当ブログではしつこくしつこく(笑)使用済み太陽光パネルなどの廃棄物問題をブログで記事にしてきました。
【危険を承知で推進中!】資源エネ庁が原発メーカー三菱に調べさせた太陽電池モジュール廃棄物の危険性 【驚愕】30年後、日本はソーラーパネルと巨大風車のゴミ屋敷!再エネ廃棄物問題【設備には寿命】
おかげさまで、個人のブログではありますがアクセス数も伸び、市民の中に再エネのゴミ問題もかなり浸透してきたのではないかと思われます。
ついに再エネ推進側のメディアや国もここに来てゴミ問題の記事や対策について一斉に報道してきました。以下 参考としてあげておきます。
廃棄物が出るのは認めて、リサイクルできますという方向付け。
太陽光パネル廃棄物、30年度に現在の10倍に 環境省試算
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H9B_T20C15A6CR8000/
2015/6/23 22:12 日本経済新聞
環境省は23日、太陽光発電設備のパネルが老朽化によって廃棄物になる量が2030年度に現在の約10倍に当たる年3万トンに上るとする調査結果を発表した。寿命を25年として廃棄物の量を計算した。
固定価格買い取り制度の導入などにより、太陽光発電の普及が進む一方、寿命を迎える数も多くなると予測。15年度中に撤去や処理についてのガイドラインを策定して、廃棄物の削減や再利用を促す方針だ。
太陽光パネルの廃棄物の量は15年度の推計量で約2400トンだが、環境省の試算によると20年度には年約3千トン、35年度で年約6万トンになるという。40年度には年約80万トンに達するとしている。太陽光発電の普及が進む九州、関東地方で多くなると想定している。
廃棄物は産業廃棄物として埋め立て処分されるが、有害物質が一部含まれる。銀や銅といった有用な資源もあり、再利用や資源を取り出す方法を模索している。
太陽光発電の普及が進む欧州では14年からメーカーによる太陽光パネルの回収やリサイクルを義務づける制度が始まっており、日本国内でも正しい処理やリサイクルさせる制度などを構築する方針だ。
増え続ける太陽光発電の廃棄物、2018年にガイドライン適用へ(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1506/25/news017.html 2015年06月25日
環境省 平成27年6月23日
太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分の推進に向けた検討結果について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/101130.html
太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分 に関する報告書
https://www.env.go.jp/press/files/jp/27415.pdf
リサイクルやゴミの問題は既にヨーロッパでは起こっており、英語で検索すると画像も出てきます。
今日は、このパネル廃棄物の画像についてもう少し深く見てみます。
この太陽光パネルのゴミの画像は以下の個人ブログに掲載されていた記事から私が引用したものです。
Poorly made PV modules hurting Solar PV industry? 2012年11月19日
http://www.thegreenmechanics.com/2012/11/poorly-made-pv-modules-hurting-solar-pv.html
このブログ主はおそらくマレーシア在住のエンジニアで、この画像の出典元としてfrench.alibaba.com というネット販売のサイトを挙げていますが、この画像自体はもう消えています。
このブログ記事を一部ですが訳してみました。 原文は元サイトで。
PVモジュールの不良品は太陽光発電産業の損失か?
たとえばシボレー車を生産しているとして、あなたは100台のうち1台の欠陥車、つまり1%の不良率を受け入れますか?そんなはずはありません。
工場出荷時のチェックによれば太陽電池パネルの不良率は平均で8.8%にのぼると、世界再生可能エネルギーネットワークREWは最近の記事で述べました。つまり太陽光パネルは10のうちほぼ一つは不良品ということです!
チェックはパネルが工場外に出荷された直後に行われ、5.5%〜22%に及んでいます。それは非常に悪い、懸念される欠陥の傾向です。5.5%がそんなに悪くないかのように、いくつかのメーカーが22%の不良率でパネルを生産し続けているのは驚くべきことです!どうやったら可能で、どうやったら採算が取れるのでしょうか?
これは再生可能エネルギー(-太陽光発電)の中で最も刺激的で興味深い情報の一つであり、評判に影を落としています。
REWは、一般的な失敗の原因を報告しました
1)標準以下の原料を使用
•金属接触線、
•パネルをUV放射線から保護するためのバックシートと封止材、
•他の環境破壊からの保護のための封止材、
•ケーブル絶縁体。
2)パネル内のセルを接続するはんだ付け作業員のスキルの低さ
なんと太陽光パネルの10のうち1つが不良品だなんて! 驚きました。ヨーロッパのメーカーだけかどうかわかりませんが、この画像のパネルのゴミは生産時に発生した不良品の可能性が高いです。
私は早速、この不良率の件について、エンジニアの友人に質問しました。(青文字がエンジニア氏)
私:ソーラーパネルの不良率が平均10%って ほかの製品に比べてどうなんですかね?
