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海上の森メガソーラー問題(4)太陽光発電施設開発で埋蔵文化財をぶっ潰す

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発電施設開発で…室町時代の遺跡破壊

2016年3月14日 16:08  日本テレビ

愛知県瀬戸市の「海上の森」に隣接した土地に太陽光発電施設が設置されていた問題で、開発に伴い、室町時代の遺跡が壊されていたことが分かった。

愛知県・大村秀章知事「見る限り、確信犯みたいなところがある気がしまして、悪意を持ってやっている。悪質ではないかと」

壊されていたことが分かったのは、室町時代の「大平窯跡」。愛知県と瀬戸市がこれまでに行った調査で、窯の一部が削られ、露出しているのが確認されたほか、陶器の破片も見つかったという。

瀬戸市によると、この窯跡は文化財保護法に基づき、開発の際に届け出が必要だが、太陽光発電施設を設置した名古屋市の建設業者は、「全く知らなかった」として届け出を行っていなかった。

愛知県ではこの業者に対し、速やかに届け出を行うよう指示したほか、こうした事態になった経緯と再発防止策を提出するよう求めている。

 

太陽光施設、文化財も破壊 業者「手続き怠った」 愛知

朝日新聞デジタル 3月13日(日)1時11分配信

愛知万博のあった海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)に隣接する林が市の中止勧告に反して開発された際、室町期のものとみられる窯跡(かまあと)が壊されていた。一帯は文化財保護法上の「埋蔵文化財包蔵地」だが、開発に必要な県教育委員会への届け出もされていなかった。

名古屋市のフジ建設による林の伐採と太陽光発電施設の設置が2月に発覚した後、県と瀬戸市が立ち入り調査をしてわかった。窯跡は14世紀後半と推定される「大平(おおだいら)窯跡」。造成されたのり面から窯の壁らしき黒い焼け土が現れ、周りから陶器片も多く見つかったことで、損壊が確認された。

瀬戸で焼き物の大量生産が始まるころのこうした窯跡は、過去に出土した茶わんなどから付近に2カ所以上あるとみられ、県教委は一帯を埋蔵文化財包蔵地に登録。発電施設の敷地内にはほかに「大平縄文遺跡」の包蔵地もある。

フジ建設は瀬戸市に開発計画を2013年1月に提出。これらの包蔵地の掘削にあたり、市の内部協議では「調査が必要」と指摘が出た。市は同年7月に「環境万博の理念にふさわしくない」という理由で土地利用調整条例に基づき同社に中止勧告をしたが、包蔵地の説明はしなかった。

その後に県教委に無届けで開発され、気づかなかった市は埋蔵文化財の調査をできないまま大平窯跡が壊された。同社は「手続きを怠った」としており、県教委は違法な開発と判断。事後的な届け出と、開発で露出した大平窯跡などの現状調査を求める方針だ。

県の11日までの調査によるとフジ建設は所有地2・35ヘクタールを開発。森林法や砂防関連条例での知事の許可、土壌汚染対策法での届け出が義務づけられていたが、いずれもしていなかった。

「公開情報で確認するのは常識」

森林法、砂防関係条例、文化財保護法。太陽光施設設置のための海上の森(愛知県瀬戸市)隣接地の開発は様々な法令をないがしろにして進んだ。遺跡まで壊した業者と、手をこまぬく行政にいらだちの声が募る。

文化財保護法上、フジ建設が開発を県教育委員会に届け出るべきだった埋蔵文化財包蔵地は、瀬戸市役所の詳細遺跡地図で閲覧できる。開発に法令でどんな規制があるか、「業者が公開情報で確認するのは常識」と市の担当者は戸惑う。

同社はこう説明する。造成済みの自社所有地を拡張したので、法的な手続きがいるとは知らなかった。13年に瀬戸市と開発計画をやり取りした際は別の業者に委託し、法令関係は引き継がれなかった――。

こうした姿勢に、太陽光発電を手掛ける名古屋市の団体役員は「規制を知らないなんてありえない。業界がうさんくさく見られる」と憤る。海上の森の保全運動に関わる加藤徳太郎・元瀬戸市議(66)は、愛知県に強い対応を望む。「森林法や砂防法など法律の後ろ盾がある。砂防関係条例に、原状回復を命ずることができる、ともある」

だが、県は「法令違反は明らか」(大村秀章知事)としつつ、立ち入り調査で指摘した土砂流出防止などでの不備が改善されれば、開発は事後的に認める構え。私有地の開発規制には限界があるとの立場からだ。

遺跡が壊された今回の無届け開発でも同様だ。県教委は「埋蔵文化財はガラクタではない。地域の貴重な証人だ」と批判するが、罰則はない。フジ建設は「行政の指導を受け事後に開発を届けることになるはずだ」としている。

太陽光発電施設の建設に伴う森林伐採や景観破壊は岐阜県や山梨県でも問題になっている。加藤さんは「このままだと乱開発が横行する」と危ぶむ。(伊藤智章、百合草健二、増田勇介)

壊された大平窯跡と同じ形状で、約3キロ北東にある国指定史跡の小長曽(こながそ)陶器窯跡。斜面に穴が掘り抜かれ、黒く焼けた所(中央)が窯跡にあたる=瀬戸市文化振興財団提供

 

海上の森隣の発電施設「違法状態」 愛知県が是正措置へ
朝日新聞デジタル 3月12日(土)3時6分配信

愛知県瀬戸市の海上(かいしょ)の森の隣で無許可伐採により太陽光発電施設が設置された問題で、県は11日に現地調査を行い、開発面積が2・35ヘクタールに上ることを確認した。許可や届け出が必要な面積を大幅に上回る違法状態で、沈砂池や排水施設の設置などの是正措置を求める。

 施設を造ったフジ建設(名古屋市)が提出した図面をもとに確認。知事に対し、砂防関連条例(0・1ヘクタール超)での許可や土壌汚染対策法(0・3ヘクタール以上)での届け出が必要だった。また、地域森林計画対象民有林1・96ヘクタールが含まれ、森林法(1ヘクタール超)での許可も必要だったが、同社はどれにも対応していなかった。

 同社は所有地での今回の開発について「資材置き場として使用していた箇所への設置なら法的に問題ないと考えたが、諸手続きについて入念な調査を行うべきだった」と2月下旬にコメントしている。

 

(管理人より) 原発関連施設などの公害事業の予定地にこういった遺跡があることは、割とあるようです。上関原発予定地にもありました。

企業は 金>文化財 の価値観ですから、いくらでもぶっ潰すことでしょう。

朝日新聞の記事に「業界がうさんくさく見られる」という太陽光発電推進団体の声を載せていますが、「見られる」のではなく、業界自体がうさんくさいのですから、そのままということです。

こういう提灯的な一文を盛り込んでいる点で、商業新聞の限界を感じます。

業者を放置していた、市や県の行政も責任があると思います。

「不備が改善されれば、開発は事後的に認める構え。私有地の開発規制には限界があるとの立場」 だなんて、常総市のメガソーラー再設置と同じです。

私有地ならなにしてもいいのかということです。国策なので、もうやりたい放題です。

こういう悪い例を作ってしまっていますから、これからも乱開発は進むでしょう。

 

参考

海上の森メガソーラー問題(3)のり面が崩れれば土砂がのり面の下を流れる沢を通じ海上の森へ流出する恐れ

海上の森メガソーラー問題(2)開発を見過ごした県の無責任。業者は「産廃施設よりまし」の論理で造り得

海上の森に隣接する1万㎡の木を伐採し太陽光パネル4592枚設置。メガソーラー業者、中止勧告を無視


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