(管理人より)
福島第一原発の20キロ圏内に位置する福島県の大熊町が高濃度に放射能汚染されているということを先日記事にしましたが☟
福島第一原発が立地する福島県大熊町は二次被曝するほどの高い放射線量の遺体が見つかった場所。
その続きです。原発事故直後から避難区域に指定されている場所、その大熊町に、野菜工場が作られるということで話題になっています。
毎日新聞 2015年06月02日 07時00分
東京電力福島第1原発が立地し、全町避難が続く福島県大熊町に、野菜や観賞用の花を生産する大規模な屋内工場が建設される。大熊町が栽培技術を持つ企業と提携し、第三セクター方式で来年度中の稼働を目指す。県内のスーパーなどで販売し、地域再生の目玉事業にするつもりだ。
町によると、工場の建設予定地は第1原発の南西9キロの居住制限区域(年間積算放射線量20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)にあり、国は除染を終えている。原発事故の避難指示区域に野菜工場が建設されるのは初めて。
野菜工場では外気から遮断された密閉空間で水耕栽培する。換気もフィルターを通すなど放射性物質の影響を受けないようにする。栽培品種は、レタスなどの葉野菜のほか大根などの根菜も検討している。総工費は12億円を見込み、福島再生加速化交付金を利用する。
生産品の販路も開拓中で、一部のスーパーが店頭販売を検討。野菜工場予定地がある大川原地区には、東電が第1原発の従業員向けに食事を作る給食センターがあり、東電も食材として購入を検討している。
大熊町産業建設課の武内佳之課長は「震災前はおいしい野菜が育った地域。そんな誇りを取り戻したい」と話す。【栗田慎一】
とてつもない量の放射性物質が降り注いだ場所で野菜工場を建設することへの疑問がブログやツイッターで指摘されていますがそこで考察が止まっています。
こんなむちゃくちゃなプロジェクトがどう進められていたのかということです。
毎日新聞の記事には「総工費は12億円を見込み、福島再生加速化交付金を利用」と書いてありますが、それ以外の補助金もあるはずです。
農林水産分野イノベーション・プロジェクト 第1次とりまとめ 平成27年6月1日 農林水産分野検討分科会
この資料をご覧下さい。
このプロジェクトの構成員は、
国= 農林水産省大臣官房食料安全保障課 、
市町村= いわき市、相馬市、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、 楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、 新地町、飯舘村
15市町村農林水産担当課長、 県 農林水産部技監、 農林水産部関係課長、 関係農林事務所長
この15自治体はもともと警戒区域。もう人は住んではいけないところ。
http://www.asarei.com/topics/2012/12/11/9657/ より
国が主導して自治体にやらせてるわけです。警戒区域や汚染状況重点調査地域の自治体ばかりです。原発爆発後の放射性プルームで土壌が汚染され、農業など諦めなければならないところばかりなのに、日本は本当に狂った国だと思います。そんな自治体に「再生可能エネルギーの利活用」、太陽光発電、バイオマスなどの外部インフラからの供給、と書いてあります。
イメージ図にはヒートポンプも描かれています。
「福島再生加速化交付金、東日本大震災復興交付金、補助事業を活用した施設整備」と書いてあり、野菜工場に復興関連予算だけでなく、農水省の事業で再エネの補助金も汚染地域にジャブジャブ流れ込んでいるということがわかります。
先行事例として川内村の野菜工場のことが書いてあります。さて川内村の野菜工場がどうなったか、以下の記事をご覧下さい。発光ダイオード(LED)の人工光で野菜を育てる工場です。
作れば作るほど赤字…福島・植物工場で悲鳴 電気代が大きな負担、稼働率50%
2015.6.15 08:00
東京電力福島第1原発事故で大きな被害を受けた福島県の復興に向け、次世代の農業形態の一つとして期待されるのが植物工場だ。「安心・安全」な農産物を生産できる一方で、原価の半分近くを占める電気代など生産コストの高さがネックとなっている。製品の値上げもままならず、現場からは悲鳴が上がる。
補助金打ち切りへ
