1月6日 大分合同新聞
大分市西ノ洲の新日鉄住金大分製鉄所の火災は発生から22時間が経過した6日午前0時現在、市消防局による消火活動が続いている。施設内に立ち込めた煙や熱気が放水作業を妨げた他、施設地下の配線に燃え広がったことで消火活動は難航。同製鉄所、市消防局は、地下に工業用水を流し込んで消火する方針を固め、配管工事を始めた。
大分中央署、市消防局などによると、5日午前2時ごろ、同製鉄所内の厚板工場から出火。電気を制御する機械が多数、設置されている主電気室(約900平方メートル)が燃え、厚板工場の運転を停止した。室外への延焼、けが人は確認されていない。
火災発生後、主電気室の中は50センチ先を見通すのも困難なほど、煙が立ち込めていたという。煙と熱気で室内に入ることができず、離れた場所から放水したものの室内まで届かなかった。
5日午前中は、延焼を防ぐため霧状の水を工場に噴射する冷却作業に当たった。午後、同室の外壁上部に重機で穴を開けて排煙を促した。排煙作業を終え、午後5時ごろから室内に入り放水を始めた。
主電気室は鉄骨で地上2階、地下1階。地上部分は消防車で対応したが地下部分への放水が難しく、工業用水を使い水没させることを決めた。6日午前5時までに配管工事を終え、地下に水を流し込む方針。
同製鉄所によると、約3カ月周期で主電気室を点検している。最後に点検した昨年10月6日に異常は確認されなかった。
新日鉄住金によると、大分製鉄所の出荷量(2016年)は893万7千トン。主に船舶用の厚板は、そのうち212万2千トン(24%)を占める。被害状況が把握できないため、厚板工場の復旧見通しは不明。薄板工場など他の製造工程は操業を継続している。
消火後、同署、市消防局は実況見分をして出火原因を調べる。
「迷惑かけ深くおわび」
大分製鉄所は「近隣住民の皆さまをはじめ、関係各位にご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」とコメントを出した。
漂う異臭、住民戸惑い
大分製鉄所や市は、周辺住民への安全対策に追われた。同製鉄所は広報車を走らせ、火災が発生し消火中であることや、立ち上る煙が有害なものでないことなどを放送。市環境対策課には、同市の日岡や高城の住民から「プラスチックが焦げたような臭いがする」といった問い合わせが10件以上あったという。同課によると、周辺地域で空気中の有毒物質は検知されていない。
同市仲西町の会社員男性(44)は「こんなに黒くて大量の煙が上がっているのは初めて見た」と戸惑った様子。
同市日岡の無職女性(65)は「風向きによっては、自宅に煙がくるかもしれない。窓を開けないようにしなければ」と話した。
(管理人より) また新日鉄の火災です。
2014年 9/3の新日鉄住金名古屋製鉄所の爆発火災事故に関する当ブログ記事が、goo管理者によって公開停止になったことがありました。
新日鉄住金名古屋製鉄所 コークス炉が爆発炎上、黒煙。石炭を燃やすところは危険だということ。
今回は大分製鉄所。煙を出して周辺に迷惑をかけている企業が広報車を走らせて「煙は有害ではない」と放送して回り、行政が有毒物質は検知されていないと言い、 企業と行政がいっしょになって危険性を否定しています。
煙が有害ではないと言い切れないのではないでしょうか?
PM2.5を見てみました。http://www.pref.oita.jp/soshiki/13350/particulate25.html より
出火場所の厚板工場に近い測定局の2箇所で環境基準の35μg/m3を超えています。☟
問い合わせの電話がかかってきてもおかしくありません。
環境基準
1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ1日平均値が35μg/m3以下
・PM2.5は粒径が小さく、呼吸器の奥深くまで入り込みやすいことなどから、人の健康への悪影響が心配されており、平成21年9月に大気中の環境基準が定められています。
・環境基準は行政上の目標であり、環境基準を超過したからといって直ちに健康に影響がでるものではありません。
直ちに影響が出ないということは、後から影響が出るかも知れないということです。晩発性の病気になる可能性があるということ。こういった言い回しは実に欺瞞的です。
こんなに煙が周辺に撒き散らされているのに。
配線が焼けたせいで、「プラスチックが焦げた匂い」がしたのではないでしょうか?
大分製鉄所では2014年12月にも、構内の高濃度酸素を作る施設で爆発が発生しています。☟
大分製鉄所では労災死亡事故もこんなに☟
2/16 新日鉄住金大分製鉄所 約7mから転落死亡
2/12 新日鉄住金大分製鉄所 溶けた金属を浴び死亡
1/9 新日鉄住金大分製鉄所 約10mから転落死亡