独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(原子力機構)の県内の施設で、不審者の立ち入りを許したり、火災を起こしたりするなど、不祥事やトラブルが相次いでいることから、橋本昌知事は十七日の定例会見で、近日中に原子力機構を厳重注意する考えを示した。
今年二月、原子力科学研究所(東海村)に、警備員が目を離した隙に不審者が車で正門から入り込み、立ち入り制限区域の敷地内に約一時間とどまった。原子力規制委員会が今月十二日、原子力機構を文書で注意したため明らかになった。
また、大洗研究開発センター(大洗町)では十一日、放射性廃棄物を保管する建屋の床に放射性物質に汚染された水がたまっているのが見つかった。原因は究明できていない。さらに十六日、那珂核融合研究所(那珂市)の超電導コイルの性能実験室で、火災が発生した。
橋本知事は会見で、「何となく緊張感がなくなるというのでは困る。安全を最重要課題に取り組んでもらう」と、厳重注意する意味を説明。「警備員が立ち入りを見逃した理由など、情報開示が一部不十分だった」との記者からの指摘に、「住民の理解を得るためには当然、(情報)公開も積極的にやってもらわないと」と苦言も呈した。
会見では、東海村で一九九九年に発生した核燃料加工施設ジェー・シー・オー(JCO)の国内初の臨界事故から今月三十日で十五年の節目となることに対しての発言も。橋本知事は「二名がなくなる悲惨な事故。この間、(東京電力)福島第一原発事故も起きた。十五年たって、事故を風化させてはいけないという気持ち」と語った。
JCO東海事業所は、敷地内に保管している廃棄物の容量を圧縮するため、年内にも低レベル放射性廃棄物の焼却処分を開始する予定。橋本知事は「早期に放射性廃棄物の処理が進むことを願っている」と述べた。
知事は、原子力機構やJCOなど、県内十八の原子力事業所を対象に、東日本大震災で中断していた放射性廃棄物の保管状況の立ち入り調査を年度内に再開することを明らかにした。 (林容史)
原子力トラブル 厳重注意へ NHK
県内にある日本原子力研究開発機構の施設で、今月に入り、相次いでトラブルが明らかになっている問題で、茨城県の橋本知事は、近く原子力機構に対し、厳重注意などを行い、再発防止を求める考えを明らかにしました。
これは17日、県庁で行われた定例の記者会見で、橋本知事が明らかにしたものです。
県内の原子力機構の施設を巡っては、今月11日に大洗町にある研究用の原子炉付近の建屋内の水たまりから、微量の放射性物質が見つかったほか、今月16日には、那珂市にある実験室で、機械から煙が出るなどのトラブルが相次ぎました。
これらについて、橋本知事は、「緊張感を持ってしっかりと安全性を最重要課題として取り組んでもらいたい」などと述べました。
そのうえで、「きょう、あす中にも、県として、対応を考えていきたい」と話し、近く原子力機構に対して厳重注意などを行い再発防止を求める考えを明らかにしました。
県原子力安全対策課によりますと、今週中にも、原子力機構の幹部を県庁に呼んで、県としての考えを伝えたいとしています。
09月17日 17時47分
(管理人より) 9月に立て続けに起きた茨城県にある核施設のトラブル。私はこれはこれから先起こる大きな事故の前触れではないかと思います。
1997年3月11日のアスファルト固化処理施設の火災・爆発事故の2年後に、核燃料加工施設ジェー・シー・オー(JCO)の国内初の臨界事故が起きました。小さなトラブルが頻発、隠蔽の後に大きな事故につながっているのです。
動燃東海事業所火災爆発事故(1997年) レベル3
東海村JCO臨界事故(1999年) レベル4
福島第一原子力発電所事故(2011年) レベル7
それからこの上2つの報道はともに、 9/12に起きた東海村 「核燃料サイクル工学研究所」の12000ベクレル放射能漏れのトラブルについて全く触れていません。
汚染水漏れと火事、不審者立ち入りは報じていますが、奇妙です。
さらに、東京新聞は「JCO東海事業所は、敷地内に保管している廃棄物の容量を圧縮するため、年内にも低レベル放射性廃棄物の焼却処分を開始する予定」と報じています。
JCO焼却施設が作られるまでの経過を東京新聞の報道で時系列で見ていきます。
JCO焼却施設 来月6日着工 来年11月にも本格運転 東京新聞 2013年12月17日一九九九年、臨界事故を起こした東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所が、低レベル放射性廃棄物を処分する焼却施設を事業所敷地内で来年一月六日に着工することが分かった。周辺住民に回覧などで着工日の告知を始めた。
JCOは、施設内で保管しているウランを含んだ油類二百リットル入りドラム缶五百本分を五年掛けて焼却し、その後、雑巾やモップ、記録紙など二百本分を三年掛けて焼却する計画。約一億円をかけ、焼却施設を設置する。JCOは十月、四回目となる住民説明会を開き、施設の運用を監視する第三者会議の設置や敷地内の空間線量率の継続的な計測などを約束し、理解を求めた。
JCOは、説明会などで「設置に慎重な意見は一人だけだった」とし、「周辺住民の理解は得られた」と判断。十三日から東海村と那珂市の四自治会の約二千世帯を対象に回覧や各戸配布の文書で着工を知らせている。
焼却施設は、既存施設の撤去後に設置する。試運転と調整を行い、来年十一月にも本格運転を目指す。
東海村は十二月定例村議会一般質問で、菅野博経済環境部長が「焼却するのは低レベル放射性物質と認識している。焼却炉は性能の上で最善のものを選択していると考えている」と容認する答弁をしている。(林容史)
JCO焼却施設の着工延期申し入れ 東海村と周辺住民ら16人 東京新聞12月20日
東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所が、低レベル放射性廃棄物の焼却施設を来年1月6日に敷地内に着工することに対し、村民や周辺自治体の住民ら16人が19日、着工の延期を求める申し入れをした。JCOは予定通り着工する考えを示した。