エンジニア氏:
信頼性工学=品質管理です。
不良率5.5~22%、平均10%とは、本当なら無茶苦茶な数字です。世界の最先端の大企業製造業(自動車、コンピュータ等)の部品の不良率の目標は10億分の2=0.002ppmです。
Wikipedia「シックス・シグマ」をご覧ください。まあ実際はそんなに低くはできませんけど。
家電製品の不良率(=製造直後に不良である確率、あるいは製品購入時に買ったものが不良品である確率)は「数千分の1~100万分の1」程度と推測します。
電気冷蔵庫等の普及率から考えて。
数千分の1~100万分の1だと幅が広過ぎるので、まあとりあえず、10万分の1としましょう。
22%=約20%とすると、10万分の1との比は、2万倍!
通常の企業でこんな不良率の高い製品を作ったら、対策費がかさんでその会社はあっという間に潰れてしまいます。何か裏があるのでしょうか。
こんなに不良品が出て、自らおかしいと思わないのでしょうか。
今回の場合、「チェックはパネルが工場外に出荷された直後に行われ、」と書かれていますが、普通、「チェックは工場内の最終品質検査ラインで行う」ものであり、最終製品として出荷されたものの不良率、あるいは製造工場(最終品質検査なしの)出荷後のチェックを行う別施設でなされた検査結果か、どちらなのか判然としませんが、
「工場出荷時のチェックによれば太陽電池パネルの不良率は平均で8.8%にのぼると、世界再生可能エネルギーネットワークREWは最近の記事で述べました。」とあるので、いずれにせよ、
平均不良率が約10%としたら、パネルを1万枚作ったら、そのうち1000枚がパァですよ。
不良品でない太陽光パネル1万枚を製造・出荷するためには、100%-10%=90%の逆数は111%なので、不良品を余分に11.1%=約1,111枚も作らないといけない。
私が調べた、あるメガソーラー(敷地の広さ=約350m×350m)では、太陽光パネルを6万3,264枚も使っていますが(これだけでも物凄い数字ですが)、
これだけのパネルを納品するためには、不良品も同時に7,022枚も余分に製造しなければないということです。無茶苦茶です。
それでも採算が取れるんでしょうか。
工場出荷最終チェックでハネられたこの物凄い量の不良品パネルは、リサイクルできないので、なんとか他所へ持っていかないとその会社の敷地は不良品パネルであっという間に満杯になってしまいます。どこか別の場所に捨てているのでしょうか。それとも捨てられないから、上記の写真のように売り飛ばしているのでしょうか。
「製造コストに比べ、今、販売価格はこれまで我々が世間を誘導してきた自然エネルギーブームのおかげで、売り手市場で高く設定できるから、11.1%もの不良品を余剰に生産してもへっちゃら。品質改善なんて余分にお金を喰うだけなのでそんなことはやりたくない。莫大な量の不良品はどこかに捨てる(=環境破壊)か適当に売り飛ばしてしまえ。そのあとはどうなろうが知ったこっちゃない。」
と考えているなら、環境保護?を謳っている企業としても、一般企業としても、これは倫理・品位というものが著しく欠けた、極悪なる詐欺行為と言えるのではないでしょうか?
