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Channel: ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
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福島のヒラメにセシウム移行せずというニュースについて調べた。どうしてこんな実験をやって報道するのか?

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ヒラメの体内にセシウム移行せず 原発5キロ圏で実験

2015年12月22日 10時13分 福島民友

横浜市の水産総合研究センターは21日、東京電力福島第1原発の近海でヒラメの体内に放射性物質が移行するかどうかに関する実験の結果を公表した。原発から約5キロの海域で、放射性物質に汚染されていないヒラメをかごに入れて最長で3日間置いても、放射性セシウムが魚の体内に移行しないと結論づけた。

いわき市で21日に開かれた県漁連組合長会議で示された。実験は8月に行い、原発から北東、南東それぞれ約5キロの、水深約21メートルの海域で実施。体長約50センチの富山県産ヒラメ4匹を入れたカゴ4個を海底に設置し、12、24、36、72時間後と段階的に1個ずつのカゴを回収、放射性物質の濃度を測った。72時間後に回収したヒラメからは最大で1キロ当たり約0.3ベクレルのセシウムが検出された。

 

     


(管理人より) 福島のヒラメの実験に関して、ツイッターやブログ、2ちゃんねるでも話題になっているようですが、11/20にもNHKがおかしな報道をしてましたので合わせてみていきます。

11月のNHKは、「吸収ほとんどなし」というタイトルでセシウム以外のストロンチウムなどの核種についていっさい言わず、「ほとんど」「ごくわずかの」といった言葉で誤魔化す報道になっていました。曖昧な表現に終始。しかもニュース動画を見ると、検査する人が福島の海にシュノーケルで潜っていました。  

 

次に一ヶ月後の12月に、3日間の実験データで「セシウム移行せずと結論づけた」とまで言い切る福島民友新聞。

これが今回の実験データですが  平成26年度 東京電力福島第一原子力発電所事故 対応の調査研究における主要成果 平成27年3月 (独) 水産総合研究センター 

10、11、12P に出ています。 

 

 

資料を見ると、海底堆積物が450~650Bq/kgとあります。そのような海に実験のために水着とシュノーケルで入っていったということです。放射性物質は安全だと思っている人が研究をしているという証明でもあります。しかもこれらのデータにはセシウム137しか計測されていませんので、セシウム134と合算すると放射能濃度の値はもっと高くなると思われます。

放射性物質の生物濃縮は、食物連鎖で汚染された餌を食べ続けて起こるということは、誰でもわかります。

どの程度汚染された餌を、ヒラメがどこでどう食べるかわからないので、このような実験自体が意味がないと思われます。

そして実際に水揚げされたヒラメが、何年もので、原発事故時の汚染をしているかどうかなどわかりません。大きければより可能性は高いでしょう。稚魚が汚染されていなくても食べたものが汚染されているかもしれないわけですから。

それに汚染の程度が「ごくわずか」かどうかを、判断するのは消費者。

http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food/servlet/food.do?pageSID=590_FF85A60365550E2193FD9C9D6670BF5D   より

原発事故前のヒラメのセシウム137の濃度は 全国平均で 0.31Bq/kg、仮に実験後のヒラメが 2.5Bq/kgとしても 8.3倍です。

「ごくわずか」ではありません。

放射性核種は海の底に溜まります。底にいる魚の代表であるヒラメがまるで問題ないように、印象操作するのは、メディアが良心を失っているとしか私には思えません。

これは私の推測ですが、どうしても福島のヒラメを販売したいのだと思われます。特にお正月に、ヒラメのお造りなど大量に売りさばきたいわけです。

なので研究センターに、安心材料になる研究結果を提出させ、メディアをつかって報道し、消費者に安心感を与えたいという意図があるのではないかと思うのです。

今年のヒラメの放射能濃度を省庁のデータで調べてみました。NDとなっているものもありますが検出下限値の高さに驚きます。

厚生労働省 放射能検査 データ http://www.radioactivity-db.info/detail.aspx?no=1512077444

 

水産庁の最新エクセルデータから、ヒラメを抽出しました。 最高で 74 Bq/kg  

 

水産総合研究センターのHP   より ヒラメ  

 


ヒラメの漁獲量は東北が全国の20%。やはり20%が無駄になるわけですから、なんとしても売るためにこのような報道が出ているとしか思えません。

福島県沿岸でヒラメの稚児10万匹放流というNHKニュースが2012年に出ています。

「2年後の漁獲を期待」と言っているのです☟


そもそも体制側の「実験」というのは、体制側に都合のいいデータを導くためのものなのだという証拠でもあります。

10万匹も稚魚を放流したのですから、絶対にヒラメが売れなきゃまずいわけです。

公害事業をゴリ押しするときのアセスメントや、迷惑事業をゴリ押しするときの実証実験なども、今回の福島のヒラメ実験と似ています。

国策事業のお墨付きを与えるためにやっているということ。

有害物質が漏洩した時なども、検査をして毎度「問題なし」と報道されていますが、実際のところ、その検査や実験が正しく行われたかどうかの調査までは存在していません。

震災がれき試験焼却などもそうでした。



2013年のグリーンコープのデータでは、宮城産のヒラメでも出ています。

三陸産天然ひらめ刺身用 宮城県石巻港 宮城県牡鹿郡 2013/6/17水揚 セシウム合計 5.35 Bq/kg

三陸産天然ひらめ刺身用 宮城県石巻市 宮城県牡鹿郡 2013年3月初旬水揚 セシウム合計 4.37 Bq/kg 

 


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