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Channel: ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
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北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(5)JESCO日本環境安全事業(株)〜日本の環境行政の深い闇

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北九州のPCB処理事業を行うJESCOについて調べました。

JESCO 日本環境安全事業株式会社 http://www.jesconet.co.jp/index.html

国の監督のもとPCB廃棄物の処理を行うため、旧環境事業団(JEC)のPCB廃棄物処理事業等を継承して、平成16年4月1日に100%政府出資により設立

 JESCO北九州事業所    http://www.jesconet.co.jp/facility/kitakyushu/index.html

 

 

北九州ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業実施計画  を見ると

平成19年度廃棄物処理施設整備に対する国庫補助事業に関する事前評価結果(PCB廃棄物処理施設整備事業)

つまり、この事業費に 821+468=1289億円 かかってるということ?国がPCB製造メーカーの肩代わりをして、税金がこんなに使われていたなんて・・・・・知らんかった・・・・_| ̄|○  施設だけで約400億円って (゚д゚lll)

ジャーナリスト山本節子さんの著書『ごみを燃やす社会』http://amzn.to/1dCOyzN より本文を転載させていただきながら、この問題を読み解いていきたいと思います。資料はこちらで追加しています。

(引用ここから)

p83より・・・しかし、環境事業団には実際の処理事務を行う能力などはありませんから、実務は全て民間企業〜それも国が認定したPCB分解技術を持つ巨大企業〜に丸投げせざるを得ません。つまり環境事業団に求められているのは税金(補助金)の受け入れ窓口としての役割だけです。

ちなみに主なPCB処理の技術名と開発企業は次の通りです(http://www.sanpainet.or.jp/service/doc/24-3.pdf) しかし、いずれの技術も、独立した第三者機関によって安全が確認されたわけではなく、自己申告ばかりです。

一見、「民間でできるものは民間に」ではなく、「民間にしかできないものを国が」やるように見えますが、実はこの政策はもうひとつ手が込んでいました。実際は「民間にしかできないものを国がやり、しかも民間の事業に見せかける」政策です。

そのため政府は他の二つの法律を用意していました。環境事業団法を分けて、日本環境安全事業株式会社法環境再生保全機構法にしたのです。この中で、現行の環境事業団と公害健康被害補償予防協会(以下「協会」)は、平成16年4月1日をもって廃止することを決めています。

これまで協会が行ってきた公害健康被害補償や民間団体の環境保全活動支援などの業務は、環境再生保全機構が引き継ぎ、環境事業団法のPCB廃棄物処理事業は、新たに設立する特殊会社・日本環境安全事業(株)が継承することになっています。(図)

業務移管の詳細 より 

 「特殊法人の独立行政法人化等に伴う政府出資額の増減」についての詳細 より

  

しかしこのようなことは環境事業団法には書かれておらず(第42条に「事業団の解散については別に法律で定める」とあるだけです。)、議論も特殊法人改革の中だけで行われたため、ごみ問題だけを追っている人には知られていないかもしれません。

日本環境安全事業(株)は政府が100%出資する特殊会社です。必要ならいくらでも増資できるし、政府保証付きで起債や長期借入金の借り入れもできます。またPCB処理に限らず、大臣認可を得ればその他の事業も行うことができるという規定もあります。これは、環境事業団が民間企業として一般的なごみ処理事業にも参入できるという意味にほかなりません。しかも上述のように、日本環境安全事業(株)には実際の業務を遂行できる能力はなく、他の民間企業に丸投げするしかありませんから、たしかに「特殊」です。

この制度は「循環型社会」政策の下で、日本の廃棄物ビジネスの「核」であるダイオキシンやPCBの「分解・無害化」技術を世界的に売り込むために考えられたようです。株式会社化しておくことによって、いずれ出てくる市民(納税者)の追求や情報公開の請求を「民間企業のノウハウ」としてかわすことができるという読みです。

なお、現在日本で行われているPCB処理は主に化学分解法ですが、政府は当初、PCBをすべて焼却で処理するつもりでした。実はカネミ事件と同じ頃、もうひとつのPCB事件が、瀬戸内海に面した兵庫県高砂市で起きていました。海浜の埋立地にはPCBの製造企業である鐘淵化学高砂工場と、PCB原体を加工して感圧紙を製造していた三菱製紙、三菱重工、武田薬品工業の工場が並んでいました。それらの工場からの廃水によって付近の海域は汚染され、廃水が直接流れ込んだ高砂西港では、最高で3300ppmという高濃度のPCBが発見され、漁業も禁止されました。しかし、企業も行政もこれにまったく有効な手を打とうとせず、怒った漁民がデモを繰り返す騒ぎになっていたのです。

