先日、岩波書店から刊行されたヤブロコフ博士の『チェルノブイリ被害の全貌』ですが、日本中でどのくらいの数の図書館に入ったのか、数を調べてみようと思いました。
日本は福島第一原発の事故によりチェルノブイリと同じ、レベル7の放射能汚染国になったわけですから、いま日本に住む人がチェルノブイリのことを知らないで済むはずがありません。
図書館検索サイトのカーリルもありますが、県内横断検索ができませんので県単位で一つ一つ横断検索かけていきました。
まずは、カーリルの地図から、赤枠はネットで調べたところ。8/6現在出てくるもののみ。
★北海道 http://www2.library.pref.hokkaido.jp/wo/crs/crs
7箇所 ⇒北海道立 札幌市中央 江別市情報 石狩市民 室蘭・登別・伊達 函館市中央 帯広市
★青森県 https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/opac/CrossServlet
1箇所のみ!⇒青森県立
★岩手県 http://www.library.pref.iwate.jp/iliswing/network/page/We_kensaku/oudan_index.html
3箇所⇒ 岩手県立図書館 盛岡市立図書館・盛岡市都南図書館・盛岡市渋民図書館 岩手大学
★秋田県 http://mets2.elib.gprime.jp/search_pref_akita/basic_table.php
2箇所のみ!⇒秋田県立 秋田大学附属
★宮城県 http://www.library.pref.miyagi.jp/wo/crs/crs?mode=init&otype=local&dlang=jpn
★山形県 http://www.lib.pref.yamagata.jp/crosssearch/index.html
5箇所⇒山形県立図書館 上山市立図書館 鶴岡市立図書館 山形大学 農学部図書館
★福島県 http://www.lib.fukushima-u.ac.jp/hybrid/mutual.html
福島第一原発事故の際、 東京電力によって大量の放射性降下物が東日本にばら撒かれたことは動かしようのない事実です。『チェルノブイリ被害の全貌』という本が東日本の図書館全てに何冊も置かれてなければならないと私は思います。
環境省が汚染を認めて、汚染所状況重点調査地域というものを指定しています。「汚染状況重点調査地域」とは、放射性物質汚染対処特措法に基づき、1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上の地域について重点的に調査測定が必要な地域として指定されている地域です。
100歩譲って、この地域がある都道府県の図書館には、『チェルノブイリ被害の全貌』がなければおかしい。
ただ置くだけでなく、読むことをすすめる常設コーナーが設置されていなければならないはずです。汚染状況重点調査地域の保健センターや、各種学校、保健室、幼稚園になければならないはずです。
それなのに東北全体でたったの15冊!
東北住民に知らせないようにしてるとしか思えない少なさ。住民も事実を知ろうとする人が少ないのかもしれません。これでは日本=レベル7の認識になるはずがありません。無知なままだと体調不良が出ても引っ越そうという発想にならない。結果的に東北地方に閉じ込められてしまうのではないかと私は思いました。
汚染状況重点調査地域には何故か入っていませんが土壌汚染を見るとチェルノブイリに匹敵する関東の図書館も調べてみます。図書館の数は最も多いです。いわゆるホットスポット地域の図書館にちゃんと置いてあるのでしょうか?
