのブログを見てみます。

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-71.html   より抜粋引用

宮崎県日向市のあちこちの山は、(株)日向製錬所の産業廃棄物が捨てられています。
2012年から今現在、西川内地区という地域で人が目の前に住んでるにもかかわらず、このゴミを捨てております。

風が吹くとゴミが降ってきて非常に困ります。2012年から責任の取れない工事は止めて下さい、と言ってますが、聞いて聞かぬ振り、この様にダンプがゴミを持って来てはひっくり返してます。

宮崎県警 生活環境課  「県が産業廃棄物と判断しないと、警察は動けません。」
地権者 「県や市が許可してるはずじゃ」
日向市役所 環境整備課  「市は許可してない、受理しただけだから、責任は地権者にある。」

県は、山に捨ててあるゴミを商品である。産業廃棄物とは判断しない、と回答がありました。
これのどこが商品なのですか?

 

日向製錬所が作るフェロニッケルでいろいろなものが作られて(不要な工業製品も含めて)、いま私たちの暮らしの中にあります。

私は、苦しんでいる市民の側から、市川定夫先生のこの本の一文を思い起こします。

 

市川定夫著 「新・環境学 現代の科学技術批判」より  抜粋引用

新・環境学 1―現代の科学技術批判 生物の進化と適応の過程を忘れた科学技術 市川定夫 藤原書店

 

「環境破壊」の根本にある科学技術の問題・・・

科学技術のもたらす利便性を「恩恵」として享受している私たちの価値観そのものが、今まさに問題となっている・・・

科学技術の産物の消費者である一般市民をも加害者に組み込むことによって、

間接的に現在の危機的な状況をもたらしている

現在の消費社会では、企業が売り出したものを使い、消費し、使い捨てることによって変異原やガン誘発原を発生させたり加えさせたりするなどして、

一般市民が加害者であり、かつ被害者でもあるという構造が作り出されているのである





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