2016/1/9 朝日新聞
日立造船グループに決定 新清掃工場の整備・運営事業者 落札額は426億6800万円(水戸市)
[2016/1/9 茨城版] 日刊建設新聞
水戸市は8日、新清掃工場整備・運営事業の事業者選定の一般競争入札で、落札者を決定し公表した。2グループから入札提出書類の提出があり、総合評価で審査した結果、「日立造船グループ」(代表企業:日立造船株式会社)を最優秀提案者に選定。落札金額は税抜き426億6800万円となる。事業期間は平成52年3月31日までの約24年間とし、このうち設計・建設にかかる期間は32年3月31日までの約4年間に設定する。
日立造船グループは、日立造船のほか極東開発工業、五洋建設茨城営業所、昭和建設、Hitz環境サービスで構成する。このほか、協力企業としてセンター電機、太平洋セメント、みなと運送、ツネイシカムテックス、昭和通運、打木運輸、中央電気工業、中電興産、メルテック、東亜環境コーポレーション、刀屋が名を連ねる。
入札提出書類は、日立造船グループとタクマグループ(代表企業:タクマ)の2グループが提出。学識経験者などで構成する「水戸市新ごみ処理施設整備・運営事業者選定評価委員会」で評価を行い、総合評価値は日立造船グループが86.1点、タクマグループが78.49点(100点満点中)だった。
新清掃工場は、小吹清掃工場内の各施設の老朽化などから新たに整備するもの。施設の基本計画や基礎調査業務、環境影響評価(方法書作成)業務は国際航業(東京都千代田区)が担当し、26年5月1日に都市計画決定を受けている。
施設はごみ焼却施設とリサイクルセンターで構成し、下入野町字南散野地内に建設する。ごみ焼却施設は処理方式にストーカ方式(灰溶融)、ストーカ方式(主灰の外部資源化)、シャフト炉式ガス化溶融方式または流動床式ガス化溶融方式のいずれかの方式を採用して、処理能力に1日あたり330t(110t×3炉)を予定。リサイクルセンターは破砕、選別および保管によって処理し、処理能力を1日あたり55t(破砕設備1日あたり24t、選別設備1日あたり33t)とする。
今回の事業では、民間事業者の経営能力や技術的能力を活用することで効率的・効果的な設計・建設および運営を行うため、事業方式にDBO方式を採用。資金調達を公共、設計・建設および運営を民間が行う公設民営方式とする。事業内容は、事業者が設計・建設業務および運営業務を、市が用地確保、造成工事、事業のモニタリングなどを担当する。
事業期間は、設計・建設建設期間を32年3月31日までの約4年間、運営期間を32年4月1日から52年3月31日までの20年間の合計約24年間に設定。市は新清掃工場を30年間にわたって使用する予定であり、30年間の使用を前提として事業を実施する。
入札に際し、市は運営事業者に出資する企業(構成員)と運営事業者に出資しない企業(協力企業)で構成される参加者を募集。予定価格は税抜き533億3500万円で、このうち設計・建設にかかる予定価格は262億2600万円としていた。今後は日立造船グループと基本協定を締結し、2月にも特定事業契約の仮契約締結を締結したあと、市議会の承認を得て3月下旬に特定事業の契約を締結する見通しだ。
なお、新清掃工場に併設する新たな最終処分場も、総合評価方式の一般競争入札で設計・施工業者を選定する方針。市は業者選定に先立ち、新清掃工場の実施方針を踏まえて埋立処分量の条件設定が可能となる段階で、条件を設定してゼネコンに見積もりを含めた意見・提案の提出を依頼する考えだ。
[ 2016-01-12 5面 面名:関東面] 建設通信新聞
【構成員に五洋ら、ストーカを提案】水戸市は、DBO(設計・建設・運営)方式を導入する新清掃工場整備・運営事業を総合評価一般競争入札した結果、日立造船グループ(代表企業・日立造船 )に決めた。事前公表した予定価格576億0180万円(税込み )で、落札額は460億8144万円(同)だった。落札者の提案を採用するごみ焼却施設の処理方式はストーカ方式(主灰の外部資源化 )となった。