★茨城県 http://mets.elib.gprime.jp/libmeta_ibaraki/
9箇所⇒日立市立図書館 東海村立図書館 つくば市立中央 取手市 土浦市 守谷中央 牛久市 龍ケ崎市 ゆうき図書館
★栃木県 http://kensaku.tochilib-unet.ocn.ne.jp/cgi-bin/ilisod/odplus.sh
★群馬県 http://www.library.pref.gunma.jp/index.php?page_id=13
★埼玉県 http://cross.lib.pref.saitama.jp/
20箇所⇒埼玉県立 加須市 春日部市 越谷市 宮代町 白岡市 杉戸町 所沢市 入間市 ふじみ野市 鶴ヶ島市 日高市 三芳町 東松山市 嵐山町 さいたま市 草加市 朝霞市 桶川市 北本市
★千葉県 http://mets2.elib.gprime.jp/search_pref_chiba/basic_table.php
13箇所⇒千葉県立 習志野市 八千代市 佐倉市 四街道市 市川市 船橋市 浦安市 松戸市 柏市 流山市 我孫子市民 白井市
★東京都 http://ufinity51.jp.fujitsu.com/cass/usrshe.do?tenantId=metro
37箇所⇒東京都立図書館
足立区 荒川区 江戸川区 大田区 葛飾区(2) 北区 江東区 品川区 渋谷区 杉並区 墨田区 世田谷区 中央区 千代田区 豊島区 中野区 練馬区 文京区 港区 目黒区 青梅市 国立市 国分寺市 小平市 多摩市 調布市 西東京市 八王子市
羽村市 東村山市 東大和市 日野市 府中市 町田市 三鷹市(2) 武蔵村山市
★神奈川県 http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/opac/CrossServlet
12箇所⇒県立 相模原市 大和市 横須賀市 厚木市 大磯町 茅ケ崎 二宮町 平塚市 藤沢市 横浜市 川崎市
図書館によっては、ちょうどいま注文中という図書館もあるかもしれませんが、発売されてからかなり経つのにまだ蔵書としておかれていない図書館が多いことに驚くばかり。「読む権利」=知る権利は基本的人権の一つです。図書館は市民サービスとして、リクエストされた本を提供する義務があります。
ブログ読者様、自分が読むために『チェルノブイリ被害の全貌』リクエスト運動、引き続きよろしくお願いいたします。
市立図書館や町立図書館などの小さな図書館で、一度断られても、複数人が一度にリクエストすれば、購入する可能性があるようですので、どうか諦めずに「自分が読みたい」とリクエストをお願いします。
図書館にあればいつでも借りて読めますし、たまたま検索した人が、『チェルノブイリ被害の全貌』にたどり着くこともあるかもしれません。
5000円以上する本ですから、図書館にあれば、実際に自分が購入する前に、試し読みも可能です。
岩波書店の本は、通常の書店には買取扱いですので、あまり置きたがらないようです。
リクエスト運動にご協力お願いいたします。(出版社や書店の関係者ではありません)
リクエスト運動していただいた方、コメント欄からどの図書館かお知らせいただけたら嬉しいです。
日本中に読みたい人が増え、すべての図書館にこの本がおかれる様になればと思っています。
調査報告 チェルノブイリ被害の全貌 ヤブロコフ 岩波書店 目次 日本語版序:いま本書が邦訳出版されることの意味(崎山比早子) まえがき/はじめに/序論 チェルノブイリについての厄介な真実 第1部 チェルノブイリの汚染――概観 第1章 時間軸と空間軸を通して見たチェルノブイリの汚染 第2部 チェルノブイリ大惨事による人びとの健康への影響 第2章 チェルノブイリ事故による住民の健康への影響 第3章 チェルノブイリ大惨事後の総罹病率と認定障害 第4章 チェルノブイリ大惨事の影響で加速する老化 第5章 チェルノブイリ大惨事後に見られたガン以外の各種疾患 第6章 チェルノブイリ大惨事後の腫瘍性疾患 第7章 チェルノブイリ大惨事後の死亡率 第2部結論 第3部 チェルノブイリ大惨事が環境に及ぼした影響 第8章 チェルノブイリ事故後の大気,水,土壌の汚染 第9章 チェルノブイリ由来の放射能による植物相への悪影響 第10章 チェルノブイリ由来の放射能による動物相への悪影響 第11章 チェルノブイリ由来の放射能による微生物相への悪影響 第3部結論 第4部 チェルノブイリ大惨事後の放射線防護 第12章 チェルノブイリ原発事故による食物と人体の放射能汚染 第13章 チェルノブイリ事故に由来する放射性核種の体外排出 第14章 チェルノブイリの放射能汚染地域で生きるための放射線防護策 第4部結論 第15章 チェルノブイリ大惨事の25 年後における住民の健康と環境への影響 日本語版あとがき チェルノブイリからフクシマへ 主要用語解説/後記・謝辞(星川淳)
用語解説 https://docs.google.com/document/d/1xDRQv10iM84G3n5dkkVVrbHFBcQEQg__EtU_9vYhq_I/edit?pli=1
この用語解説は大変便利です。これを印刷しておけば読み進めていくことがずいぶん楽になると思います。