住民側は、JCOが焼却炉の性能を明らかにせず、火災、爆発事故による周辺環境への影響評価も行っていないことを問題視した。JCOは、焼却炉の設置後の試験データの公表について「社内で検討する」と回答するにとどめた。一方で「計画以外の放射性廃棄物の焼却はしないと確約する」と述べた。 JCOは、施設内で保管しているウランを含んだ油類200リットル入りドラム缶500本分を5年掛けて焼却、その後、雑巾やモップ、記録紙など200本分を3年掛けて焼却する計画。 焼却施設は試運転と調整を行い、来年11月にも本格運転を始める予定。 (林容史) ↓↓↓↓↓↓ 焼却処分 11月から 放射性廃棄物 JCO、28日に説明会 2014年8月20日
臨界事故を一九九九年に起こした東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所が、低レベル放射性廃棄物の焼却処分を、当初の予定通り十一月から始める見通しになった。二十八日に住民説明会を開く。搬入前の焼却設備も住民に公開する。
JCOの説明では、敷地内で保管している廃棄物の容量を圧縮するため焼却処分する。ウランを含んだ油類二百リットル入りドラム缶五百本分を五年かけて焼却した後、雑巾やモップ、記録紙など二百本分を三年かけて焼却する。
当初、臨界事故を起こした第三管理棟(旧転換試験棟)に焼却設備を設置する予定だったため、周辺住民が反発、同じ敷地内にある第一管理棟に変更した。四回にわたり住民説明会を開き、昨年十月、設備の運用を監視する第三者会議の設置、敷地内の空間線量率の継続的な計測などを約束し、今年一月に着工した。今後、設備を搬入して設置後、試運転と調整を行い、十一月の本格運転を目指す。 (林容史)
施設内で保管しているウランを含んだ油類200リットル入りドラム缶500本分を5年掛けて焼却し、その後、雑巾やモップ、記録紙など200本分を3年掛けて焼却するJCO焼却施設の開始を控えているために、住民に対しなるべく事故を過小に見せたいという表れではないかと推測できます。
施設計画の邪魔にならないよう、事故の報道はなるべく早く幕引きするということです。
そもそも事故が起きなくても放射性廃棄物の焼却は危険行為。 反対住民がいるのに公害事業を回覧板とチラシでゴリ押ししたわけです。住民の命を守らない恐ろしい自治体だと思いました。
がれき焼却問題の時の北九州市と同じ対応。
リリウムの会のブログを見ると 反対住民がたくさんいたことや、質問状を出して回答を求めていたことなどがわかります。 http://blogs.yahoo.co.jp/liliumnokai/folder/477209.html
JCOへの質問状の回答書を転載します。赤囲みが回答。
こういった焼却施設をいったん作ってしまうと、国があとから違うものも追加で燃やせと言ってくることは、北九州市のPCB処理問題と、JESCOの対応を見るとよくわかります。事業者は、はじめはこれしか焼却しませんと言っておきながら、途中で上乗せや延長させる場合もありますし、法律が変えられたら従うのです。
北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(1)カネミ油症事件の起きた地域に何故?PCBの有毒性を知る
北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(2)PCB廃棄物ってどんなものか?
北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(3)説明会報告とPCB廃棄物の経緯、全国処理施設と北九州周辺地図
北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(4)説明会の実際。処理方法。責任者名。周知されてないトラブル。北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(5)JESCO日本環境安全事業(株)〜日本の環境行政の深い闇 北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(6)福島の除染土がPCB処理のJESCO北九州などにやってくる?! 北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(7) 7/7(月)エコタウン事業を知る会 北九州市役所、JESCOへの取材報告
ジャーナリスト山本節子さんの取材 北九州市とJESCOを取材しました(除染廃棄物の件) より引用
JESCO 「・・・法律が改正されたらそのとおりに事業を行います」
北九州市と東海村の共通点は、企業城下町、海沿い、迷惑施設、公害施設が集中して建設されていることだと思います。自治会長などに一定程度、企業OBが入り監視している自治体。
反対運動なども事実上潰されてしまい、公害事業はどんどん進められていく街。
茨城県プレスリリース http://www.pref.ibaraki.jp/news/2014_09/index.html 汚染水漏れの記事のみ 茨城県 原子力安全対策課 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/ 記者発表一覧 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/press/index.html 重要
東海村 ツイッター https://twitter.com/tokai_vill 9月の事故やトラブルは全くつぶやかれていない
東海村役場HP 放射線等情報 http://www.vill.tokai.ibaraki.jp/viewer/info.html?id=2145&g=154 東海村役場HP 村民生活部 環境政策課 http://www.vill.tokai.ibaraki.jp/viewer/office-section.html?id=16 JCO HP http://www.jco.co.jp/ 不親切で工事中だらけのHPに驚愕!
核施設でトラブル等があったにも関わらず、東海村役場HPの検索キーワードランキングが 花火、入札、採用 だということが、この自治体住民の、事故に対する無関心さを示しているように思えます。