2016.3.29 07:06 産経ニュース
東京電力新潟本社の木村公一代表は28日、福島第1原発事故の影響で発生した放射性物質を含む汚泥のうち濃度の低いものを引き取る考えを県に伝えた。県は全ての汚泥を引き取り、集中管理するよう引き続き求める構えだ。
汚泥の保管量は2月時点で計約7万5千トン。福島事故で飛散した放射性セシウムが阿賀野川上流の山肌などに付着し、雨に流されて県内の工業用水の浄水場などに蓄積した汚泥を県や市町村、水道企業団が保管している。県は平成24年12月から10回にわたり、東電に引き取りを要請してきた。
放射性物質に汚染された廃棄物は、国の基準では1キロ当たりの濃度が100ベクレル未満なら再利用できる。木村代表は「100ベクレル未満の汚泥を引き取り、再利用も視野に最大限対処したい」と回答した。道路の路盤材などに約4万7000トンの再利用が可能としている。
県放射能対策課の涌井正之課長は「保管中の仮置き場の周辺住民は不安を抱えている。いつまでに引き取るかを具体的に明らかにしてほしい」としている。
東京電力が放射性物質含む汚泥の引き取りへ (新潟県)
福島第一原発の事故のあと、県内で放射性物質を含む汚泥がたまり続けている問題で、東京電力は県に対し、汚泥を引き取る意向を示した。一方で、「汚泥を引き取るには課題が山積している」として、具体的な引き取りの時期などについては明言しなかった。
県内では、福島第一原発事故のあと、放射性物質を含む汚泥が浄水場などにたまり続けている。泉田知事は、国が再利用を認める低い濃度であっても、汚泥は各自治体が処分するのではなく、原発を管理する東京電力が引き取るべきだと主張してきた。
こうした中、東京電力は28日、県に対して、「汚泥は再利用できるレベルで、当社で道路の舗装材などで処理できる」と回答し、引き取る意向を初めて示した。一方で、「汚泥の保管場所や具体的な再利用方法など、課題は山積している」として、引き取りの具体的な時期や方法などについては明言しなかった。
県が一時保管している汚泥は現在、およそ4万7000トンにのぼっていて、東京電力は今後、再処理や引き取り方法について検討を重ねていくという。
[ 3/28 20:25 テレビ新潟]
東電が放射性物質含む汚泥の引き取りを県に説明
UX新潟テレビ21 2016.03.28
ニュース動画文字起こし
東京電力は県に対し、今日回答書を提出しました。県内には放射性物質を含んだ汚泥が7万7000トン保管されています。
県はこのうち国が処理しない8000ベクレル/kg以下のものについて引取りを求めてきました。
回答書によりますと、県が保管する汚泥を東電が独自に測定したところ、ほとんどが30ベクレル/kg程度で、再利用が可能とされる100ベクレル/kgを下回っていて、これらの引き取りと路盤材やセメント材としての再利用を検討するとしています。
「クリアランスレベル以下のものにつきましては、流通が可能であるということでございますので、その方向で関係箇所がご理解をたまわれるよう動いておるところでございます。」
これに対し、県は「東電が責任を持つという意思表示」と捉える一方で、今後も100ベクレル/kg以上汚泥の引取りも含めた具体的な内容の提示を待つ考えです。
新潟県のHP
東京電力に対して放射性物質を含む汚泥等の引取りを要請しました。2016/3/17
東京電力(株)から県の放射性物質を含む汚泥の引取り要請に対する回答がありました。 2016/3/28
(管理人より) 新潟県だけが東電に放射性物質を含む汚泥をひきとってもらえるなんて驚きました。なぜでしょうか?