同グループは日立造船のほか、極東開発工業、五洋建設、昭和建設、Hitz環境サービスで構成する。協力企業として、センター電機、太平洋セメント、みなと運送、ツネイシカムテックス、昭和通運、打木運輸、中央電気工業、中電興産、メルテック、東亜環境コーポレーション、刀屋が参加している。
このほか、タクマグループ(代表企業・タクマ)が482億6910万6360円(同)で応札した。日立造船グループは入札価格だけでなく事業提案でも最高点を獲得した。
事業範囲は日量330t(110t×3炉)のごみ焼却施設と同55tのリサイクルセンターの設計・建設、運営、主灰の運搬と資源化。事業者は16-19年度に設計・建設し、20-39年度に運営する。
建設地は下入野町字南散野地内の敷地約8.6ha。
隣接地にDBO方式で別途、整備する最終処分場は、焼却施設の処理方式が決まったため、今後、埋立容量を確定させる。
(管理人より)
茨城県水戸市にごみ焼却施設とリサイクルセンターが新設されることになりました。隣接地に最終処分場も整備されるようです。
この大型の公共工事について、朝日新聞だけの情報では「日立造船が落札した」ということしかわかりませんが、関連情報をネットで調べると中身が出てきます。
そもそも清掃工場は有害なPM2.5を放出する公害施設です。
福島原発事故後、清掃工場の新設に関しては特に、建設場所や燃やされるものにより放射性廃棄物の問題が生じてきますので、市民はよくアンテナを張っておく必要があると思います。
上の記事の箇条書きまとめ
●水戸市新ごみ処理施設整備・運営事業者: 日立造船グループ(日立造船、極東開発工業、五洋建設、昭和建設、Hitz環境サービス)
協力企業(センター電機、太平洋セメント、みなと運送、ツネイシカムテックス、昭和通運、打木運輸、中央電気工業、中電興産、メルテック、東亜環境コーポレーション、刀屋)
●環境影響評価業務: 国際航業
●建設地: 茨城県水戸市下入野町字南散野地内
●落札額: 426億6800万円
●焼却施設の処理方式: ストーカ方式(主灰の外部資源化)
「主灰の外部資源化」と書いてありますので、ごみの焼却灰は再利用されるということでしょう。
協力企業を見ると太平洋セメント、ツネイシカムテックスというセメントや産業廃棄物処理の企業名があります。 当ブログではおなじみですね。
ここにごみの焼却灰が流れていくことは素人でも予想できます。
太平洋セメント工場 さてどこに運ばれていくのでしょうか? 近いのは埼玉ですが・・・
ツネイシカムテックスで焼却灰を扱う可能性のあるところは
本社 福山工場 〒721-0956 広島県福山市箕沖町107-5TEL:084-954-6700 FAX:084-954-6703
〒369-1223 埼玉県大里郡寄居町大字三ヶ山 250番地1
TEL:048-582-5503 FAX:048-582-5506
水戸市新ごみ処理施設整備事業に係る 環境影響評価書 平成 26 年 5 月
溶融処理に多量の燃料、もしくは電気を要するとありますので、まあ、エコではないですね。
ゴミを燃やして作った電気は売電するそうですが、電気を使ってもいますからね。差し引きどのくらいか不明ですが。
煙突からは放射性のPM2.5。バグフィルターでは捕捉できないことは明らかです。学校も周囲にありますね。
茨城県HPより 一般廃棄物焼却施設における焼却灰の放射性物質の測定結果(PDF:100KB) 公開日 2012年3月30日
ここには、2012年の茨城県内の焼却灰の放射能汚染データがあります。
なんと、このデータには800ベクレル/kg以下は免除ということで省略されています!
