再生エネ、相次ぐ受け入れ中断 買い取り上限設定検討 経産省に専門部会
東京新聞 2014年9月27日 朝刊
政府は26日、送電網の容量限界から電力会社が再生可能エネルギーの買い取りを中断する動きが広がり始めた事態を受け、固定価格買い取り制度の抜本改定に着手した。再生可能エネルギー特別措置法はエネルギー基本計画に合わせ約3年ごとの見直しを定めている。政府は早急な対策が必要と判断、2017年ごろと見込まれていた改定時期を前倒しする。
この問題では九州電力が二十五日から九州全域で買い取り契約の受け付けを中断。東北電力も同日、中断検討を発表した。さらに東京電力が一部地域で受け付け制限を始めているほか、四国電力も対応策の検討に入った。
大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業者などに動揺が広がっており、各地で再生エネルギーの普及にブレーキがかかる可能性がある。
小渕優子経済産業相は二十六日の閣議後記者会見で「再生エネルギーの最大限の導入に向け、あらゆる角度から検証する」と述べ、有識者会議の中に専門部会を立ち上げることを明らかにした。
改定では(1)買い取り量の上限設定(2)買い取り価格の水準や算定方法−などが焦点になる見通し。
電力各社は最大電力需要を想定して必要な容量の送電網を整備している。容量を超えれば大規模停電を招くリスクがある。買い取り認定を受けたメガソーラーなどをすべて接続した場合、夏場の最大電力需要と比較すると、九電はすでに容量をオーバーし、東北電も九割に接近。火力などの発電分を加えると他電力も余裕はない。送電網の増強には数兆円かかるとの試算もあり、改定議論ではコスト負担のあり方も検討課題になりそうだ。
再生エネルギーは天候の影響を受けやすく発電量が安定しないのが弱点。原発が停止している中、火力を減らし再生エネルギーを一方的に拡大すれば安定供給に支障が生じる恐れがあるほか、買い取り量が増える分、国民負担が重くなるとの指摘もある。
買い取り制度は東電福島第一原発事故を受け、原発依存の脱却を目指してつくられた。高い価格で原則全量を買い取ってもらえるため、政府・電力会社の想定を超える事業者が参入した。
(管理人より)
東京新聞が、電力10社の再エネ接続制限などの状況をまとめて報じています。基本的にすべての新聞は、再エネ賛成という論調ですが、東京新聞は最後の一文に
「買い取り制度は東電福島第一原発事故を受け、原発依存の脱却を目指してつくられた」というウソの一文を盛り込んでいます。驚きました
生協や脱原発政党と同じ刷り込みですね。そんなことはどこにも書いてありません。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」とは(新制度) を見てください。
「この制度により、エネルギー自給率の向上、地球温暖化対策、産業育成を図ると共に、コストダウンや技術開発によって、再生可能エネルギーが日本のエネルギーを支える存在となることを目指します」
と書いてあります。
「原発が停止している中、火力を減らし再生エネルギーを一方的に拡大すれば安定供給に支障が生じる恐れがある」の文章も何かおかしい気がします。
原発停止で今まで休ませていた火力も稼働しています。電気は足りています。山口県などは新小野田火力発電所が火災で停止していますが、それでも停電はありません。
そもそも、原発なしでも電気は足りています。だけど、あの「原発が停止している中」という箇所で、原発がなくては電気が足りないという印象になってしまう。
再エネは火力で調整しなければならない不安定電源。火力によるバックアップ電源が欠かせません。だから実際のところ火力は減らせないのです。
さらに系統安定化の問題。パネルの電気は質が悪いクズ電気ですので系統に接続すると、火力での周波数の調整が大変なのです。
「クズ電気」って、馬鹿にしてんのか!失礼な!って言う人が居るかもしれませんが事実です。
クズ電気=「品質が悪い」電気 ということです。
中国電力に話を聞きに行ったことがありますが、パネルの電気は全部火力で調整すると言ってました。個人のパネルも正直なところ逆潮流で隣近所に迷惑かかるし、パワコンで抑制されて売電できないと、それはそれで苦情電話が業務の支障になるほどかかってくるので困ってる、メガソーラーの申し込みも多すぎて場所によっては断っているところもあると、配電課の現場の人は言っていました。