それまで東電は、原発事故で漏れ出た放射性物質は無主物だと主張していたくせに、なんともおかしな話です。
福島原発事故で東日本にばらまかれた膨大な放射性物質。その処理について、この5年どの県でもすったもんだしているわけです。
震災がれきは放射性物質をかぶって汚染され、その広域処理が大問題となりました。(新潟県は、泉田知事が当初がれき受け入れに反対しているようでしたが結局最後は自治体まかせになりました。)
そして東日本各県の8000ベクレル/kg超の焼却灰や浄水土、下水汚泥などの指定廃棄物。どの県でも最終処分場や保管場所で大揉めに揉めて、もうどうしようもないことになってしまい時間ばかりが経過しています。
5県(宮城県・茨城県・栃木県・群馬県・千葉県)における取組みところが指定廃棄物サイトには、5県(宮城県・茨城県・栃木県・群馬県・千葉県)と岩手県しか取り組みのまとめが出ていません。
新潟県にも放射性物質は降ったのになぜかここには入っていません。それは廃棄物の量がこの5県よりは少ないからでしょうか?廃棄物の内容としては「浄水土」(上水、工水)にあたりますので指定廃棄物です。
上記事にこう書いてあります。
●福島事故で飛散した放射性セシウムが阿賀野川上流の山肌などに付着し、雨に流されて県内の工業用水の浄水場などに蓄積した汚泥を県や市町村、水道企業団が保管している。
●(新潟)県内では、福島第一原発事故のあと、放射性物質を含む汚泥が浄水場などにたまり続けている。
県内には放射性物質を含んだ汚泥が7万7000トンあり、「100ベクレル/kg以下の汚泥4万7000トンの再利用が可能」と書いてありますので
100ベクレル/kg以下の汚泥が4万7000トンだとすると、残りの3万トンは どの程度の放射能汚染があるのでしょうか?
一方、環境省の指定廃棄物の処理サイトを見ると
指定廃棄物の数量(平成27年12月31日時点)
この表には新潟県も出ていますが、上水の浄水土しか出ていないようです。約1000トンが8000ベクレル/kg超の指定廃棄物となっています。
新潟県のHPを見てみます。
浄水場汚泥に関する情報 に原発事故後の経緯が並べられています。
事故直後のリンクより 青文字抜粋転載
・新潟市が6月1日に、浄水場の汚泥を検査したところ19,377ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されました。
・県が確認のため6月2日に、上記浄水場の汚泥を検査したところ、検体により21,000ベクレル/kg、33,000ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されました。
・その後、新潟市が6月6日に、上記浄水場の汚泥について2回目の検査をしたところ45,544ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されました。
十分、高濃度の指定廃棄物が溜まっています!
浄水場汚泥の放射性物質検査結果及び浄水場の立入調査結果について
ということは計算上は 8000ベクレル/kg超の指定廃棄物、約2万~4.5万ベクレル/kgの浄水土(上水)を含む1000トンが新潟県に保管されているということになりますね。
100ベクレル以下/kgの浄水土=放射性汚泥を東電に引き渡しても、これだけ高濃度の放射性汚泥が、まだ新潟県内に残っているということです。
しかも、100ベクレル以下/kgの放射性汚泥は東電が路盤材やセメント材にすると言っているので、結局は、環境中に放射性物質を薄めてばらまくことに同意したことと同じなんです。
県は「全ての汚泥を引き取り、集中管理するよう」要請しても、東電がそうすると言ってない以上は、再利用されて拡散されてしまいます。
あたかも、4万7000トンの放射性汚泥を東電に引き取らせて厄介払いをしたように見えますが、東電に集中管理として保管させたわけではないので、「責任を東電にとらせた」とは言い難いと私は思います。
むしろ責任のなすりあいで、放射性汚泥を薄めて使ってしまおうというふうに見えます。東電が独自に測定して30ベクレル/kgというのも怪しいとしか言いようがありません。
市民に「東電に引き取らせました!」とテレビで報道させてアピールしています。
100ベクレル/kg~8000ベクレル/kg、8000ベクレル/kg超の指定廃棄物も、合わせてまだ3万トンも県内にあるというのに・・・・
このような怪しげな適当な取引で、柏崎刈羽原発の再稼働をされてはたまらないと思います。
新潟県HP 汚泥に含まれる 放射性物質の調査結果について を見ると、最新のものでも放射性セシウムは検出され続けています。
放射性物質は集中管理が原則なので、私は放射性廃棄物は福島第一原発の東電の敷地内で再利用せず保管するべきという考えです。
しかし、どの県もNIMBYが極まって、県内の最終処分場すら決まらない状態です。結局、減衰を待って、いろんなものと薄めて再拡散していくようなことにされてしまうのではないかと暗澹たる気持ちです。
ほんとうは福島県の東電の敷地内に無人エリアを確保し指定廃棄物の集中管理保管施設を造るべきなのです。
放射性物質はこんなに、遠くまで運ばれてばらまかれたのですから。新潟の山奥にも流れていますから、高濃度の放射性汚泥が出て当然なんです。