被災地復興支援 献血で折り紙プレゼント
2月17日 14時28分 NHK
東日本大震災の発生から来月で5年になるのを前に、「して、被災地の復興支援につなげようという運動が全国一斉に行われています。 この運動は、日本赤十字社などがおととしから続けています。17日は全国で、献血を受け付ける施設を訪れた人たちに、宮城県のくりこま高原産の杉の間伐材で作った折り紙が1枚ずつプレゼントされました。折り紙がプレゼントされると、この運動に協力している企業から1枚当たり25円が日本赤十字社に寄付される仕組みで、寄付金は被災地の復興支援などに活用されるということです。JR大阪駅に近いビルの一室にある献血の施設では、杉の木の香りを楽しんだり、普通の紙より固めの手触りを確かめたりしながら、その場で早速、鶴を折る人の姿も見られました。
献血をした大阪・箕面市の30代の女性は、「木の香りがしてすてきな折り紙です。少しでも復興の支援になればと思い献血しました」と話していました。また、大阪市の50代の男性は、「温かみのある折り紙だと思いました。間接的ですけど被災地のために役に立てたらうれしいです」と話していました。 (管理人より) また大義名分がいっぱいくっついた運動が行われているようですね。よく見なければいけません。 経木のように木を薄くスライスした「折り紙」を献血をした人にプレゼントするというもの。 この折り紙は「宮城県のくりこま高原産の杉の間伐材」で作られています。 放射性降下物があった東日本の木が放射能汚染されたことは残念ですが事実です。東北の森林県が汚染されたことは私も無念でなりませんが、この汚染の事実がなかったかのようなこのニュースにも驚いています。 宮城県のくりこま高原産の木に関しては以前のブログでも書きました。☟ 原発が爆発した翌月末、田中優氏は東北の放射能汚染された森林で子どもと樹皮をむく活動。なんと今年も!
くりこま高原は、宮城県栗原市です。栗原市は汚染状況重点調査地域に指定された場所です。
栗原市をはさんで南北に大崎市と岩手県の一関市、といった位置関係になっており、そこを放射性プルームが通過し、膨大な放射性物質を落としたことはその後の調べでもわかっています。
市民による岩手全県土壌放射能汚染調査結果 より引用青文字
岩手県南地方の放射能汚染は予想よりも遥かに酷いものであり、一関市、平泉町、奥州市、金ヶ崎町の 2 市 2 町全 164 調査地点中 52 地点が 1000Bq/kg(65000Bq/ m2)を超えている
つまり隣接の栗原市の森林には福島第一原発事故の際の大爆発で放射性物質が大量に降り注ぎ、今も残存しているということです。
くりこま高原の杉の木が全く放射能汚染されていないとは考えられません。
EU研究機関 Atmospheric Chemistry and Physics が発表した放射能汚染地図。 IAEA基準40kBq-m2以上は移住相当の汚染地域
さらに、原発事故から5年が経過し木の内側まで、放射能汚染が進んでいることも、調査結果が出ています。 福島県全域から汚染木材を集めて加工するCLT工場を、あの大熊町に建設。木の中心部分の汚染は2000bq/kg!
それなのに、こういった運動が行われているのはなぜでしょうか。この運動に協力している企業とはどこでしょうか?