その高砂市に、ユショウ事件のあおりを受けて、全国から続々とPCBやそれを含む製品が送り返され始めたのです。国は鐘淵化学を指導してそれらを焼却処理させますが、1972年までに100トンほどを処理した段階で、住民の反対で中止されました。しかし国は焼却に固執し、やがて高砂工場に新しい焼却炉を建てて、本格的な焼却処理に取り組みます。

http://www.env.go.jp/recycle/poly/kento_r/02_3.pdf

ここには書かれていませんが、おそらく高温焼却による何らかの弊害が発生したため。化学処理方式に切り替えたものと考えられます。(この化学処理のコストの高さも、国にPCB処理を押し付けた原因かもしれません)。

処理済みPCBは、汚染から「卒業」したとして、廃棄物処理法の手続の中で、やはり焼却⇒溶融固化⇒再利用されることになっています。そこから出てくる「最終製品」がどこに行くかについてはまったくわかりません。

カネミ油症の「復活」劇の裏にあったのは、PCB処理を通した日本の政府組織と民間企業との合体のシナリオでした。日本環境安全事業株式会社が始動することによって、日本の将来の環境行政は、さらに深い闇に包まれることになります。民間と政府が一体化してしまえば、そこには監督者はいなくなるからです。

なお環境省は2003年9月。カネミライスオイル被害者で血中ダイオキシン値の濃度が高い人を、油症として認定する方針を発表しています。

(引用ここまで)

入札公告(建設工事) と 北九州PCB廃棄物処理施設(第1期)建設工事の契約内容について  をみると、

 

 

北九州PCB廃棄物処理施設(第2期)設置工事(施工業務)の契約について

 

たしかにJESCOは施設建設工事を 新日鉄のJVに丸投げしていました!そういえば、震災がれき広域処理の時もJVに丸投げってあったな〜(゜д゜) 結局どうしようもない廃棄物とか毒物って、「どうにかしなきゃ!」という心理になるから美味しい巨大な利権になるんだね。

ハコモノもでかいしゼネコンも絡む大型公共事業。運用も含めてJV一人勝ち。高コストの原因となっているしくみが見て取れるわけです。

社長は 前 東京海上日動火災保険株式会社 常勤顧問。前の社長は旭化成副社長。http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/7f4bd5711f1d7e05d5007bb9f9f68c22

取締役は当然天下り。http://www.jesconet.co.jp/company/pdf/prelease130627.pdf

http://www.jesconet.co.jp/company/outline/index.html

代表取締役社長  矢尾板 康夫 (やおいたやすお)  前 東京海上日動火災保険株式会社 常勤顧問 取締役  由田 秀人 (よしだひでと)   元環境省   http://ci.nii.ac.jp/naid/40016497606   取締役  小鞠 昭彦 (こまりあきひこ)  元内閣府地方分権改革推進室次長 http://www.kaikeijin-course.jp/pdf_link/2-3.pdf 監査役(常勤) 北沢 克巳 (きたざわかつみ) 元環境省大臣官房付  http://www.kensetsunews.com/?p=15551 監査役(非常勤) 田中 清 (たなかきよし)    古河スカイ  http://www.furukawa-sky.co.jp/company/profile/officer_11.htm 監査役(非常勤) 関口 恭三 (せきぐちゆきみ) 関口会計税務事務所代表

国と電力、製鉄、重工、化学関連の大企業との癒着。どの事業所もまる投げ。

http://homepage2.nifty.com/koshi-net/sub/pcb/gijyutu/bid.htm  より

 

環境省の資料は

北九州市の資料は

日鉄住金環境プラントソリューションズ株式会社  http://www.nses.co.jp/

北九州環境プラントサービス株式会社 http://www.keps.co.jp/

http://www.keps.co.jp/partner/partner.htm  わかりやすいリンク

神鋼環境ソリューション http://www.kobelco-eco.co.jp/company/

 新日鉄住金エンジニアリング http://www.eng.nssmc.com/

PCB問題、続きます。


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