1日朝、北九州市のアルミを加工する工場で爆発と火事があり、現在も消火活動が行われています。
警察と消防によりますと、午前6時20分ごろ、北九州市若松区のアルミを加工する工場で爆発があり、その後、火事が発生しました。工場は24時間稼働していて、数人の作業員がいましたが、けがをした人はいません。火事はアルミが何らかの化学反応を起こして爆発し、火が出たとみられています。
北九州市 化学工場で爆発火災 けが人なし
9月1日 7時23分 NHK
1日朝、北九州市若松区にある化学工場の敷地内で爆発が起き、消防が消火活動を行っています。警察によりますとこれまでのところけが人はいないということです。 1日午前6時20分ごろ、北九州市若松区にある化学工場、「新興アルマー工業」の(しんこう)第一工場で爆発音がしたという通報がありました。消防車16台が出動して消火活動を続け、現在も白い煙が上がっている状態です。警察によりますと、出火当時、工場内には、複数の従業員がいましたが、全員避難してこれまでのところけが人はいないということです。
「新興アルマー工業」は、アルミニウムのめっき加工などを手がけ、会社によりますとアルミを溶かす工程で水蒸気爆発が起きたということです。
工場の近くに住む80代の女性は、「大きな爆発音が複数回聞こえ、工場で煙が上がっているのが見えた」と話していました。 更新されました☟
アルミ加工工場で爆発・炎上 けが人なし 北九州
2015年9月1日10時37分 朝日新聞デジタル
1日午前6時20分ごろ、北九州市若松区藤ノ木2丁目のアルミ加工会社「新興アルマー工業」の第1工場から出火し、工場の建屋が爆発、炎上した。福岡県警若松署によると、当時、工場内には数人の従業員がいたが、けが人は確認されていないという。火の勢いは間もなく収まった。
同署によると、花火のような爆発音が複数回して白煙が上がったという。
市消防局や同社によると、屋根と壁面が約200平方メートルにわたって破損。近くの別の会社2カ所では、ガラス計4枚が割れているのが見つかった。
爆発当時、工場内の鉄製の窯1基(長さ3メートル、幅1・5メートル、深さ1・5メートル)でアルミを溶かす作業をしていたが、窯から溶けたアルミが漏れ出し、工場内の水路を流れる水と反応して水蒸気爆発が起きた可能性があるという。
新興アルマー工業 より爆発事故前
溶融アルミめっき加工の様子☟
(管理人より)
CBRNE災害が起き続けています。化学工場の爆発火災事故。今度は北九州のアルミメッキ工場です。
「メッキ」は「モノづくり」に欠かせない金属の表面処理技術。錆を防ぐ防錆・防食性、耐磨耗性を高めることで製品の機能を高め、寿命を延ばす加工技術として受け継がれてきました。
その一方で、他の企業のですが、メッキ現場の動画を見ると、前処理の段階でかなりの汚染廃水が出るようです。作業自体も大変危険な作業。
このブログでも以前に尼崎のメッキ工場の排水が川を汚染したニュースを伝えました。
必見☟
尼崎の下水処理水から基準値の7倍のシアン化合物が検出。水質事故なのに自治体HPに記載なし。 より非常に強い毒物で、金属の精錬や焼き入れ、めっき製造時などに使われる。
一定量を摂取すると急性中毒症状による頭痛やめまい、嘔吐などの症状を引き起こし、高濃度であれば死に至ることもある。
経産省の資料より
有 害 性 評 価 書 Ver. 0.4 No.129 無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く)
この新興アルマー工業の工場で、シアン化合物、または毒物が使われてないのでしょうか?
メッキの基礎知識 をみても、技術面に疎いのでよくわかりませんでした。 メッキ工場の毒物が問題になっていることは書かれています。
新興アルマーは溶融メッキの工場で アルマー加工 製造工程 より 廃水が出るということはわかりました。今回の爆発で大量に煙が出て周辺に流れていますが、その煙に有毒物質は含まれていないのでしょうか?