太陽光パネルの販売会社の営業の人が言うように簡単にはいかないようです。
これはどういうことなのか、この機会に電気の基礎知識から書いていきますね。
【電気に関する用語と単位】
電圧・・・・電気を流そうとする力 記号はV 単位は〔V〕(ボルト)
電流・・・・電気が流れる量(1秒間に流れる電気の量) 記号はI 単位は〔A〕(アンペア)
電力・・・・電気の大きさ(電気が流れて1秒間にする仕事の量) 記号はP 単位は〔W〕(ワット)
抵抗・・・・電気の流れにくさ 記号はR 単位は〔Ω〕(オーム)
負荷・・・・いろいろな家電製品や工場で使うモータなどのように電力を消費するもの
【直流と交流】
電気は大きく分けて2種類があります。乾電池の電気は「直流」で、家庭のコンセントの電気は「交流」です。
直流 (直流は時間が経っても「電流・電圧」の大きさは一定です)
交流 (時間とともに、周期的に「電流・電圧」の大きさが変化しています。
このように電気の変化の様子をグラフで表したもの(電気信号の形状)を「波形」といいます。
【品質の良い電力とは何か?】
●停電しないこと
●周波数が一定であること
●電圧が一定であること
安定していて綺麗な波の形が続いていればいい↓ 電力品質の高い状態
周波数が変動してしまったら
工場などの機械の中にあるモータの回転数も変動してしまう。機械が安定しないということは生産する製品にムラが発生してしまう。工場製品がダメになってしまう。
モータの回転数の変動で異常振動が発生し、メインの機械そのものに危害が及ぶ。工場設備などの給水などの圧力も変動してしまい運転継続すら困難になる。
周波数の乱れは損害につながる。
工業製品を工場で作る日本では、電気は質が重要ということです
【電力品質の管理目標値】
・周波数⇒標準周波数(50Hzまたは60Hz)を基準として ±0.1〜0.2Hzを偏差目標値とする
・供給電圧⇒100V系統では、101±6V、 200V系統では、202±20v
・電圧フリッカ⇒瞬時的な電圧変動の結果で生じる「照明のちらつき度合い」を数値化した指標として?V 10 が用いられ、0.45V(Vは供給電圧)以内であることが求められる
・停電⇒事故・故障による停電と計画停電がある。我が国では1年あたり10分弱と世界最高レベルである。
発電電力の品質安定化
需要家側から電力会社線に逆潮流する場合、同じ系統に接続されている他の需要家へ悪影響を及ぼさないようにするため、電力品質を一定以上に確保しなければなりません。よって、電圧や周波数などが、電力会社が決めた規定値以上に変動した場合、自動的に電路を遮断する装置を設ける必要があります。
例えば、太陽光発電設備などから発電される電力は直流であり、そのままでは交流の電力会社線に接続することができません。パワーコンディショナーと呼ばれる電力の変換装置を通し、交流の電源に変換を行います。パワーコンディショナーでは電圧や周波数の安定化もあわせて行われます。
電圧や周波数の値が大きく変動した際に電路を開放する装置は、パワーコンディショナーに内蔵されています。太陽光発電や風力発電によって発電された不安定な電力は、このように一定以上の品質を保った電力に調節されています。
電力を需要家の受電設備に供給するための、発電・変電・送電・配電を統合したシステムである。
系統(電力系統)とは、発電設備、送電設備、変電設備、配電設備、需要家設備といった電力の生産から消費までを行う設備全体を指す。言葉のイメージから、送配電ネットワークのみを指すものと思われるかもしれないが、誤解である。
日本には10の電力系統があり、各電力会社がそれぞれを運用している。電力系統の運用とは、端的に言えば周波数と電圧を一定の範囲内に維持させるように、発電所や送配電設備をコントロールすることである。
系統連系とは太陽光発電や風力発電などで発電した電力を、電力会社から受電する電力と接続する技術を、系統連系と言います。
系統連系を行う場合、電力会社が供給する電力と同様の品質が要求されるため、太陽光発電や風力発電で発生した電圧が過電圧や不足電圧になったり、周波数上昇や低下が発生したりすると、電力会社の系統全体の品質に悪影響を及ぼします。
