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Channel: ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
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琉球大学ヤマトシジミの最新論文発表! 日本人が知らされてないRS-G-1.8 何それ? 

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琉球大学で研究されている野原千代さんから新しい論文ができたことを教えていただきましたので早速ブログでもURLをご紹介します。画像は以下の論文PDFより転載させていただきました。

「昨日、以下の論文ができました。 昨年の論文に対する様々な批判(非難)に応えた内容。前回のジャーナルよりもインパクトファクターの高い雑誌です。」      野原様より

http://www.biomedcentral.com/1471-2148/13/168/abstract 

The Fukushima nuclear accident and the pale grass blue butterfly: evaluating biological effects of long-term low-dose exposures 

http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2148-13-168.pdf  論文のPDF

ここからは管理人より個人の考え

琉球大学が研究しているヤマトシジミの被曝影響に関する最新論文が本日発表されました。

私は、これは本当なら全国的な汚染状況を把握するため、各国立大学がプロジェクトを作って研究に取り組まなければならないレベルの問題だと思います。 各国立大学の理学部や農学部などで生物の被曝影響について、生物の環境モニタリングをすることを国民が求めていかなければならないと思います。

すぐにでも日本中の生き物調査、環境モニタリングをしなければならないのではないでしょうか?

小さい島国なので日本中の各自治体、国立大学など研究チームを作り連携して空間線量だけでなく、すべての放射能汚染状況を調べなければならないはずです。そして市民もそれを強く求めていくべきだと思うのです。

日本は今、緊急事態の国。レベル7の放射能汚染国で今も福島第一原発は収束していない。緊急時の環境モニタリングマニュアルについて実は国民に周知されていないのです。メディアも取り上げていない。

それは、IAEAのRS-G-1.8 という文書の中にあります。IAEAの安全基準文書です。ほとんどの人がその名前も存在も知らされていないという恐ろしい事実があります。IAEAの安全基準文書の中には放射性廃棄物はどう扱うかなどの項目もあります。

RS-G-1.8 放射線防護の目的のための環境および線源モニタリング

以下表紙

http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1216_web.pdf

 

 

136pにも及ぶこの資料の中の28p目の4.26に 「Bioindicator」という単語があります。

Bioindicator とは何かというと Biological indicators 生物学的指標のこと

http://en.wikipedia.org/wiki/Bioindicator  より

Biological indicators are species that can be used to monitor the health of an environment or ecosystem (生物学的指標とは、環境や生態系の状態を監視するために使用することができる種である)

Environmental monitoring is conducted both on and outside the site
giving rise to exposure of the public and radionuclides in the environment.

(環境モニタリングは、環境中の公衆と放射性核種の接触を生じさせる場所の内と外で行ないます。)

The environmental monitoring programmes include measurements of radiation
fields and radionuclide activity concentrations in environmental samples
relevant to human exposure, primarily in air, drinking water, agricultural
produce and natural foodstuffs, as well as in bioindicators that concentrate
radionuclides and provide a measure of trends in activity levels.

(環境モニタリングのプログラムは、放射能汚染地域での存在量の推移の測定に使う生物学的指標と同様に、人間と関わりが深い環境サンプル例えば空気や飲料水、農産物、自然にある食物などの放射性核種の凝縮と濃度の測定を兼ねています。)

4.26には、汚染地域の内外で生物学的指標と同様に空気、飲料水、農産物なども放射能濃度の測定など環境モニタリングをしろと書いてあります。例えばヤマトシジミのような、日本中どこにでもいて環境影響を受けやすく弱い生き物はBioindicatorとして最適な種だと思います。だからこの研究ような環境モニタリングが日本のあちこちでなされていなければならないはずなのです。

研究費等、国がきちんと出さなければならないのではないかと私は思います。

IAEAのRS-G-1.8は、「こういう考え方の元で環境モニタリングプログラムを設計してください」と示した安全マニュアルです。しかもこの中にはRS-G-1.8を、その国の住人に公表しなさいと書いてあります。

世界の原発がある国ではどこも、大概は母国語に訳されて公表されていますが日本では一部の人以外、存在すら知られていない異常な状況です。

http://www-ns.iaea.org/standards/documents/topics.asp?sub=160

もし国民が読んだら「こんなに危険があるのか」と気づかれてしまう可能性のあるIAEAのRS-G-1.8(放射線防護の目的のための環境および線源モニタリング)。これを国民の目に届かないところに隠してしまって知らせないということは、危険性を過小評価しているということです。馬鹿な国民がこんなマニュアルまで探し出してまで読みはすまいと原発官僚は思ってるのです。

もうこれだけで、日本という国の姿勢が丸見えなんです。

IAEAのRS-G-1.8はこれだけのマニュアルを作って、原発を推進してきたわけですが、どの国にも危険ですよと知らせているわけです。

 

世界の原子力推進勢力 からすれば楽勝な商売。どこかの国の官僚に、一応危険は知らせたからねと。RS-G-1.8渡しておいてそれでOKして原発を自国に導入するのは自己責任。コンビニのフランチャイズみたいなもので、場所とお金があればできてしまいます。

そんなに危ないものと知ってたら、原発を導入しないように国民が声を上げることができたんです。

そういう選択肢すら奪われていたということに日本人がはやく気づくべきだと私は思います。

教科書にRS-G-1.8が入ってなければおかしかったし、今からでもいいから翻訳して大新聞の見開きで定期的に特集すべき。冊子にして公民館に置くべき。RS-G-1.8は、日米原子力協定と同じように隠してあったことに気づきました。

RS-G-1.8を周囲に知らせて欲しいです。

【参考】 ひとつ前のはこちら

★IAEA安全指針 RS-G-1.7について 参考資料2 平成22年2月22日
独立行政法人原子力安全基盤機構http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100222c10j.pdf 

★放射線モニタリングに関するディスカッションペー パー 平成 24年 1月 31 日
原子力安全委員会事務局

この中にはRS-G-1.8の訳が一部入っています。全部ではありません。全部を翻訳して見なければわかりません。とりあえず目次だけ切り取ってあげときます。

http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/bousin/bousin2012_12/siryo3.pdf  より

 

5.65(d)

 危険の程度について公衆へ情報を提供すること⇒されてますか?(ಠ_ಠ)

★IAEA安全ガイド 「放射線防護の目的のための環境及び線源モニタリング」
(RS-G-1.8)の概要   平成19年7月4日 原子力安全委員会事務局

http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/kanhou_shishin/kanhou_shishin001/siryo1-3.pdf

 

 

 

 RS-G-1.8 4項目目の環境モニタリングについてはこれだけでした。

そしてこのようなPDFがネット上にありました。311前にRS-G-1.8概要は少なくとも日本で確認していました(゚o゚;;

★環境放射線モニタリング指針検討会(第1回) 議事概要(案)

http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/kanhou_shishin/kanhou_shishin002/siryo2-1.pdf

 

 

この環境放射線モニタリング指針検討会に出席した人たちには、原発事故後、日本できちんと環境モニタリングが行われていないという責任があると私は思います。

市民は RS-G-1.8について知らされてなかったけどこの人たちは知っていたのです。 

 

 

 


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