Spill of contaminated material at Ranger uranium mine; locals fear for Kakadu National Park
レンジャー・ウラン鉱山で汚染物質の流出;カカドゥ国立公園で地元住民に恐怖
放射性汚染水が大量流出=世界遺産内のウラン鉱山で―豪 時事通信 12月10日(火)10時42分配信
【シドニー時事】オーストラリア北部準州のウラン鉱山「レンジャー」で7日、ウラン鉱や泥水をためたタンクが破損し、100万リットルを超える放射性汚染水が流出した。事態を重くみた豪政府は10日までに、安全性が確認されるまで操業を停止するよう鉱山の運営会社に命じた。
鉱山は、先住民アボリジニが描いた壁画が残り、世界遺産にも登録されているカカドゥ国立公園内にある。英豪系資源大手リオ・ティント傘下のウラン生産会社エナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア(ERA)が運営する。
(管理人より)
レアアース工場の問題をブログアップしたあとに、レンジャー・ウラン鉱山の事故・・・まず地図をどうぞ。http://www.mirarr.net/uranium-mining
世界のウランの10%を供給する世界最大級のウラン生産企業であるエナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア(Energy Resources of Australia)社のウラン生産拠点、ノーザンテリトリー(北部準州)のレンジャー鉱山での事故。ざっと調べてみました。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-03-01-07 より
Ranger鉱山は北部準州、ダーウィン(Darwin)東方230kmに位置し、周囲をカカドゥー(Kakadu)国立公園に取り囲まれている。
本鉱山はEnergy Resources of Australia Ltd.(ERA)社により運営され、収益の約68%をRio Tinto社が、約10%を日豪ウラン資源開発(株)が保有している。
ウラン生産は1980年に始まった。鉱石は露天採掘法により採掘されている。1994年末には第一鉱体の採掘を終了し、1996年から第三鉱体の採掘に取り掛かっている。Ranger鉱山は2003−2004年度に4,667tU3O8を生産した。2003年1月現在のウラン埋蔵量は鉱石量は平均品位0.21%U、41,674tUである。
http://www.australia.arakawanet.com/html/shigen/uranium/rangeruranium.html より
2011年10月、福島第1原発5基以上(全6基)の原子炉でオーストラリア産ウランが使われていた事実を、オーストラリア連邦政府の外務省の役人が認めた。世界一のウラン埋蔵量を誇り、生産国として世界第3位を誇るオーストラリアは、原発を保有する世界各国にウランを輸出しており、その中にはアメリカやフランスなど核兵器保有国も含まれている。原発ゼロ、核兵器保有に対して反対の立場を取っている一見クリーンな国、オーストラリアはその実、世界の原発産業を陰で支える原子力産業の中核を担う国でもまたあるのだ。 中略
国内のウラン産業が拡大すればするほど、鉱山があるエリアに住む先住民アボリジニは、放射能に汚染された汚染水などによる被曝に苦しめられることになる。オーストラリアのウラン採掘は、国内外に多大な犠牲を強いながら、なお推進されようとしているのである。
レンジャー鉱山には日豪ウラン資源開発(株)という日本の企業が絡んでいます。関西電力 50%、九州電力25%、四国電力15%、伊藤忠商事10%の出資で設立されているので他人事ではありません。
採掘されたウランは日本に送り続けられ、各地の原子力発電所へと供給され続けています。
レンジャー鉱山から採掘されたウランの3割以上は日本が原発の為に輸入。ジャビルカ鉱山で採掘予定の5割は日本が輸入予定。http://www.kankuma.jp/mondai/energy/energy10.htm
この地域にはアボリジニ・ミラル族の人たちが住んでおり、その村の水源が汚染されています。
資源採掘の段階で、放射性物質を環境中に撒き散らす発電は、原発にしても再エネにしても、先住民族の犠牲を容認する非人道的な技術だと思います。「じゃあ、電気使うな、パソコン使うな」という極論でなくて、 追加の汚染を防ぐにはどうすればいいかを、今こそ一人ひとりが調べてみる。まずこの問題の大元は何かについて考えることが必要です。 私たちが地球に住み続けるためには、すぐに原発をやめ、レアアースが必要な再エネも諦めるべきだと私は考えます。
電気のために、世界中の誰もが、被曝者にも加害者にもならないようにするにはどうすればいいか考えていきたいと思います。
マレーシアのレアアース抽出工場〜ブキメラ放射能汚染「私たちは、涙がかれる程たくさん泣きました」
採掘・製錬時に放射性物質を撒き散らすレアメタル・レアアースは自然エネルギーにも使われている事実
以下http://savekakadu.wordpress.com/ より転載します。
2013.12.7 ジャビルカ通信 第156号
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┃ レンジャー鉱山のウラン製錬設備でタンク破損 ┃
┃ ウラン硫酸溶液100万リットル漏洩か ┃
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ジャビルカ鉱山の開発凍結後、ずっと休眠している『ジャビルカ通信』ですが、隣接するレンジャー鉱山(関西電力などがウランを購入している山)で事故が起きましたので、ひさびさに発信いたします。
12月7日未明、オーストラリア北部、世界遺産カカドゥ国立公園地域にあるレンジャー鉱山内のウラン製錬施設で、製錬前のウラン溶液を収容するタンクが破裂し、タンク内の溶液が噴出、一時、作業員が全員退避する事態となりました。けが人は出なかったとのこと。
流出したのは、ウラン鉱石を細かく破砕したものと化学処理用の薬剤(硫酸など)とを混ぜ合わせたもので、「溶液」というよりは「濃い泥水」に近い状態のもの。タンクの容量から推計して流出量は100万立方メートル以上と見られ、重量にして数千トンに相当するものと推定されます。
現場では1キロ四方の立入禁止区域が設定され、調査と除染に数週間は要する模様。放射能溶液の施設外への流出は今のところ確認されていません。施設を操業するERA社はまだ詳しい発表をしていませんが、タンクの老朽化、バルブの故障などいくつかの原因が考えられます。
レンジャー鉱山の土地の先住民族土地権をもつミラル・グンジェイッミ氏族(Mirarr Gundjeihmi)の代表組織、グンジェイッミ先住民族法人(GAC)は、鉱山の全面操業停止と第三者機関による監査を求めています。
GACのジャスティン・オブライエン事務局長は、「だらしない鉱山会社がだらしない規制庁のもとでだらしない仕事をしてきた結果だ」と酷評。豪州環境保護基金(ACF)の核問題担当デイブ・スウィーニーもレンジャー鉱山を「aging, failing, risking」(老朽化、故障続き、危険増加)の三拍子だとして、会社側の無策を批判しています。
レンジャー鉱山の親会社であるリオティント社は、従来は採掘しないとしていた第3鉱床の採掘計画(R3D)をオーストラリア連邦政府に申請していますが、交渉権をもつ先住民族はこの拡張計画に対し、まだ承認を与えていません。
詳細は ↓ こちら
[1] http://www.mirarr.net/media_releases/one-million-litre-nuclear-accident-in-kakadu
[2] http://ecnt.org/media/ranger-danger-massive-spill-one-million-reasons-end-uranium-mining-kakadu
[4] http://www.abc.net.au/news/2013-12-07/spill-at-nt-uranium-mine-near-kakadu/5142148
背景情報
[6] http://www.mirarr.net/uranium-mining
[7] http://ecnt.org/media/ten-years-and-ranger-uranium-mine-remains-threat-kakadu
[8] http://j.mp/uranium433b(細川弘明 2012「福島第一原発で使用されたウランはどこからきた?」『オルタ』433号、地図修正版)