『支援に恩返しを』 熊本地震、福島県被災自治体など物資送る
福島民友 2016年04月19日 08時00分
熊本地震を受け、県内では18日、各地で熊本県への支援の輪が広がった。関係者らは「東日本大震災時に受けた支援の恩返しになれば」と被災地に水や食料などの救援物資や義援金を送った。
広野町が水6000本
広野町は18日、避難所となっている熊本市の江南中に向け、500ミリリットル入りのミネラルウオーター6000本を発送した。トラック1台で運び、20日に現地へ届く見通し。防災対策の備蓄品を支援物資に活用した。18日は町役場前で出発式が行われ、遠藤智町長が「九州の復興を願いながら今後も町の復興を進めていく」と語り、運転手に熊本市長らへの書簡を託した。
田村市は毛布も
田村市は18日までに、熊本県益城町(ましきまち)に毛布258枚とあぶくまの天然水の500ミリリットル入り2880本、同20リットル入り97本を送った。冨塚宥市長は「震災の苦しみを経験した者として心痛な思い。諦めずに頑張ってほしい」と話した。
福島市は緊急に7トン
福島市は18日、熊本市に水や食料など計約7トン分の緊急支援物資を送った。支援物資は、福島市の水のペットボトル(500ミリリットル)1万80本と、水やお湯を入れて食べることができるアルファ米3000食分、簡易トイレ50基、仕切り板32基。市役所で出発式を行い、小林香市長が運搬を担当する県トラック協会県北支部の右近八郎支部長や運転手らに「無事に支援物資を届けてほしい」と呼び掛けた。また、熊本市長宛てのメッセージなども託した。
(管理人より) 広野町も田村市も福島市も汚染状況重点調査地域です。そういった場所から熊本に物資を運ぶのは放射性物質の移動になります。
一番新しい水道水のデータです。 環境放射能水準調査結果(上水(蛇口))(平成27年10-12月分) 平成28年01月29日 より
福島市はセシウム137が検出されています。それなのにモンド・セレクション受賞というのも、まったく訳がわかりませんが、今回の熊本支援で、日本には他にも不検出の水はいくらでもあるのに、災害支援物資として、この水道水が送られているのです。
わざわざ東北から放射性物質が検出されている水道水を飲料水として運ぶ意味はなんでしょうか?輸送費のことを考えれば経済合理性などありませんし、放射能汚染という点でも科学的な合理性もありません。飲めば微量といえど、内部被曝は追加されます。
「恩返し」という概念を行政の事業に取り入れるのはそもそも間違いだと私は思っています。暮らしのマナーの「~返し」と、ごっちゃにしてはいけないと思うのです。
原発事故後、日本は放射能汚染国になったのですから「被災地同士の恩返し」という考え方を、行政などが大義名分に掲げ、汚染地から非汚染地へ物資を移動させるのは妥当性がありません。
「恩返し」というのは一般に良いこととされているために、逆らえない大義名分となります。市民は異を唱えにくく、異を唱えると「人でなし」にされてしまう可能性もあります。
それは日本が放射能汚染国だということを忘れた行為でしかありません。
どうしてこんなことがあっという間に行われたのでしょうか?
こんな事業がありました☟
民間団体が、国内において実施する県産農林水産物等(県産農林水産物を使用した加工品を含む。)の販売促進等PR活動に対して支援を行い、風評の払拭を図り、県産農林水産物等の販売・消費の拡大に役立てることを目的として行うものとする。
民間団体事業と事業名に入っていますが、要領を見ると、「県内の市町村」(赤線)と書いてありました!
ということは、この予算を使って、熊本市にふくしまの水が送られたのではないでしょうか? 福島の水道水の安全PRとして。「風評」払拭のために。
500mlのペットボトルが1本100円。熊本に10080本送ったので 10080×100=1008000 100万8000円!?プラス運送代でしょうか?
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150413_63053.html
「恩返し」ということで熊本に水道水を運送代をかけて送っていますが、こういう安全PR支援事業から経費が出てるのかもしれません。
この地図を見れば、福島⇒熊本 へ水を送ることは妥当性がないと誰でもわかります。地図上の白い地域から送ればいいだけのこと。
近い地域で対応できるものを遠くからガソリン代を使って送るのは化石燃料の浪費となります。
「善意」に名を借りた安全PR。本当の善意とはなにか、本音で真実を語り合える世の中ではないことに、さらなる絶望を感じています。