毎日新聞 2014年01月11日 東京朝刊
東京工業大は10日、大学院生命理工学研究科の60代男性元教授らが、2008〜13年3月に、業者に架空発注し、国などからの研究費約1900万円を不適切に処理していたと発表した。元教授は13年3月に定年退職し名誉教授となったが、今月10日付で懲戒解雇相当とし、退職金の返納を求める方針。また、元教授とともに会計処理をしていた研究室の60代女性秘書も、7日付で懲戒解雇処分とした。
東工大によると、2人は、実験器具の消耗品などを計67回架空に発注し、業者側に研究費を「預け金」として預けていた。業者側は研究室側に預け金を戻す際に、研究室が管理している過去に所属していた学生の口座に振り込んでいた。研究費は、文部科学省などから受けていた。
不正使用は、大学の内部調査で発覚。2人は同大の調査に対し、預け金としたことは認めたが、「研究室のために使用した。私的流用はない」と説明したという。しかし、大学側によると、それを証明する資料は無く、使途は不明。
また、この研究室に所属する40代男性准教授の研究費の一部も、元教授らが無断で預け金として処理。准教授は予算管理が不十分として、10日付で訓告処分となった。元教授は、預け金と名誉教授の肩書を返納する意思を示しているという。【渡辺諒】
詐欺容疑:研究用物品の購入を仮装 東工大院元教授ら逮捕 - 毎日新聞
11月15日(土)13時15分配信
研究用品などを購入したように装い、大学から研究費千数百万円を詐取したとして警視庁捜査2課は15日、東京工業大大学院生命理工学研究科元教授、岡畑恵雄(おかはた・よしお)容疑者(67)=川崎市麻生区=と取引業者ら計4人を詐欺容疑で逮捕した。
岡畑容疑者の逮捕容疑は、出入りの取引業者と共謀し、研究用試薬などの物品を購入したように仮装。架空の納品書や請求書などを作成して大学に代金を請求し、千数百万円を詐取したとしている。同課は、岡畑容疑者らが大学側から振り込まれた金を業者の口座にプールし、 私的に流用した疑いがあるとみている。
東工大は今年1月、岡畑容疑者らが2008年~13年3月に業者に架空発注を行い、国などからの研究費約1900万円を不適切に処理していたと発表。岡畑容疑者は13年3月に既に定年退職し名誉教授だったが、懲戒解雇相当としていた。
岡畑容疑者らは大学の調査に対し、架空発注で得た研究費を「預け金」としてプールしたことは認めた上で、「研究室のために使用し、私的流用はない」と話していたという。【福島祥】
東工大研究費詐取:架空発注の手口、元教授が持ち掛ける?
毎日新聞 2014年11月16日 東京朝刊
大学の研究費約1490万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課に詐欺容疑で逮捕された東工大大学院の元生命理工学研究科教授、岡畑恵雄(おかはたよしお)容疑者(67)=川崎市麻生区虹ケ丘=が、業者側に研究用品を架空発注する手口を持ち掛け、請求書などを偽造させた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。岡畑容疑者がだまし取った金を車購入やクレジットカードの支払いなどに流用した疑いがあることも判明。同課は、以前からの付き合いを悪用したとみて実態解明を進める。
他に逮捕されたのは、岡畑容疑者の元秘書で東工大の元非常勤講師、三津川和子(63)=横浜市緑区霧が丘▽化学製品販売会社「東光化成」役員、吉田耕司(66)=東京都世田谷区新町▽同社元社員、鈴木克行(69)=埼玉県春日部市増富−−の3容疑者。
4人は岡畑容疑者が東工大に在職中の2009年1月〜10年1月、請求書などを偽造し、東光化成から研究用試薬などを購入したように装い、研究費約1490万円を詐取したとして逮捕された。
東工大によると、岡畑容疑者は別の業者にも備品を架空発注し、逮捕容疑とは別に研究費約1900万円を不正に使っていた。昨年3月に定年退職したが、大学側は今年1月に懲戒解雇相当として退職金返納請求などの処分を決めた。
岡畑容疑者は1982年1月に同大工学部助教授になり、生物・生体工学の研究に取り組んでいた。辰巳敬(たかし)副学長は15日、記者会見し「捜査に協力し、再発防止に努める」と話した。【福島祥、宮崎隆】
東工大研究費流用:総額7000万円か 不動産購入も?毎日新聞 2014年12月06日 06時50分
研究費約1490万円をだまし取ったとして警視庁捜査2課に詐欺容疑で逮捕された元東工大大学院生命理工学研究科教授、岡畑恵雄(よしお)容疑者(67)が、逮捕容疑を含め総額7000万円以上の研究費を不正に流用した疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。だまし取った金は車の購入費などに充てたとみられているが、他に親族のマンション購入費に使った疑いがあることも新たに判明。一部は詐欺罪の公訴時効(7年)が過ぎているが、同課は裏付け捜査を進めている。
東京地検は5日、岡畑容疑者▽化学製品販売会社「東光化成」役員、吉田耕司容疑者(66)▽同社元社員、鈴木克行容疑者(70)の3人について、約1490万円を詐取したとして詐欺罪で起訴した。岡畑容疑者の元秘書で東工大の元非常勤職員の女(63)は処分保留で釈放した。
捜査関係者によると、岡畑被告は東光化成など複数の業者に研究用試薬などの備品を架空発注。業者側は大学から振り込まれた代金をプールし、岡畑被告に渡したり、会社の運転資金に充てたりしていたとみられる。架空発注は2007年以前から13年まで行われ、東光化成が「プール金が増え過ぎたので解消したい」と岡畑被告に中止を求めたという。【福島祥、宮崎隆】