調べてみるとここでした。去年からやってるんですね。
日清医療食品と日本赤十字社がコラボして「献血で東北支援を!」キャンペーン第三弾を9月11日(金)47都道府県の献血会場で実施 より引用青文字
(配布数15,000個。配布終了次第キャンペーンも終了)
応援の仕組み株式会社イトーキ → 日清医療食品株式会社 → 日本赤十字社へ寄付。
宮城県産の間伐材であるスギを使用することで宮城県内の環境保全活動に役立ちます。
(使用するスギはくりこま高原の間伐材になります)
日清医療食品 はワタキューセイモア(主要株主伊藤忠商事25.0%)の子会社。 病院給食の会社。Wikipedia を見ると311以前にも 事故米など汚染食品問題を起こしていますね。
日清食品のHPに、以下のような、今回の「折り紙」に関するインタビュー記事がありました。青文字引用
献血に行こう|日本赤十字社 インタビュー Q.日本赤十字社から見た「献血で東北支援を!」についてご意見があれば教えてください。
献血に東北支援という社会貢献を絡めてご協力いただく日清医療食品様の献血活動は、画期的な取り組みであり、たいへん感謝しております。
また、キャンペーン時には東北支援につながる記念品が全国の献血会場で提供されることもあり、献血者の方からも好評をいただいております。
企業様の献血活動においては、事業所単位でご協力いただく形が一般的ですが、全国の社員の方が各地の献血会場に足をお運びいただく形での献血協力や社内報での献血の普及啓発など、日清医療食品様の取り組みは非常に先進的であると感じています。
このように日清医療食品様が熱心に取り組まれているのは社員の方々が医療施設や福祉施設で働かれていて、献血された血液がどのように医療現場で使用されているかをイメージしやすい環境にあるということも理由のひとつだと思います。
また、献血された血液の多くは白血病・ガンなどの病気の治療に使用されていますが、社員の方が日頃の医療現場において、常に血液は必要とされているということを十分に理解されていることも熱心に取り組まれている理由のひとつだと思います。
そしてこの件を 広めている組織が フォレスト・サポーターズ です。http://mori-zukuri.jp/topics/2016/01/07/report?id=488
登録企業団体一覧の中に イトーキも入っていました。
この中には個人もNPOも企業もごちゃまぜに50音順で放りこまれており、膨大な数があってわかりにくいのですが、電力会社や原発メーカー子会社などの原子力企業なども入っています。
アースデー FOE JAPAN 朝日新聞 大分合同新聞 大阪ガス 関西電力 熊谷組 清水建設 経団連自然 保護協議会 産経新聞 三洋電機 積水ハウス 電通 博報堂 東芝 日本生命 日本ハム 日本野鳥の会
農林水産省林野庁 日立 富士通 前田建設 マツダ トヨタ キリンビール などなど
CSRでグリーンウオッシュするために名をつらねているのか何かわかりませんが、もう書ききれません。抜粋しておきました。
この中にはもちろん東北の林業に関する企業や組織も入っていますので、「東北の汚染木はやめよう」という主張などどこにもありません。
ちなみに折り紙の前のプレゼントは、お箸とひのき風呂でした
「フォレスト・サポーターズ」に登録している団体
日本製紙連合会 日本生協連 日本鳥類保護連盟 日本特用林産振興会 連合 ふるさと回帰支援センター ボーイスカウト日本連盟
都市農山漁村交流活性化機構 NPO法人森づくりフォーラム 森のようちえん全国ネットワーク 森を育む紙製飲料容器普及協議会
明らかに、森を壊している側の企業や団体が入っていることに頭を抱えます 。なんてでっかいグリーンウオッシュ!
フォレスト・サポーターズに参加している著名人サポーターには坂本龍一や、ガチャピン・ムックまで
美しい森林づくり全国推進会議 が中心になって運動をしているということです。
これじゃ、「木が放射能汚染されてるからやめましょう」なんて言うはずないですね。
かくして、被災地復興、献血、美しい森づくり運動、といった美しい看板で、東北の木の折り紙は鶴となって日本中に拡散されていきましたとさ。
赤十字に25円回るのが嫌な人はどうしたらいいのでしょうか。拒否したらどうでしょうか。献血はしても折り紙は要りませんと。
つまり 15000人が献血に行って全員が折り紙をプレゼントされたら 15000×25=375000円 が 赤十字に寄付されるということ。
日本赤十字社は生活家電セット(6 点)を被災地に寄贈していましたが、原発メーカーでした。 http://www.shinsaihatsu.com/data/110311kasetsu.html
洗濯機(全自動 7kg程度) テレビ(32型程度 テレビ台を含む) 冷蔵庫(290L程度) 炊飯器(5.5合炊き程度) 電子レンジ(500W程度) 電気ポット(2L程度) 原発メーカー日立製の冷蔵庫
生活家電セットはもう支給を終了していますが、日本赤十字はこういうことをする組織だということです。
日本赤十字社に寄付が回ることに納得がいかない市民もいます。同じ寄付するなら信頼できる人に直接託したい市民もいるのです。
今回のような複雑な運動は、何もわからない人は、いいこととしか思わないことでしょう。