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Channel: ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
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メガソーラーの銅製ケーブル窃盗事件。ハイテク技術と格差社会が新たな問題を引き起こすという視点

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太陽光パネルの下には銅製の送電ケーブルが設置されている=福岡県田川市の大規模太陽光発電所で

メガソーラー窃盗 銅製ケーブル被害多発 組織ぐるみか

毎日新聞2016年2月28日 09時30分

福岡県内で昨年1月以降、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の送電ケーブルが盗まれる事件が少なくとも16件あり、被害は計約2万2150メートル、約2580万円相当に上ることが各警察署への取材で分かった。4年前から飛躍的に急増したメガソーラーは、人目につきにくい場所に建設され、警備が手薄な施設が多いため狙われているとみられる。県警は重い銅製ケーブルを運び、特殊なルートで換金するグループが存在するとみて、窃盗容疑で捜査している。【宗岡敬介】 

 「重機のバッテリーも盗まれた。ケーブルは重く、1人で持つことはできないから複数犯なのだろう」

 昨年12月2日、ケーブル約700メートル(被害額約400万円)を盗まれた福岡県赤村のメガソーラーで、工事に携わる男性作業員が話す。

 県警などによると、このメガソーラーは3日後、施主に引き渡される予定だった。約2万平方メートルの施設の周囲を金網フェンスで囲んでいたが、東側が幅約50センチ、高さ約2メートルにわたり切断されていた。パネルから伸びる送電用ケーブルが切られてなくなっており、従業員の証言などから同12月1日夜〜2日朝被害に遭ったとみられる。

 関係者によると、送電ケーブルの重さは、通常100メートルで60〜70キロ。このため盗まれたケーブルの総重量は400キロを超えるとみられる。効率よく発電できるよう高台に設置されており、周囲に点在する民家からは死角になっている。防犯カメラはなく、警備員は常駐していなかった。

 毎日新聞が各警察署に取材したところ、赤村のケースも含め昨年1月16日〜今年1月4日、北九州市や朝倉市など県内10市町村で16件の盗難があり、被害は約2万2159メートル、総額約2587万9300円に及ぶ。

 県警幹部は、山間部や郊外など人目につきにくい場所にあり、敷地が広く、防犯態勢も手薄なため、狙われていると分析。「ケーブルのままで売りさばくのか、素材の銅線だけにして換金するのかは分からないが、グループによる組織的な犯行だろう」と話す。

 約120の企業・団体で組織する業界団体「日本電線工業会」(東京)によると、ケーブルはほぼ100%銅製。1トン当たりの銅の価格(年間平均値)は2003年ごろまで25万円前後だったが、中国のインフラ整備などで需要が高まり07年に約88万円に上昇。先月は約57万円で推移している。

「カメラ、センサーで防犯を」専門家

 建設中のメガソーラーを狙った被害は福岡県内にとどまらない。捜査関係者によると、熊本市では2014年8月、送電ケーブル約1万メートル、同9月にも約3000メートルが盗まれた。大分県内でも15年春、県警中津署と竹田署の管内でそれぞれ数百メートルが被害に遭った。滋賀県でも14年7月〜昨年3月、13件の盗難が発生し計約1万8000メートル、茨城県でも14年7月に約7600メートルが盗まれた。

 業界では防犯対策への関心が高まる。防犯設備の設計・施工を手がける「トーカイセキュリティ」(神戸市)によると、太陽光発電所の防犯相談は14年は月3件程度だったが、昨年は月約20件に急増した。浅井達司(たつじ)営業所長は「フェンスすらないメガソーラーもあるなど無防備な施設が多い」と指摘する。

 防犯設備などに詳しい明治大の山本俊哉教授(安全学)は「フェンスに防犯カメラを設置して『監視中』と書いた看板を掲げたり、侵入を感知して警備会社に自動的に通報するセンサーを設置したりするべきだ」と話す。約140の企業や団体で組織する業界団体「太陽光発電協会」(東京)は「事業者はコストとの兼ね合いも考えて対策を進めてほしい」と呼びかける。【柿崎誠、田畠広景、宗岡敬介】

 【ことば】メガソーラー

 出力が1メガワット(1000キロワット)以上の太陽光発電設備。2012年7月、太陽光などの再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が導入され急増した。認定施設数は、FIT導入時は81カ所だったが15年9月は約9898カ所(稼働数3412カ所)。 