実は「不良品発生による損失金額を販売価格に上乗せする」ことは一般製造業のどこでもやっていることです。
また、これだけ不良率が高いということは、当然そのメーカーの品質管理能力も大幅に疑われる訳で、その製品(太陽光パネル)の信頼性(=故障率。後述。)にも非常に疑問を持たざるを得ません。
話はちょっとそれますが、家電製品の不良率や故障率(故障率とは、単位時間当たりに何個故障が発生するかの確率)はその製品の種類によっても異なると思います。
余り売れない種類の物は不良率や故障率が高くてもメーカーが対応できるし、壊れてはいけない物(電気冷蔵庫等)は特にそれらの値は低いはずです。
メーカーは製品の種類によって不良率や故障率を考えて、手を抜いたり、逆に力を入れたりしています。
故障率は時間の経過とともに変化します。
故障率の時間変化についてはWikipediaの「故障率曲線」(バスタブ曲線)
や、http://www.tsuge.co.jp/basutabu.htm の中の図と説明文をご覧下さい。
後者の方が分かりやすいです。後者の方は自動車に関するページとなっていますが、電気、電機製品についても全く同じ概念が当てはまります。
世界中の電気、電機製品メーカーの品質管理部門は、この概念をもとに品質管理を行っています。
私は不良率とか考えたこともなかったので、エンジニア氏の話を聞いてびっくりしました。 いいんですかね~こんなことして!ものすごく資源と化石燃料の無駄だということがわかりますね。
こういうのがEPRの計算に入ってないということでしょう。市民が知らないと思って、まったくやりたい放題ですね。
こんなゴミの画像が出てきました。
http://www.salvex.com/listings/listing_detail.cfm?aucID=182951270
マレーシアに野積みされている太陽光パネルの製造で出た廃棄物です。
太陽電池パネルの生産からの過剰廃棄物の残滓。
ソーラーパネル製造に使用されたガラスカレット廃棄物
こういう廃棄物も外国ではネット販売されてるんですね。ブログ冒頭の画像もそういった廃棄物だったのかもしれません。
ソーラーパネルという工業製品の製造途中に出る、廃棄物の山。
メーカーは消費者にこういったゴミが出ることは知らせてないですね。半導体製品についても当てはまるのかもしれませんが、消費者でそんな廃棄物のこと考える人はいないでしょう。
これらの廃棄物がどう再利用されて、採算が取れるのかどうかさえもわかりません。もしも売れずにずっとここに放置されてたとして、環境にどのような負荷がかかるのかも不明です。
『暴走する地球温暖化論』のⅢ章 リサイクルもほどほどに、という武田邦彦氏の論考より抜粋転載します。
「本稿では、材料工学、分離工学、プロセス工学の観点から、家電リサイクルがなぜ環境を悪化させるのか、解き明かしていきたいと思います。
材料にはそれぞれ寿命がある。
これは材料工学の原理です。一度使った材料は再び使えません。通常の家電製品は材料の寿命が尽きたところで
使用期限を迎えるように設定されています。テレビで12年、洗濯機で10年、エアコンは8年、冷蔵庫が15年ぐらい、その年数に適した材料が選ばれる。一度寿命を迎えた製品の中でもう一度加工して、製品に戻せる材料は、金属材料のごく一部、強いて言えば銅とアルミくらいです。
これは全体の一割程度(容積比)に過ぎません。それ以外のプラスチックやガラスを新しい状態に戻すのは、ほとんど無理なのです。
(中略)
ガラスにはまた別の問題があります。たとえばテレビのブラウン管は、表面のパネル、中心のファンネル、その裏のネックの3つの部分から出来ています。パネルはテレビの最前面ですから、光が通りやすいことと、子供がふざけて叩いたくらいでは壊れない強度が必要です。
裏側のファンネルには非常に高い熱がかかるので優れた耐熱性をもたせ、電子線や電磁波を外に漏らさないよう鉛などを30%ほど入れます。ネックに至ってはさらに鉛を加えます。
このように、三つの部分でガラスの組成が違いますから、単純に壊して溶かし、またブラウン管を作る、というわけにはいきません。かといって、人体に有害な鉛が混ざっていますから、コップなどにも使えません。
パネル、ファンネル、ネックの三つを継ぎ目のところから至極厳密に分けて、それぞれを洗ったあとに溶かし再生する。ここまですれば理論的にはリサイクル可能です。
しかし、ブラウン管のガラスはもともと20種類程度の元素を調合して作ってあります。
戻ってきたものは新品の時と同じ状態ではありません。もう一度溶かして調合しなおさなければならないのです。
今のガラス工場は、非常に厳密な調合管理の体制を取っていますので、これを実行しようとすると工場設備の設計からやり直さなければなりません。
またこのようなことは液晶テレビでも基本的には変わりません。
リサイクルできるって説明を信じて、太陽光パネルを自宅の屋根にのせた市民がたくさんいます。
でも実際はごまかしがあったのです。
信頼性工学、材料工学、分離工学、プロセス工学について、企業の目線でなく市民の目線で学ばないと、エネルギー問題、ゴミ問題などなど解決しそうもないということがわかります。
世の中のお母さんたちで、家電を買うときに、「これは何で出来てるか」とか「どうやって作ってるか」とか「壊れやすいんじゃないか」「ゴミになるんじゃないか」とか考えて買う人はほぼいません。
「お得かどうか」の判断しかありません。
だから液晶テレビもソーラーパネルも家電も同じ感覚で買ってしまうのです。
最近私は、いろいろある「~工学」のせめてほんの端っこだけでも、お母さんたちが知ることで、不要で危険な家電、工業製品を回避する、不買ができるのではないだろうかと考えています。