よって、これら不具合を検出する継電器を設置して、電圧や周波数の異常を検出した際に、即座に電力会社系統から切り離す必要があります。これを解列といいます。
系統連系は、電力会社の電力系統に発電設備を接続することを示しており、電力会社の配電線に対して電力を送り込むかどうかは別問題です。電力会社の配電線に電力を送り込む場合、逆潮流という技術を理解する必要があります。
系統連系状態の電路において、消費する電力よりも自家発電する電力が多くなると、その余剰電力は電力会社の線側に戻っていきます。これを逆潮流といいます。電力会社はその逆潮流した電力を、他の需要家に供給することができるため、電力を供給する一需要家が発電所として機能することになります。
自前の発電設備から逆潮流を行う需要家は、電力会社と契約することにより、逆潮流した分の電力を一定の電気料金で買い取ってもらうことができます。
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/res/dispersed/data/yougo050.pdf より
ガバナ・フリー運転とはガバナとは、回転機の調速機のことをいい、回転機の入力を調整して回転速度を一定に保つための制御装置であるが、ここでは発電用水車や蒸気タービンの調速機を指している。ガバナ・フリー運転とは、このガバナ動作に負荷制限器(ロード・リミッター)による制限を設けず、周波数の変動に対して自由にガバナを応動させて運転する状態を意味する。ガバナ・フリーの状態では、周波数が低下(発電機の回転が低下)した場合は、回転機の出力が増加し、周波数が上昇(発電機の回転が上昇)した場合は、出力が減少するよう自動制御されるので、電力系統の周波数の安定維持に効果を発揮する。ガバナ・フリーは、数十秒から数分程度の短い変動周期の負荷調整を分担し、調整容量としては系統容量の3%程度以上を保有することが望ましいとされている。
第3節 太陽光発電システム大量導入に伴う問題 経済産業省 九州経済産業局 より引用
「不安定」な太陽光発電由来の電気
従来型の集中型電源による発電は、燃料や水量が確保されている限り、持続的かつ安定的に発電することが可能である。また、水力発電と火力発電については、発電量の調整も容易である。
これに対して、太陽光発電システムや風力発電システムといった再生可能エネルギー由来の発電システムは、発電能力が天候などの自然環境に左右される。
例えば太陽光発電システムの場合は、日射量により発電量が異なり、また夜は発電できない。つまり、天候次第で、発電量が増減するのである。
電力系統システムに電気を供給するのが集中型電源のみであれば、需要家の過去の電力需要量をベースに、発電量を決めればよい。
しかし、発電量の増減、つまり出力変動の可能性がある太陽光発電システムや風力発電システムが電力系統に繋がった場合、電力系統の安定性に悪影響を及ぼす恐れが発生するのである。
出力変動の可能性がある発電システムによる電気、つまり「不安定」な電気が、電力系統に大量に導入された場合、様々な問題が発生する可能性がある。
●周波数調整力不足の問題
日本の需要家で一般的に使われている電気の多くは、交流電力である。交流電力は、電気のプラス・マイナスが 1 秒間に何十回と入れかわっているが、この1秒間に入れ替わる数が周波数と呼ばれる。
電力系統で使われる電気の周波数は、国や地域によって決められており、電力系統は決められた周波数を維持することが求められる。
一般的に、送電系統や変電所に大量の電気が流れ、これらに対する過負荷が発生すると、周波数が維持できなくなり、安定した電力供給が不可能となる。そのため、電力系統の周波数は、電力会社がその瞬間での需給バランスを調整することで維持されている。
しかし、太陽光発電システムによる電気の出力は、天候の影響を受けるために変動が大きく、予測や制御が難しい。こうした発電システムが大量に既存の電力系統に接続されると、これまでの需給バランス調整が困難になり、電力会社の周波数調整力が不足する可能性がある。
対策としては、電力系統全体で、周波数調整のための大型の安定器の導入を進めることなどが挙げられるが、非常に高コストとなるため、誰が費用負担をするのかについて調整することが必要となる。
新エネルギーの大量導入に伴う影響とその対応策について 平成20年9月8日資源エネルギー庁 電力・ガス事業部
●系統安定化の問題