根拠↓
※ 放射性物質汚染対処特措法の施行により、本年1月から、県内の一般廃棄物焼却施設では、焼却灰の放射性物質の濃度測定が義務づけられています。(法第16条)
なお、以下の要件に該当する場合には、国から免除確認を受けることで調査義務が免除されます。(「800Bq/kg以下」又は「直近3ヶ月以上の期間における3回以上の測定が全て6,400Bq/kg以下」)
※ 8,000ベクレル/kg以下の焼却灰については、特措法及び廃棄物処理法の基準に基づき、既存の最終処分場等で処分することとなっております。
8,000ベクレル/kgを超える焼却灰については、国が指定廃棄物に指定し、国の責任で処分を行います。
たしかに、原発事故直後のごみの焼却灰の汚染は茨城県でも凄まじく、それが指定廃棄物となり、会議は行われているけれど、いまだに指定廃棄物処分場は決まっていないありさま。
国は茨城県の処分場の候補地として非公開で高萩市を選んでいますが、市民の反対運動で白紙。
茨城県指定廃棄物一時保管市町長会議 次第
環境省のHPに議事録がありますが見ると絶望的な気分になります。
こういう状態なので、まず8,000ベクレル/kg以下は「低い汚染」だから安全というとんでもない認識になってしまい、灰はためずにどんどん再利用するという方向に持って行かれているのだとわかります。
茨城県指定廃棄物一時保管市町長会議(平成27年4月6日) 当日の様子はこちら
第4回市町村長会議(平成27年1月28日) 当日の様子はこちら
第3回市町村長会議(平成25年12月25日) 指定廃棄物処分場候補地の選定手法等について説明しました。 当日の様子はこちら
第2回市町村長会議(平成25年6月27日) 県内処理の基本方針の制定に関する経緯等について説明しました。
第1回市町村長会議(平成25年4月12日) 施設の安全性等について説明しました。
水戸市小吹清掃工場の混合灰(主灰と飛灰)が 650ベクレル/kg (2011年12月段階?)だとしても、
原発事故前は100ベクレル/kg以上の放射性廃棄物は黄色いドラム缶に入れて厳重保管してきたわけですからとんでもないことです。
主灰だけの数値も書かれていませんので、実際のところは市民は知らされていません。
情報公開請求するしかないかもしれません。
このような汚染主灰がスラグ化再利用(セメントや路盤材など)されて、私たちの暮らしの中に拡散されるということです。
茨城県の問題だけではありません。
この清掃工場新設の公共工事で儲かるのは、日立造船=原子力ムラ です。
有毒なPMを吸い込まされるのは現場の労働者と周辺住民。
リサイクルに使われたら、どこで何が起こるかもうわかりません。
※ 茨城県では日立造船が、焼却施設を他にも作っています。
2013年11月27日 茨城県常陸太田市での木質バイオマス発電事業実施について
2013年1月29日 「新大子町環境センター(熱回収施設・リサイクル施設)建設工事」を受注 エスエヌ環境テクノロジーも日立造船グループ
このように放射能汚染地域で原子力ムラが、「再生可能エネルギー」や「循環型社会形成推進」という大義名分のついた交付金を懐に流し込んでいるというわけです。
実際には市民に追加の被曝を強制するものでしかないということは以下のリンクを読んでいただけたらわかります↓
ゴミ焼却施設の煙突から大気中に放射性物質が放出されている可能性について、三田茂医師も言及 下水汚泥等の放射能濃度測定結果、ツネイシカムテックスの汚染廃棄物を使った人工砂200ベクレル エンジニア樗木さん「焼却施設から排出される放射性セシウムが不検出となる問題」福島の放射性廃棄物焼却炉 エンジニア樗木さん「このまま全国で処理されればセシウムが飛散して大変なことになる」放射性廃棄物の焼却
バグフィルターを素通りする放射能汚染 琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬
鮫川村の試験焼却の排ガスNDは本当か?樗木博一氏「排ガス中の放射性セシウムの測定法」動画