一面に並んだレタスが、発光ダイオード(LED)のライトで妖艶に照らされる。第1原発から30キロ圏内、福島県川内村にある植物工場「KiMiDoRi」の光景だ。復興の象徴として2013年春から稼働し、人工光で野菜を栽培する施設としては全国有数の規模を持つ。
完全に密閉された栽培室で野菜の生育を制御。無農薬の水耕栽培で、天候に左右されず常に安定した収穫が見込め、葉先に細かい切れ込みがあるレタスを1パック150円前後で販売している。
しかし「工場の稼働率は50%ほど」。運営会社の早川昌和社長(58)が打ち明ける。理由は生産コストの高さだ。原価の約45%を占める電気代が大きな負担となり、作れば作るほど赤字が増える状態。「値上げすると売れなくなる」。現在は自治体からの補助金があるため事業を継続できているものの、毎月の実質的な赤字は200万円を超える。
復興の拠点となるには安定した事業継続が不可欠だが、補助金の一部は本年度で打ち切りが決まっており、今後を見通せない。
人材確保にも不安がつきまとう。365日稼働する工場を25人体制で運営しているが、ほとんどがパート従業員。「赤字の状態では十分に人も採用できない」。早川社長の悩みは深い。
安易な導入に警鐘
放射性物質の影響を受けにくく「安心」な農産物を生産できる植物工場をめぐっては、次世代農業のモデルを模索する国が熱視線を送る。
福島県沿岸をロボット産業や新エネルギー産業の集積地にすることを目指す「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」にも植物工場導入は重点策として盛り込まれている。
福島県では、第1原発が立地する大熊町に避難指示区域としては初の植物工場を建設する計画も進む。人工光を利用する閉鎖型施設で野菜や花を栽培する。町の担当者は「地域再生の目玉にしたい」と意気込む。来年度中の操業開始を目指しているという。
栽培した野菜は第1原発で働く作業員向けの食事として東電に提供することも検討しているが、販路の整備はまだこれからの段階だ。
早川社長は「消費者ニーズに合った設備が必要。そしてコスト高の問題が解消されないと植物工場は生き残っていけない」と安易な導入に警鐘を鳴らしている。(SANKEI EXPRESS)
■植物工場 施設内の温度や光などの環境条件をコンピューターで制御することで、野菜や花など農産物を計画的に生産できる施設。太陽光を使わず、閉鎖空間で発光ダイオード(LED)や蛍光灯を用いて栽培する「人工光型」と、主に太陽光で育てる「太陽光利用型」に大別される。露地栽培と比べ短期間に安定して安全な野菜を生産できるが、施設の建設費や光熱費に多額の費用が掛かるのが欠点とされる。
大熊町に計画されている工場は閉鎖型の植物工場。毎日新聞の記事には書いてありませんでしたが、閉鎖型植物工場はLEDを使うので大熊町の工場にも導入されるでしょう。
栽培には水は必要ですから、福島の水を使えば、いくらLEDで育てても汚染されてしまうと思います。
http://www.meti.go.jp/main/yosan2014/hosei/pdf/01.pdf をご覧下さい。
LED照明、ヒートポンプ、工業炉などに925.5億円の補助金!
こういう補助金で、大熊町に野菜工場を建てるということです。
高濃度汚染地域に再エネから膨大な補助金が流れ込んでいるわけです。
ロボット産業や新エネルギー産業=原発メーカー=新エネメーカー=原子力ムラ
つまり、復興という大義名分で野菜工場というハコモノを作り、LEDや太陽光パネルやヒートポンプなど再エネ機器を導入して、再エネメーカー=原子力ムラに利益を誘導する仕組み。
そこで働く人は、大熊町に据え置かれて、避難はできません。
電気を浪費して野菜を作ることの間違いをなぜ指摘しないのでしょうか?
工場建設費用、運用費用のことを考えると、経済合理性もなければ省エネでも何でもありません。
そんなものに膨大な補助金が出る再エネなんて、亡国の政策です。
被曝回避を言う脱原発市民はなぜこのことに突っ込まないのでしょうか?
必ずこういうところでLEDが出てきます。ノーベル賞で権威付けをして導入しやすくさせてありますよね。
LEDって、なんだか怪しいですね。
何かを商品化して売る時には、いろんな隠蔽や正当化するための権威付けが行われるものですよね。原発もその最たるものですけど・・・
続きはまたね~!