酸化アルミニウム 2~3micron 安全データシート(SDS)
どのニュースでも煙が有毒ガスかどうかについては、なぜか報道していません。
市民が知る必要があることを報道しないメディア・・・・
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/gpv/wind/ より 風向き 2015-09-01 07:00 JST
風下だったのでしょうか、煙が住宅地に流れ込んでいますね。 市民のツイッター https://twitter.com/scr_lv_2_cap/status/638462666223194112 より
煙を吸い込んでしまったことでしょう。
新興アルマー工業のHPを見てみると、
「今、注目の家庭用太陽光発電。海に近い家だと塩害で架台が錆びてしまいます。架台の 加工にアルマー加工が利用されています」と書いてありました。
ソーラーパネルの架台もアルミでメッキされてるんですね。
「ものづくり」という大義名分で、日本はこれだけ、鉱物、電気を使ってメッキをしていたんですね。そしてこれも工業生産ですから、廃熱、廃物が出ます。
廃水を出して、金属加工し、それらが工業製品のパーツやインフラになっていくというのが日本の社会。 ε=(・д・`*)ハァ…
送電鉄塔も・・・
北九州市の若松には、そんなメッキ工場のすぐ近くに、小学校や保育園があるということです。
今日の爆発の煙は周辺に流れていっていましたが、環境省大気汚染物質広域監視システムそらまめくんの北九州の若松の2つの測定局のグラフには、大きな変化は見られませんでした。
こういった工場密集地帯の周辺に、もっと測定局を増やすべきではないかと思います。
命と環境を守るためには、測定局の数が少な過ぎるのではないでしょうか? 民家の近さにも驚かされます☟
日本アルミニウム協会の役員名簿と会員名簿をみたら、アルミも原子力ムラだということがわかります。
アルミニウム産業って・・・・⇒ そもそもフッ素の有効利用の始まりはアメリカにおけるアルミニウム産業でした。
仮に毒物が環境中に漏れたとしても、市民に伝えられることはないと絶望しました。
周辺住民にできることはマスクぐらいでしょうか・・・・
私はできるだけ、日常品、消耗品としてのアルミの使用(アルミのカップ、アルミ箔、アルミ缶の飲み物、鍋)を避けた暮らしをしようとしていますが、ケーキ、パン、弁当などの加工品に使われていることは多いです。
こういう加工品は食べ終わったらゴミだらけ。
アルミは電気の缶詰☟ なのでできるだけ買わないようにすることが大事だと思います。 アルミ缶をリサイクルできてもリサイクル自体が化石燃料を使い環境を汚染するからです。
私はお酒はいっさい飲みませんのでアルミ缶のビールなどはもともと不買です。個人でできる不買をする。
アルミニウムは、鉱物のボーキサイトを原料としてホール・エルー法で生産されるのが一般的である。ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理し、アルミナ(酸化アルミニウム)を取り出した後、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Na3AlF6)と共に溶融し電気分解を行う。したがって、アルミニウムを作るには大量の電力が消費されることから「電気の缶詰」と呼ばれることもある。ちなみに、ホール・エルー法での純度は約98%なので、より高純度なアルミニウムを得るには三層電解法を使う。アルミニウム1トンを生産するために消費される材料およびエネルギーは以下の通りである[6][8]。なお、1トン当たりの電力使用量は銅で1200kWh、亜鉛で4000kWhであり[9]、アルミニウムの精錬には銅の約11倍、亜鉛の約3.5倍の電力が必要となる計算になる。
アルミナ 1.96トン(ボーキサイト 4トン) 氷晶石 0.07トン 炭素陽極 0.5トン 電力 13000〜14000 kWh
人間が便利な暮らしを追い求めて、電気を際限なく欲すれば、間接的にこのような爆発事故の起きる遠因を作ることになるということです。
爆発事故で、死傷者が出たかどうかも、労働災害の問題として考えなければならないことだと思いますが、そういう労働災害を生み出す産業構造、ひいてはそういう産業を成り立たせる物質中心の資本主義社会のあり方を、一人ひとりが今見つめ直さなければどうしようもない。労働環境だけの問題ではありません。今後も日本でもおそらく爆発事故は続くでしょう。
放射能汚染、コスト削減、プラント施設の老朽化、少子化で安全も含めた技術の伝承ができなくなる・・・・にもかかわらず、工業生産を縮小する国の施策になっていない。上流が止まっていない。
IT化、スマートグリッド社会を国と企業は目指していますので、その問題を共有するしかありません。
「金属 技術 産業 役立つ ものづくり 工業先進国 」 というキーワードで、企業がいいように報じられることはあっても、
「製造過程の環境汚染 労働災害 爆発事故 公害」というキーワードで、工業生産の負の側面が報じられることはほぼありません。
追記
北九州市のアルミメッキ工場で爆発
2015年09月01日 15時27分 読売新聞
1日午前6時25分頃、北九州市若松区藤ノ木2の「新興アルマー工業」から、工場で爆発が起きたと119番があった。
市消防局によると、爆発は2回発生し、工場の屋根と壁それぞれ約200平方メートルを破損。周辺の建物2棟の窓ガラス計4枚が割れた。けが人はなかった。
同社ではアルミニウムのメッキなどを行っている。市消防局によると、爆発が起きたのは第一工場。600~700度で液状になったアルミを入れた溶解炉に穴が開き、漏れたアルミが炉近くの湧き水と反応し、水蒸気爆発を起こしたとみられるという。当時、工場内には夜勤の作業員と交代要員の計6人がいた。
同社によると、炉はすり鉢状で上部の直径が約3・4メートル、下部の直径が3・2メートル、高さ約1・7メートル。耐火レンガで固定されている。作業員によると、アルミの漏出を止めようと準備していた時に小さな爆発音が聞こえたため、全員が工場の外へ避難。その後、大きな爆発が起きたという。
蒸気爆発という現象を明らかにするためには、まず、その発生手順を明らかにする必要があります。さまざまな研究者がこの現象を観察し、大まかには右図のような手順で起こっているということが明らかとなりました。 (1)まず初めに、高温のドロドロ熔けた金属Aと冷たい水Bが何らかの要因で接触します。 (2)すると、熔けた金属は水の中で細かく分裂し、その分裂した塊(熔融液滴といいます)1つ1つが蒸気の膜で覆われます(この現象は「Premixing(粗混合)」と呼ばれています。)。この蒸気の膜は断熱材と同じ効果をもっており、熔融液滴は熱をもったままの状態となります。 (3)熔融液滴周りの蒸気の膜が何らかの要因で壊れ、液状の熔融液滴と水が直接接触した場合(溶けた液体状の金属と水が接触するので「Liquid-liquid contact(液-液接触)」と言います)、熔融液滴は更に細かく分裂し(この現象は「Atomization(微粒化)」と呼ばれています。)、水と直接接触する面積が更に増えます。そして、断熱材の役割を果たしていた蒸気の膜がなくなったので、急速に熱が移動し、水が蒸発することによって蒸気が発生します。蒸気の体積は水の体積よりもかなり大きいので、発生した蒸気が水を急激に押しのけようとします。この現象によって、圧力波が発生します。 (4)この圧力波が水中を伝播し、周りにある熔融液滴の蒸気膜を壊し始めます。そして、(3)の現象がおきます。この(3)、(4)が水の中で連鎖していき、最後は大きな圧力波を発生させ、爆発的な現象となります。 この4つの段階で、(3)の段階は蒸気爆発を起こすか起こさないかを決める段階であり、「Triggering(トリガリング)」と呼ばれています。つまり、このトリガリングを明らかにすることによって、蒸気爆発の発生条件を調べることができるのです。
蒸気爆発とは?