(管理人より) 自然エネルギーという名前で見事にグリーンウオッシュされている太陽光発電ですが、実はクリーンでも何でもありません。

まず、「おひさまを電気にしたらいいのに !」といったアホみたいなお花畑のセリフを簡単に口にする市民がいますが、太陽光を電気にするのは膨大な金属を使うということをこの機会に知るべきだと思います。

アルミ缶は”電気の缶詰”と言われています。原料のボーキサイトからアルミニウムを精練するには大量の電力を消費するからです。

周辺設備も含めてソーラーパネルは何種類もの金属を組み合わせて作る工業製品、つまり”電気の塊”なのです。 

市川定夫先生の本に

「350mlの缶ビールのアルミ缶は重油1㍑分の電気を浪費して生産されています。つまりアルミ缶を作るのに要する電気は火力発電で実に1㍑もの重油を消費して発電されているのです。石油が足りないから原子力などと叫んでいる人たちが平気で缶ビールを飲んでいるのです」

という一文がありました。 そう考えると、いかにソーラーパネルが”電気の塊”であるかがわかると思います。

鉱物資源と火力の電気を浪費して作ったハイテク工業製品のソーラーパネルでも、実際には大きさの割にわずかな不安定な電気しか作れません。系統つまり送電網に入れたら迷惑な電気しか作れないのです。

そのあたりの話はこちらで☟

電力小売自由化問題(1)もれなくスマートメーターが付いてくる。自然エネの電気も全部混ざってしまう事実

市民に送配電の基礎知識がなければ騙される(2)「系統安定化」という言葉はタブー?電気は品質が命。

しかも製品製造に突っ込んだ以上の電気は作れないという不都合な事実はきっちり隠されています。

太陽光電池部分だけでなく、送電に必要となる銅製ケーブルの量を、ブログ冒頭の写真を見てください。泥棒が発生するレベルです。メガソーラーの周りには最近は有刺鉄線のついたフェンスが作られていますが、記事を見るとどうやら簡単に突破されていますね。

上の毎日の記事は、最後は「防犯対策をしよう」という話に誘導して終わっています。商業新聞の限界でしょうか。

日本の中でも、とくに九州は山の中にメガソーラーや野立てのソーラーが多く、泥棒して売りさばく闇のルートも存在するのでしょう。ケーブル泥棒しても換金できなければ意味がありませんから。

廃棄物のブラックマーケットは普通の市民にはわかりません。

素人が見ても、このような新品の太い銅ケーブルなら通常の電子廃棄物よりは、はるかに経済的な価値が高いとわかるレベル。新品ですから盗品で横流しにするのでしょう。

ケーブルの銅などが高く売れるということで、様々な電子廃棄物が貧しい国に運ばれて、環境汚染や周辺の人々の健康被害を引き起こしているということはこのブログでしつこく書いてきました。

新技術と格差社会が新たな問題(公害、盗難など)を引き起こすもっともわかりやすい例だと思います。

 

【参考】

インターネットのハブはケーブルの巣!サーバーは膨大な電力を消費する。スマホ1台で冷蔵庫と同じ電力使う 一斉に電子廃棄物のニュース。電子ゴミはパソコンだけではない。太陽光パネルも電子廃棄物。

 

電子廃棄物のケーブルの場合は、表面のプラスチックを野焼きで燃やして溶かし、川の近くで洗って銅線だけを取り出す作業の際に、土や水や空気を汚染し尽くすのです。

 

 

 

 

 

 

「きちんとしたリサイクル工場でやれば問題ない」という市民がそこらじゅうにいます。電子廃棄物問題をリサイクルのやり方の問題だけにすり替えようとする、ずるい企業の人間たち。

リサイクルもまた工業生産なので、最後には始末に負えない廃物が出てくるのです。労働者の有害物質の曝露もあります。

ハイテク工業製品の廃棄物リサイクルは格差社会、公害と直結しているということです。

リサイクルという美名で、産業廃棄物を換金する歪んだ社会。 土に還らないゴミをなくすという方向とは真逆。

「将来の技術の発達によって問題を解決できる」という技術万能主義はとっくに破綻しているのです。

テレビをボーっと見ていると、それに気づくことができないようになっています。

 

 


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