この動画は震災がれき焼却反対運動真っ只中の、北九州市議選のときに小倉で行われた、トークセッションの模様です。
2013/01/06 「100人の母たち」 スライドショー&トークセッション 亀山ののこ×鎌仲ひとみ×村上さとこ
http://www.ustream.tv/recorded/28273710
この動画の中で鎌仲氏がスライドを使って、放射能の危険性を伝えながら、同時に自然エネルギーも推進していました。
鎌仲氏のトークセッションでの発言を抜粋し、文字起こししました。 (話し言葉にできるだけ忠実に)太字は管理人。
事実をご覧下さい。
1:35あたり~
いかに自分たちと違う考えの人とコミュニケーションするかっていうことなんですけど、
これは、私は勝手に「ストッパーはずし」と呼んでるんですけど(笑)、それはどういうことかって言うと、
「六ケ所村ラプソディー」を作るときに
私は「ヒバクシャ」って映画を作って放射能というものがいかに微量でも危険か、そして健康とか子どもに害をまず与える、
ということを身にしみて痛いほどわかっているんですけど、
でも、六ケ所に入っていくと、六ケ所のほとんどの人たちは、それに無関心だし、知らないし、
推進している人たちは圧倒的に力を持ってるわけじゃないですか。
そうすると、
その人たちを“敵”と思わない
その人たちを“変な人たち”と思わない
その人たちを“無知な人たち”と思わない
そういうの、結局、「思い込み」とかって言うんですよね。その「思い込み」がストッパーなんですよ。
何のストッパーかというと、相手を本当に理解するチャンスとか回路をストップさせていく、コミュニケーションのストッパーなんですよ。
で、全部取り外して、本当にまっさらになって「教えを請う」という。
「原発そんなにいいんですか~」
「がれきを燃やすってことって、そんなにいいんですか~」
「どんなにいいのか教えてください~」
っていうのを、私は六ケ所村でやったんですよ。
「素晴らしいやり方ですね!」(村上)
そうしなければ、それまで原発に反対してきた人たちは、
「六ケ所村の推進派は金に魂を売った」と。「悪いやつらだ」と。「俺たちは反対してるから正義だ」と。
だから、どんだけ罵倒してもいいし、罵ってもいいんだという思いを持った人たちが結構たくさんいたんですよ。
私は新参者なので、ビックリしちゃって、「え??」と。
「そんなことで本当にコミュニケーションできるのか?」
「そういう人と付き合いたいと思うだろうか?」
と思ったら、「思わない」と思いましたよ。
やっぱりそれは、私の中に原発に反対するネガティブな考え方があったとしても、ちょっと置いて
相手の身になって、相手の立場からだとどう見えるのかな~っていうのを想像して、そしてそこでつながってみようと。
相手を理解したい、あなたがそういうふうに考えるに至ったのか知りたいと、
そういうアプローチをものすごく1年間、地道に地道にやってきていたら、ようやく、こうポツポツと話してくれるようになった。
その中身は、
「あ、この人たちをマスコミは推進派と呼んでいたのか。そうじゃないじゃないか。これはサバイバルだ」と。
なぜなら、そこで農業をやって生きていく道を、つまり土地を高いお金で買い叩いて、
「土地なし農民」にした上で、実はそこには工場を建てるって言っときながら核施設を持ってきたわけですよ。
土地を売った後だから、だまされちゃって。
でも、その土地を売らないという抵抗もできないし、
売ってしまった後なので、そこで働こうと思っていたから収入の道もないし、
そこで働くしか家族を養えないとしたら、その職を掴む。
漁民は機動隊が来て漁業権を手放さないと言ってる人を踏み潰して全員逮捕した。刑務所にぶち込んで。
そんな、田舎で刑務所に入れられたら大変ですよ。
そうやって抵抗派は潰されていって・・。
例えば漁業組合の組合長は、青森県の行政マンが、黒塗の車で迎えに来て、温泉街で芸者をあげる。
散々、遊興させて、それで骨抜きにしたんですよ。青森の再処理工場を誘致するときは。
そういうふうにやった結果、普通の人たちは、一般庶民は何もできなかった。
あれよあれよという間に、そういう人たちが決めてしまった。
自分たちは無力だと思うんですよ。
無力なのに2兆5000億円もの企業が来て、自分たちがそのおこぼれにでもあずからなかったら
自分たちが貧乏くじをひかされる甲斐がないわけですよ。
何らかのメリットを自分たちが、自分の力でそこで得ていかなかったら、
サバイバルしなかったら、そこに食い込んでいかなかったら、
自分たちは負け犬ですよ。
あたかもそれが「推進」。どうしても推進の立場に立たなければ仕事をもらえないわけじゃないですか。
そういう構造が見えてきた時に、その人たちがやってるのかと。そうじゃないんですよ。
放射能のこととか原子力の全体性について理解してないんですよ。
そこをやっぱり説いていって話していかないと、つながる場所がどこにもないんですよ。
私たちはつながらなければ、私たちは少数派なので、
やっぱり何かひとつのことを、この地域の中で成し遂げたい。
会場に行った人から聞いた話です。
● 亀山ののこさんの写真集は会場でたくさん売れていた。
●来場者は避難者中心で若いお母さんたちが多かった。
●選挙の応援に来てる人もいた。
(株)エス・エー・エス発行「月刊ハイゲンキ」
2006年5月号 より
「六ヶ所村ラプソディー」が完成した2006年の時点で、上のような非常に曖昧な答えに終始。