【柳谷政人】土庄町・豊島に不法投棄された大量の産業廃棄物の処理で、県は23日、産廃の下から掘り出した汚染土壌650トンを船に積み、福岡県苅田町(かんだまち)の三菱マテリアル九州工場に向けて運び出した。工場で粘土などと混ぜて高温で焼いて無害化し、セメントの原料にする。豊島の汚染物を香川県外で処理するのは初めてで、2016年度までに計約7万トンを運び出す。
県は産廃を隣の直島に運んで県の溶融炉で処理している。産廃下から見つかった有害物質を含む土壌については、民間業者に水洗浄処理を委託することにし、11年7月に大津市の業者を選んだ。しかし、環境汚染や風評被害を懸念する大津市民らの反対を受け、昨年5月に断念。処理方法を変えて今年2月に同工場と随意契約を結んでいた。
この日は早朝から、輸送船のそばまでダンプで汚染土壌を運び、船のクレーンで積み込んでいった。船は午後3時過ぎに島を出発し、苅田町の工場には25日朝に到着する予定。
土壌搬出を見守った廃棄物対策豊島住民会議の浜中幸三議長は「受け入れ先の企業や地元住民に感謝したい。公害調停で決めた16年度の撤去期限に向け、順調に処理が進んでほしい」と話した。工代祐司・県環境森林部長は「引き続き緊張感を持って事業を進めたい」と述べた。
香川県豊島の産廃問題 汚染土壌、セメントの原料に 苅田の三菱マテリアルで焼却
毎日新聞 2013年02月06日 地方版
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20130206ddlk40040425000c.html
瀬戸内海の香川県・豊島(てしま)(土圧町)に不法投棄された産業廃棄物による汚染土壌が、3月末から苅田町の三菱マテリアル九州工場に運び込まれ、セメントの原料とされることが決まった。香川県知事が1月末に発表したが、苅田町では町民に対してこれまで公表していない。環境への影響などについて、5日に開かれた町議会厚生文教委員会での質疑などを通して探った。【山本紀子】
豊島の土は、80年代に不法投棄された重金属で汚染され、香川県が処理法を探っていた。滋賀県内での水洗浄処理が地元の反対にあい、汚染土を焼いて無害化しセメントの原料にする方法を選択。この手法は10年の土壌汚染対策法の改正で認められた処理方法だ。
セメント化が可能な工場は全国に16カ所あるが、なぜ苅田町なのか。香川県廃棄物対策課は「瀬戸内海沿岸にあって運搬がしやすい。またアルカリ度の高い豊島の土を処理するには、かなり大きな工場をもつ三菱マテリアルが適している」と説明する。
苅田町環境保全課によると、汚染土壌に水銀は含まれず、PCBとダイオキシンは基準以下という。だが鉛とヒ素については、土壌溶出量(水に溶け出る量)が国の環境基準の1リットルあたり0・01ミリグラムを超えている。汚染の最大値については「鉛で12倍、ヒ素で3・4倍」と町は委員会で説明した。
汚染土壌10万トンのうちセメント化に適した7万トンが苅田町内で処理される。今月中に香川県と三菱マテリアルが随意契約を結び、3月25日には最初の650トンが苅田港に到着する予定だ。その後、石灰石などと混ぜて加熱処理し無害化する。
受け入れまでの経過が町民に説明されていないことについて、厚生文教委員会では「住民の安全安心を守るために早急に説明を」(木原洋征委員長)といった声が相次いだ。これに対して大群(おおむれ)拓也副町長は地元の区長に経緯を説明するとした。
また、三菱マテリアルと環境保全協定を結んでいることから「問題が起きれば指摘していく」と強調。大気汚染については町が現在、月に1度、町内12カ所で降下ばいじんを計測しており、町環境保全課は「(処理前後を比べ)、汚染がないかどうか見極めたい」としている。〔京築版〕
北九州市の震災がれき焼却が3月で終わっても、今度は香川県の汚染土壌を、船でわざわざ福岡県京都郡苅田町まで運んで苅田三菱マテリアルで焼却しようとしています。山口県の皆さんはご存知でしょうか?当の苅田町住民も知らせてないのに、対岸の宇部市にお知らせがあるはずもないのですが、驚きました。
追記 2013/2/6の時点では苅田町民には知らされてなかったようですが、地元説明会を2/13に香川県の担当者が来て開いています。
滋賀県大津市が受け入れ拒否した汚染土壌です。以下をご覧下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/hata_akio_bag/2517405.html
畑明郎先生のブログ (日本環境学会前会長・元大阪市立大学大学院教授)をどうか見てください。
動画ニュースもう一つ
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00242736.html より
「 日本最大規模の産業廃棄物が不法投棄された香川・豊島(てしま)で、産廃により汚染された土壌を福岡県で処理するための搬出作業が、23日から始まった。」って (ToT)
苅田町と対岸宇部市の直線距離は29.368 km。障害物はありません。
新門司工場と大して変わりのない距離です。北九州市の震災がれき焼却が終わっても、対岸の民間企業でこんな汚染土壌が燃やされるなんて残念でなりません。放射性物質に限らず、汚染は拡散してはならないはずです。もはやなし崩しで産廃が運び込まれています。
「瀬戸内海沿岸にあって運搬がしやすい。かなり大きな工場をもつ三菱マテリアルが適している」という考え方がある限り、今後もっと危険な焼却灰や汚染土壌が持ち込まれる可能性もあると思います。
「薄めれば大丈夫だ、空と海はゴミ箱」と考えてるんでしょうね。大体リサイクルというのは産廃や汚染物に当てはめてはいけないはずです。 なのに多摩地域では日の出セメントがゴミ焼却灰など利用しています。日常的に化学物質のダストが環境中に放出されていると思われます。http://www.geocities.jp/eco_cement/slide.html
http://www011.upp.so-net.ne.jp/tamaaji/mechanism.html より
「風速数10センチで灰は舞いあがります。したがって私たちが感ずることが出来ない微風(風速1メートル)が吹けば大部分の灰は舞いあがり長い浮遊を始めることになります 。」と書いてあり、煙突から出た場合どのくらい飛ぶのかわかりませんが、調べていきたいと思います。
セメントキルン ロータリーキルン
三菱マテリアル http://www.mmc.co.jp/env/04/02-c.html
排ガスの測定結果等 http://www.mmc.co.jp/env/04/pdf/haigasu_kanda1k2012.pdf より