電力系統に接続された太陽光発電システムの普及が進んだ状態で、発電所や変電所での事故等による電力系統(全体ないし一部)の故障が発生した場合、電圧変動の影響(瞬時の電圧低下など)が系統の末端にある太陽光発電システムのパワーコンディショナに伝わり、数秒間停止することで、システムが一斉解列される可能性がある。
言い換えると、太陽光発電システムの電源が、同時に脱落する可能性があるということである。この場合、電力系統における電気の供給量が需要量を満たせなくなり、電力の需給バランスが崩れ、安定的な電力供給が困難になる。
対策としては、瞬時の電圧低下が発生した時にも運転を継続させるパワーコンディショナの開発等、システム周辺機器に対する FRT9機能の付与などが挙げられる。
●電圧変動の問題
住宅や事業所に設置された太陽光発電システムの発電量が消費量を上回り、電力系統に対して電気が逆流する(逆潮流)時は、柱上変圧器から系統の末端にかけての配電系統での電圧が上昇する。
電気事業法では、配電系統の電圧を 95〜107V に抑制することを求めている。
太陽光発電システムの発電量が増加し、逆潮流による電圧上昇が 107V 以上となる「電圧逸脱」になりそうな場合は、太陽光発電システムの出力を自動的に抑制する。
太陽光発電システムの設置量が増加すると、電力系統での電圧変動の発生や出力制御が何度も実行されることによって、太陽光発電システムの発電量が減少する可能性がある。
対策としては、配電線の強化や柱上変圧器の増設、電圧調整機器の設置、配電電圧自体の上昇、蓄電池の導入による逆潮流の防止などが挙げられる。しかし、コストがかかる対策であるため、実現に向けては、誰が費用負担をするのかについて調整する必要がある。
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90126a12j.pdf より
(管理人より)
市民にこれだけの知識がなければ、接続制限などのニュースを読んでも内容の間違いがわからない仕組みになっています。
さらに東京新聞の記事のツイッター拡散状況を見てみましたら、ツイッターボタンを使った同じツイートが、似たようなアイコンでズラーっと並んでいました。
市民になりすまして業者がやってるとしか思えません。これではツイッターでも世論操作されてしまうと思いました。
その他はほとんどが、「再エネをちゃんと買い取れ」といった論調のツイートです。系統安定化の問題を知らない脱原発市民が言うことが多いようです。
「系統安定化」で検索すると腐るほど資源エネルギー庁などのPDF資料が出てくるのに、新聞報道には「系統安定化」という文字が一切出てこない
これは何を意味するか?
官僚と原発=再エネメーカー、御用学者(原発、再エネ)と、環境NPOは、もちろん問題はわかっていて政策決定する。
↓↓↓↓↓↓ 膨大な税金
新聞記者、広告代理店、環境NPO
↓↓↓↓↓↓・・・内容が骨抜きにされて記事化、広告では再エネがイメージ化され、違うストーリーなどが盛り込まれる
新聞記事、新聞全面広告、環境NPOメーリングリスト、自治体広報、生協のチラシ、政党機関紙、
↓↓↓↓↓↓
市民が騙される
記事には「系統安定化」の文字はなく、クズ電力の予測不能・制御不能という本質的な問題は一切書かれていない記事ばかり。
市民に送配電の基礎知識がなければ騙される(1)全国に広がる再生エネ接続制限のニュース
グリーンの力って何のこっちゃ? 系統安定化など肝心なことがどこにも書いてない再エネプロパガンダ。
今回も御嶽山火山爆発事故でも「火砕流」ということばがどうやらタブー化されているようです。「火砕流」と言うと原発推進、再エネ推進に都合が悪いのでしょう。
再エネに関しては「系統安定化」が、もしかすると報道のタブーなのかもしれない。ホントは質の問題なのに容量の問題にすり替えられてるのも、実に怪しいと思いました。
「対策すれば大丈夫」って思わせないと、パネルが売れませんからね。
クズ電力調整不能なんて本質的な問題を新聞で言ったら、パネルが売れなくなりますからね。
再エネ推進派=原発推進派の市民と、脱原発を標榜する再エネ推進派の市民にとってはタブーなのかもしれないですね。
さいごはあのちゃんの漫画をどうぞ!http://distopiaanochan.blog.fc2.com/blog-entry-99.html より