“クリーン”なはずが環境汚染…浙江省の太陽電池工場で抗議事件 (2011/9/20)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0920&f=national_0920_340.shtml
中国浙江省海寧市でこのほど、太陽電池工場の周辺住民約500人が環境汚染を訴えて抗議行動を起こし、20人が拘置される事件に発展した。工場側は19日に記者会見を開き、汚染の事実を認め謝罪した。背景には、太陽光発電などの“クリーン”エネルギーを推進する政府の強力な後押しを頼みに、企業の汚染対策がおろそかになっている現状があるようだ。21世紀経済報道など中国各メディアが報じた。
浙江省海寧市の紅暁村で先週、太陽電池などを製造する「晶科能源」の工場から出る廃棄物のために周辺環境が汚染されているとして、村民らが工場に説明を求めて詰めかけた。
住民によると、8月末に大雨が降った後、工場付近の小川で魚の大量死が発生した。9月8日にはある村人が、住民の白血病やがんの発生率が上昇したとインターネット上で暴露した。
15日の晩、村民500人以上が環境汚染の説明を求めて工場に詰めかけ、車をひっくり返したり、会社の備品を壊したりした。抗議行動は翌日も続き、警察車両を含め合計12台の車が壊され、公安機関に20人が拘置される騒ぎとなった。
結局、病気については根拠に乏しく「デマ」とされたが、汚染は事実だった。地元政府は17日、工場が基準値以上のフッ素化合物を排出していたとして、操業停止を命じたと発表した。
晶科能源も19日、「廃棄物の管理が適切でなかった」ことを認め謝罪した。廃棄物が雨水とともに排出管から小川に流れ出たと説明したが、住民の健康被害との因果関係は否定した。
記事によると、晶科能源は2006年末に設立された新興の太陽光発電企業で、10年にニューヨーク証券取引所に上場している。11年第2四半期の売上高は3億5000万米ドル(約268億円)だった。
記事は、「事件の背景には、浙江省の太陽光発電産業の『大躍進』的発展がある」と指摘。地元政府が同産業を強力に推進しているため、「投資プロジェクトばかりが急がれ、環境アセスメントが操業より後になることも珍しくない」と述べる。
浙江省の地元テレビ局の取材によれば、晶科能源の工場付近の水源から採取されたフッ化物の濃度は基準値の10倍だった。しかし業界関係者によると、業界内では10倍は問題視されず、ある太陽電池メーカーの周囲の河川では基準値の100倍に達しているという。
広東省の有力紙「南方都市報」は、「今の中国で環境汚染のせいで集団抗議行動が起こるのは珍しくないが、今回の汚染企業が新興の“クリーン”エネルギー産業だったことは注目に値する。中国の製造業にとってプラスかマイナスか、政府も企業も真剣に考えるべきだ」とする評論記事を掲載した。(編集担当:阪本佳代)
2011年のニュースですが紹介します。太陽光パネルのメーカーが汚染水を川にたれながして公害を引き起こしています。
そもそも太陽光パネルの製造過程自体がとても環境にやさしいとは言えないものです。人体に有害なガスや薬品を大量に使わなければ作れないのがソーラーパネル。どこがクリーンエネルギーかと思います。
http://www.oeg.co.jp/Exhibition/pdf/pv.pdf より
日本ではこういった処理装置があるようですが、中国ではコストもかかるし垂れ流し状態だったのでしょう。日本のパネル工場もすべてがこういう装置を導入してるかどうかわかりません。 半導体の段階でも、相当水を使うようですね。↓ そりゃ魚も死ぬし、病気にもなると思いました。
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~j15275/haiki3.html#_Toc446232965 より
2.半導体の生産工程と廃棄物の発生
半導体の生産工程は、ウェハ(基板)を加工する「前工程」と組立・検査の「後工程」に分かれる。円柱状の単結晶シリコンを薄くスライスしたウェハは、洗浄され高温で焼かれ、表面に酸化膜がつくられる。これに感光剤が塗られ(フォトレジスト)、写真の焼き付けのように、紫外線で集積回路のパターンが焼き付けられる(リソグラフィー)。紫外線にさらされなかった部分は、化学薬品で取り除かれる(エッチング)。さらに、不純物(ヒ素、リン等)が高温拡散され、イオンが注入され、化学蒸着(CVD)を使ってウェハーの表面に化学反応で半導体がつくられ、これが何回も繰り返される。
この過程で、チリ・ごみが製品に付着すると半導体の性能が得られないので、何度も洗浄が繰り返され、そのために有機溶剤やフロンガスが使われてきたのである。またCVD、イオン注入、ドーパント、拡散、エッチング、フォトレジスト等のために各種の化学物質(ガス)が使用される。
3.半導体工場の物質収支・・・水利用
半導体製造は、空調・拡散炉の冷却・ウェハの洗浄(超純水)等に大量の水を使用し、地下水を利用しているところも多い。四省庁(通産省・厚生省・労働省・環境庁)『IC産業環境保全実態調査報告書』(1987年)によれば、1工場当たり水使用量は、日量最小約1500立法メートルから最大約1万5000立法メートルに達し、平均5900立法メートルになる。また、通産省『工業統計表・用地用水編』(1995年度)にしたがえば、集積回路製造業は1事業所当たり日量約8700立法メートルを使用している。さらに国土庁の『日本の水資源』(平成3年版、57頁)によれば、半導体産業の1事業所当たりの淡水補給水量は日量2050立法メートルで、ファインケミカルズ産業、新素材産業に次いで多くなっている。いわゆる「ハイテク産業」は加工組立産業と比べ、水多消費型で、その用途別では冷却・温度調節用水が過半を占めており、したがって「ハイテク産業」は水や材料を少量しか使わない「情報産業」では決してないのである。
いずれにしても、半導体工場の水使用量と種類(地下水か工業用水か)は、立地条件に左右されるところが大きく、テキサス・インスツルメンツ美浦工場(茨城県)や日鉄セミコンダクター(旧NMBセミコンダクター)館山工場(千葉県)のように、公害防止協定によって排水クローズドシステムをとるところも出ている。これは、地域住民との関係や環境規制が厳しくなるなかで、大量の取水がだんだんと困難となっていることが原因とみられる。しかし、基本的には「ハイテク産業」は水多消費型であるという認識をもつことが重要である。
エントロピーの法則を学ばずに「クリーンなエネルギー 太陽光パネル!」なんて無責任に簡単に人に勧めてはいけませんね。
「原発よりまし!」っていう人は、自分で汚染水を飲んでから言って欲しいものです。品質管理の問題ではありません。
必要のないものを作るのに貴重な資源を使う必要はありませんし、川を汚す必要はありません。
工業製品を作るということは必ず 廃物、廃熱、廃水が出る!
リサイクルも同じこと。
枯渇性資源の電気(火力)を使ってでしか作れない工業製品のパネルを
あたかもリサイクルすれば問題がないように伝えるのは欺瞞。