北九の子供を守るネットワークのブログ より転載
市民がメールで質問しました。以下回答↓
平成24年12月11日にご質問いただいておりました「先日の中村雅俊飛幡中学校での講話の件」につきまして、回答いたします。
1 この企画は、誰がして、誰がオファーしたのですか。
(回答) 北九州市教育委員会生涯学習課において、人権を考えるラジオ番組「明日への伝言板」のシナリオを題材とした特別人権授業について、その番組のナレーターの中から講師依頼をしており、本年度は中村雅俊氏に依頼したものです。
2 この企画のお金の出所を教えてください。
(回答)北九州市教育委員会の予算です。
3 ガレキの広域処理は、違法であるにも係わらず(根拠がない 環境省が回答)しかも、安全であるというのは、原発を推進している国(事故の責任をとるべきところ)一方的な意見の押し付けを生徒にしましたが、反省はありますか?
(回答)市環境局に確認したところ、本市が受け入れている宮城県石巻市の災害廃棄物は、放射能セシウムの濃度が1キログラム当たり100ベクレル以下のものであり、放射性物質に汚染されたものとして扱う必要のないものです。したがって、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、一般廃棄物として処理を行うことができるため、本市の行っている災害廃棄物の処理は違法ではありません。
中村雅俊氏による特別人権授業は、風評被害だけではなく差別問題などの根本は、一人ひとりの意識から始まること。したがって、先入観等に惑わされることなく、正しい情報に基づき、事実を正しく認識することの大切さを生徒に気付かせるという「人権教育の一環」として企画されたものであり、「ガレキの広域処理が安全である」ことを説明するために実施したものではありません。
4 ガレキの焼却によって、健康被害が出ているとの調査書を先日、環境省と北九州市環境局、市長に提出しましたが、一方的な焼却により、引越しをしなければならなかった人、今も症状に苦しむ人たちの立場に立つと人権損害に見えますが、生徒に一方的情報を与えた事にについて、反省はありますか?
(回答)市環境局に確認したところ、前述のとおり、本市が受け入れている災害廃棄物の放射性セシウムの濃度は安全なレベルであり、処理の各過程で実施している放射能測定の結果からも、その安全性は確認されています。したがって、処理によって健康被害が生じることはあり得ません。
また、本市に提出いただいた調査書についても、健康被害と災害廃棄物の処理との因果関係が立証されていないため、当該健康被害が災害廃棄物処理に起因するものとは考えられません。
なお、今回の特別人権授業の中では、「ガレキの焼却による健康被害」については一切触れられておらず、 「一方的情報を与えた」という事実はありません。
北九州市小倉北区大手町1−1
北九州市教育委員会生涯学習課
電話 093-582-2385
先ほど電話をして聞きました。3クラス120人程度で、50分授業。それで、1,989,750円
校長との掛け合いで授業は進められました。進め方の指示はしていないと教育委員会は言っています。雪に関するシナリオは、教育委員会が選んだと言っていますが下の見積り内容と違います。理由はわかりません。
教材選定やシナリオ授業企画は「西広」がしたことになってます。24万円もかけて。選ぶだけでそんなにお金がかかるのでしょうかわかりません。
「放射性物質を危険視し、がれきを受け入れないことは被災地の人を苦しめる」という方向づけ印象操作をしているのではないかと、教育委員会の担当者に言うと、「それは深読みである」と言われました。「そういったことは考えてない。ニュース記事は記者が恣意的に書くことがある」などと終始しました。この担当者は放射性物質に関する国の基準値に関して、環境局からの説明しか聞いていないし、その他のことを何も知らない人物でした。そういう人が、税金を200万円も使った授業をすることを決めているということです。
情報開示請求資料をみてみると、西日本新聞が出資して作った、「株式会社西広北九州支社」1社に特命委託したことがわかりました。
さらに資料を見ると
「またこの「人権授業」を中学校で実施することにより、教材としての活用方法を提示するとともに、この企画の持つパブリシティへの訴求力を生かして、市民の人権意識の向上を図る。」
と書いてあります。中学生への授業だけでなくそれがニュースになって、市民に読まれたあとの影響を考えて立てた企画ということがわかります。
【流れ】
被災地出身の有名な人=中村雅俊氏
「放射性物質への懸念で雪を沖縄へ送るイベントが中止された」話
「放射能測定では問題ない数値だった、風評、誤った情報に惑わされてはいけない、差別問題はひとりひとりの意識から」
【このニュース記事】⇒がれき受け入れは当然という世論誘導、反対するものは人権意識がない差別者。
教育委員会は「放射性物質が危険である」という「科学の問題」を、「心の問題」に巧妙にすり替えているとしか思えません。受け入れ反対する人への差別を生むのがどこが人権教育でしょうか?
