12/21 金曜ウオークは3週連続雨天で、新天町コースでしたが、参加者10人、その後の上里さん(上関原発計画の根っこを考える会)をお招きしての市民研究会には20人が参加しました。今回の市民研究会用に100枚を超えるパワーポイントのスライドを厳選しお話しいただきました。
冒頭に情報公開請求して出てきた上関原発の計画図面は、以前に請求した図面と違い、名称などに黒く線が引かれた「黒ぬりの計画図」だったことを見せていただきました。驚きました。
核を社会に持ち込む時には「情報隠しが必ず伴う」。この「黒ぬりの計画図」は、今後国が「情報を隠蔽していく」ということを表している。これは「戦争」に持ちこみやすい。と上里さん。
革新的エネルギー環境戦略では「新設・増設は行わない」ということになっているが、上関を「新設」としないということになったら、いつでも作られてしまう。上関原発に関して民主党は「新設」、自民党は上関は着工してるので「新設」ではないとしている。自民党政権下では「新設でも安全なら作る」ということにもなりかねない、というお話を聞いて、「上関はもう大丈夫やろ」などという根拠のない楽観論がいかに間違っているかということを痛感しました。先日の選挙結果を踏まえると、にわかに現実味を帯びてきます。
その後、『核の海の証言』ビキニ事件は終わらない(山下正寿)という本の紹介で、典型的な被爆者の切り捨てが行われてきたことを教えていただきました。先週の市民研究会「核と原発の歴史」でも太平洋核実験の紹介がありましたので、関連の本を読もうと思います。
原発の中で行われる核分裂のしくみについて、たくさんの資料をもとに説明され、原発に『毒物変換装置』『猛毒製造所』という名前をつけておられました。私が印象に残ったのは、「放射性物質がどんなに薄められたとしても、不安定な元素が危険な放射線を出して安定していく現象は、『この世の現象ではない』」というお話でした。
原発は「すごいエネルギーを持つ最先端の科学」という宣伝が何十年にもわたってなされ、私たちはまんまと騙されてきたわけですが、「今でも原発の問題はエネルギー問題に誘導されすぎている」と上里さんがおっしゃるように、原発は人々の暮らしと相容れないものという根本を、もう一度認識する機会となりました。
上関原発建設にあたり、県は生物調査や、地盤調査をしたことになってはいるが、情報公開請求すると、肝心の沿岸部の生物調査が欠落していたことや、地盤のボーリング調査にもごまかしがあったということを、証拠資料を出しながら説明していただきました。
この学習会を通じて、私が何より感動したのは、市民の力です。市民科学者として学習し、調査することで、専門家でなくても行政の間違いを追求できる。市民の目線は何より大事だと思いました。参加者の質問や意見も活発に出されました。
選挙は残念な結果に終わりましたが、凹まず、脱原発金曜ウオーク@宇部+市民研究会は続きます。(来週と再来週は市民研究会はお休み。ウオークはやります)初めての方もご参加ください。
いのち・未来うべ代表 安藤さんのブログ ⇒政権交代の実践的な結論に備えよう、上関原発計画、新設見直し
参加者 感想
●上里さんが、「原発問題はエネルギー問題以上に、ゴミ問題がとても深刻です。」と言われたのが、改めて印象的でした。安藤さんがいつも言われている「原発はトイレのないマンション」ということと同じ意味ですね。どこにも持って行きようがない多量の危険な廃棄物を、これから国はどうするつもりなんでしょうね?そのことを考えると、これ以上、再稼働をしてはいけないし、新設などもっての外だと思います。今でさえ、子供たち、未来の子供たちに、危険なゴミの管理をお願いしなければいけないのに、これ以上増やすな!、という観点からも脱原発運動を続けて行きたいと思います!!
●今日、NHKラジオで双葉町の苦悩を取り上げていました。コメンテーター(木村真三さん)は「原発をつくる過程の10年間を含め、30〜40年間、地元は経済的な恩恵や活況を受けてきた。ならば、中間貯蔵施設という負の遺産も受け入れざるを得ない」的なことを言っていました。(言い回しは正確ではありません)このように、いざとなったら住民や故郷は切り棄てられるんだということを、もっと原発立地の町や上関町の住民に伝えなければいけないように思います。 また、祝島島民の非暴力の座り込みによる抵抗を「妨害予備罪」として罪をなすりつけた最高裁第一小法廷の判事たちが、このたび国民審査でも罷免されるには至りませんでした。 三権、そして第四の権力であるメディアには、安倍さんの墓参なんて報道している暇があったら、本当に大事なことをきちんと伝えてほしいです。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012122100905 より
http://mainichi.jp/select/news/20121222k0000m010073000c.html より
市民研究会を開催した同じ日に出されたニュースです。原発推進派は息を吹き返しました。
現在、日本には54基の原発がありますが、
全国で原発立地計画を阻止、拒否し続けている地域がこんなにたくさんあるということはあまり知られていません。
「原発のないふるさと」を願う市民の頑張りによって、原発立地計画は阻止されてきました。この頑張りがなければ日本列島に今頃100基ぐらいの原発が作られていたかもしれません。「原発のないふるさと」を願い、核のゴミ、廃棄物を残さない社会に変えていくことは今生きている大人の責任です。
地震列島日本で原発事故は必ず起きる。自治体が断念するまで粘り強くがんばりましょう。※図は「原子力発電は温暖化防止の切り札ではない」という小出裕章さんの監修パンフレットより
原発を止めた人たち 清水敏保(上関原発を建てさせない祝島島民の会)
2012/12/15脱原発世界会議2