岡畑恵雄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/16 02:48 UTC 版)
経歴1970年同志社大学工学部工業化学科卒業。1972年同志社大学大学院工業化学専攻修士課程修了。1972年九州大学助手、1979年九州大学講師、1980年マサチューセッツ大学客員研究員、1980年カリフォルニア大学客員研究員。1982年東京工業大学助教授、1992年同大学教授 [1] ののち解雇。
1994年、高分子学会バイオ高分子研究会委員長。1995年、日本化学会生体関連機能化学部会運営委員長[1]。
1982年(昭和57年)日本化学会進歩賞。1993年(平成5年)、日本IBM科学賞。1995年(平成7年)、高分子学会賞。2000年(平成12年)、手島記念研究発明賞。2001年(平成13年)中小企業優秀新技術・新製品賞[1]。
岡畑は2014年1月に東京工業大学から懲戒解雇相当という処分を受けた。その後、2014年11月15日、研究費の名目で約1490万円を詐取した疑いがあるとして、関係者3人と合わせて警視庁に逮捕された。[2]。
研究・著作 博士論文「二官能性高分子触媒による加水分解に関する研究」1977年 『超臨界流体中での脂質修飾酵素を用いる物質生産プロセス』(文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書)1999年 『表面プラズモン共鳴型水晶発振子の開発と複雑系生体分子間相互作用の定量化』(文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書)2003年 ^ a b c 岡畑 惠雄 独立行政法人科学技術振興機構 ^ 日本経済新聞 2014/11/15 14:03 「研究費詐取の疑い、東工大元教授ら逮捕 警視庁」(管理人より)
「学者が不正をしたニュース」で終わってはいけないと思いましたのでブログにあげときます。科学技術の専門家が不正をすることは許されないことです。大学や学者個人の信用が失墜することや研究の内容とは別に、国費が浪費されるという大きな問題があります。
国民みなが科学技術を盲信し、先進工業国、経済大国でいたいと願い続けて原発事故を起こし、放射能汚染国になった日本。膨大な科学技術開発費と天下り。企業と科学者の癒着構造が、社会全体を腐らせているのだと私は思います。
岡畑氏の経歴のところを見ると、最後は「独立行政法人 科学技術振興機構(JST)」というところに在籍?していたようです。Jなんちゃらというのは国の下部組織。天下り法人です。
独立行政法人科学技術振興機構 http://www.jst.go.jp/ このサイト内検索で岡畑恵雄を検索するとたくさん出てきます。http://urx2.nu/flg02001年から2007年まで研究をしています。
http://www.jst.go.jp/crest/nmt/topics/pdf/crest-12_080519.pdf 39p
http://www.jst.go.jp/crest/nmt/topics/pdf/crest-12_080519.pdf 5p
http://www.jst.go.jp/pr/intro/outline.pdf 17p
膨大な税金 開発費50億円 が企業にばらまかれて研究者へ! 研究して開発不成功でもほぼお金を返さなくていいんですね。
全員の学者が不正をしているとは思いませんが、産学連携というのは不正の温床になる可能性があるということは、この一件でも明らかです。
今に始まったことではありませんがこれはひどい。
しかもJSTの役員を見てみますと http://www.jst.go.jp/pr/intro/yakuin.html
JSTは理事が、日立製作所取締役! 監事が東芝取締役! JSTは原子力ムラ てことですね わかりやす!
ちなみにcrestの資料の中の研究者の欄に、おなじみのこんな人物もありました。
http://www.jst.go.jp/crest/nmt/topics/pdf/crest-12_080519.pdf 36p
柏木孝夫氏 「自立都市をめざした都市代謝システムの開発」 1995~2002
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/eval/jigo/20020220/envr/envr2.html
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/report/heisei11/pdf/d-1-02.pdf
柏木氏は1995年から原子力ムラのJSTを通じて、膨大な研究費をもらいながらスマートグリッド社会をつくることを画策していたのですね。
私たちの電気代に上乗せされて搾り取られている再エネ賦課金の集約先が、低炭素投資促進機構。そこの理事長が柏木孝夫氏。
著書の表紙に「東京工業大学大学院」と書いてありますね。
岡畑恵雄氏の不正は確かに明るみに出て逮捕されましたが、このようなことは氷山の一角なのかもしれません。
兵庫県議の号泣会見で有名になった政務調査費ですが、その後他の議員の政務調査費の不正な支出も色々と報道されました。
それと同じように、こういった研究費の不正にもきちんと調査し、メスを入れて欲しいと思います。
1000兆円の借金がある国で、国費の無駄は許されることではありません。