中村さんは、被災地出身で、放射性物質の危険を知らない人なのだと思います。芸能人は用意されたシナリオを読むだけです。ある意味それが仕事。問題は、「この企画は一方的である」という市民の指摘に一切耳を貸さない北九州市教育委員会の姿勢だと思います。
放射性物質は危険だから避難をした有名人を同席させて、中村氏と対話形式ですすめるなら、教材としては中立・公平です。(たとえば俵万智さん。仙台出身で疎開されました。)そのあと、みんなで考えるという流れならまだわかります。震災からの復興を困難にしているのは、がれきの受け入れが進まないことが一番の原因かのようにしてしまっているのも問題ですし、被災地に大量に降り注いだ放射性物質が人々を苦しめているという一番重要な議論を抜きにして、「助け合いが大事、ガレキ受け入れないのは差別の心」ということが人権授業として行われたことは、本当に残念でなりません。
汚染地域や被災地で健康被害が出ている人や避難したい人を北九州が受け入れるのが、本当の応援です。無人区を作り放射性物質を封じ込めるための議論が必要です。
以下のツイッターのコメントをお読みください。ほとんどの人がこの人権授業の欺瞞に気づいています。
教育委員会も問題ですが、シナリオを作った「西広」の社会的責任はどうなるのでしょうか? ISO26000、JISZ26000 というルールを守ってないのではないでしょうか?偏ったシナリオを作ったということはプロパガンダと思われても仕方ないと思います。
【放送法 第四条】
公安及び善良な風俗を害しないこと。 政治的に公平であること。 報道は事実をまげないですること。 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。人権教育というなら「福島人権宣言」を教材にすべきではないでしょうか?
福 島 人 権 宣 言
私たちは今、大いなる不安の中で日々生活しています。うつくしま、福島。私たちの故郷がカタカナでフクシマと呼ばれたり、放射能問題にこれほど頭を悩ますとは全く考えたこともありませんでした。
原発事故直後、私たちは老若男女を問わず、放射線を浴びました。その後も、線量の違いはあれ、外部被ばく・内部被ばくを続けています。原発から放出された眼に見えない放射線が、電離作用によって身体細胞の遺伝子を切断しています。一時は住み続けるかどうか家族で話し合わなければならないほどの大きな衝撃を受けました。今も子どもを外遊びさせるかどうかなど、日々困難な選択を迫られています。何も気にせずに深呼吸することさえできなくなりました。これらの事実により、私たちは精神的にも大きく傷ついています。
このような放射線の健康リスクと隣り合わせの環境で、日常生活を送っている人が大勢います。しかし決して健康に無関心というわけではありません。簡易な放射線検査機を購入して測定をしながら、外部被ばく・内部被ばくをどうやって避けて生活したらよいか毎日悩んでいます。特に、感受性の高い子どもたちの被ばくを避けるためにどうしたらよいかは切実な問題で、将来に不安を感じています。
住み慣れた場所から避難している人も多くいます。それが強制であれ、任意であれ、それまでの日常生活を捨てて生きていかねばなりません。経済的な負担はもちろんのこと、家族や地域と離ればなれになることによって精神的な苦痛を感じています。
福島に住み続ける人も、去った人も、みな故郷を愛する気持ちは同じです。にもかかわらず、福島に留まる人、避難している人、避難しようとしている人との間に心の隙間が広がっているという悲しい現実があります。
原発事故により私たちは多くのものを失いました。しかし、もうこれ以上失いたくありません。
一、 私たちには、憲法で保障された幸福追求権があります。
一、 避難する、しないを自分で選択する自己決定権があります。
一、 放射線被害について、私たちが納得いくまで情報を得る、知る権利があります。
一、 差別のない、自由かつ平等な社会を求める権利があります。
一、 健康な身体を持ち、福島の自然を愛し、楽しむ生活を送る権利があります。
一、 財産が放射能汚染により侵害された場合には完全な補償を求める権利があります。
一、 私たちが愛した元の福島を返してほしい。そう主張する権利があります。
何も考えずに水が飲みたい。おいしい米、野菜、果物、魚、肉、これらを何の不安もなく食べるこ とのできる、元の福島に戻してほしい。
放射能のことなど考えないで、子どもの笑顔を見守り、家族や近所の人たちが笑顔を交わして仲良くできる、昔の福島に戻してください。
一、 元の福島に戻すことが無理ならば、私たちが納得のいくまで、その償いを求める権利があります。
私たちは立ち上がることをここに宣言します。本当の笑顔と人権を取り戻すため。
放射能を逃れて避難して来られた人の生の声を聞くべきです。200万円もかけて遠くから交通費を使って芸能人を呼ばなくても立派な人権授業が可能です。
福島や宮城県、あるいは首都圏ホットスポットでは、放射能被害が隠蔽されているという実態を知ることが一番の人権教育だと思います。