どんな現象? 「蒸気爆発」という言葉はあまり聞きなれない言葉ではあると思いますが、工業のプラントの安全性を考えるうえで は重要な現象の1つであります。
ドロドロに熔けた金属のような高温の物質と水などのような低温の物質を扱う 金属の精錬所、鋳造工場または化学工場などでは、これら2つの物質が何らかしらの要因で接触したとき、威力の大きい爆発を 起こすことがありました。この爆発によって、そのプラントの設備が破壊されたり、時には人が被害をこうむることがありました。 そこで、プラントの安全性を考えるうえでは無視できない現象となり、この現象を明らかにする研究が1950年頃から はじまりました。
研究が始まった当初は、どのような要因で起こった爆発かはわからず、「Thermal Explosion(熱的な爆発)」と呼ばれて いました。そして、さまざまな研究者の手によって研究が行われ、冷たい水より発生した蒸気が関与して この爆発が生じていることが明らかとなり、この現象は「Vapor Explosion(蒸気爆発)」または 「Steam Explosion(水蒸気爆発)」と呼ばれるようになりました。 実際に蒸気爆発が起こった事例 年 場所 状況 高温の物質 低温の物質 1961 アメリカの原子炉 原子炉が暴走して燃料が熔け、冷却水と接触 酸化ウラン 水 1984 富山県のアルミニウム鋳造工場 溶解炉に雨水を含んだアルミニウムを入れる 熔融アルミニウム 水 1985 茨城県の鹿島コンビナートの
脱硫・脱酸素剤製造工場 約1300度の熔融マンガンが流出し、水と接触 熔融マンガン 水 1988 兵庫県の製鉄所 約1500度の鋳鉄が漏れ、水と接触 鋳鉄 水 1989 大阪府の製鉄所 高温熔融物に水がかかった。 ? 水 1990 山形県の廃品処理回収工場 火災消火中に熔けたアルミニウムと
放水した水が接触 熔融アルミニウム 水
溶融アルミニウムで水蒸気爆発が過去にも起こっていますね。フクイチの核燃料も溶けてしまっていますし、気になるところです・・・・
溶けた金属と水が接触したら爆発して危険だという認識が、普通の市民にはないかもしれません。
蒸気爆発のことなんて今までは知らないで生きてこれたから。
追記
北九州市 アルミ工場の火災鎮火 けが人なし 9月1日 18時06分 NHK 北九州
1日朝、北九州市にあるアルミニウムの製造と加工を行う工場の敷地内で爆発が起き、火災が発生しました。けがをした人はなく、火災は溶けたアルミの温度が下がるのを待っておよそ9時間後の午後3時すぎに消し止められました。 1日午前6時20分ごろ、北九州市若松区にあるアルミニウムの製造・加工会社、「新興アルマー工業」の第一工場で爆発が起き、火災が発生しました。 爆発が起きた当時、工場では6人の従業員が作業にあたっていましたが、全員が避難して、けがをした人はいませんでした。
火災は、溶けたアルミの温度が下がるのを待ち、発生からおよそ9時間たった午後3時20分すぎにようやく消し止められました。この火事で、工場の屋根や壁などおよそ400平方メートルが焼けました。
警察によりますと、作業員は、「突然、爆発した。アルミを溶かす窯の周りに水がたまっていた」と話しているということで、警察は、何らかの原因でアルミと水が触れて水蒸気爆発が起きたのではないかとみて詳しい状況を調べています。
NHKは「火は8時45分の時点でほぼ消えた」とニュースを更新し報じたあとに、 夕方18時に「火災は溶けたアルミの温度が下がるのを待っておよそ9時間後の午後3時すぎに消し止められました」と報じています。